持続可能な調達の推進

持続可能な調達についての基本的な考え⽅

シチズングループでは、自社工場だけでなくその製造プロセスにも配慮した「サステナブルファクトリー」の実現を通じた持続可能な社会への貢献を目指しています。「サステナブルファクトリー」とは、お取引先様も含めたバリューチェーン全体を持続可能な「ファクトリー」とするものです。ファクトリーの実現にはバリューチェーンの上流の要となるお取引先様との協働が不可欠であり、コンプライアンスや人権、労働慣行、BCP、生産性向上など総合的に配慮した持続可能な調達(CSR調達・責任ある鉱物調達・グリーン調達)や生産体制の整備を実践しています。

CSR調達

シチズングループでは、サプライチェーン全体でESGを推進していくために、「シチズングループ調達基本方針」を定めて、CSR調達を進めています。国内外のお取引先様に対しては、「国連グローバル・コンパクト」および「シチズングループ行動憲章」に基づいて人権尊重や環境保全、労働安全衛生、公正取引などの要請事項をまとめた「グループCSR調達ガイドライン」の遵守を依頼して周知を図っています。

シチズングループ調達基本方針(2017年4月 制定)

  1. 公正で透明な取引:物品・サービスの調達において、品質、価格、納期に加え法令、社会規範の遵守を尺度とした、合理的な基準に基づいてお取引先を選定します。
  2. 法令、社会規範の遵守:調達活動における各国の法令・社会規範を遵守します。
  3. 人権の尊重と労働環境への配慮:国際的に宣言されている人権基準を尊重すると共に、労働環境に配慮した調達活動を推進します。
  4. 環境に配慮した「グリーン調達」の推進:環境に配慮した製品づくりを進めるため、環境負荷の少ない部材を優先的に採用し、地球環境の負荷低減に貢献します。
  5. お取引先との共存共栄:国内外を問わず、シチズングループと目標を共有できる全てのお取引先と、より良いパートナーシップの構築に努めます。

シチズングループCSR調達ガイドライン

シチズングループでは、2020年4月に、第2版となる「シチズングループCSR調達ガイドライン」に改定しました。ガイドラインでは、近年の社会環境や経済情勢の変化や、国連グローバル・コンパクトのような国際的な規範、ステークホルダーからの要請への対応といったシチズングループの姿勢を示しています。お取引先様への賛同も求めており、回答を依頼している自己評価アンケート(SAQ:Self-Assessment Questionnaire)と内容を連動することでガイドラインの周知徹底を目指しています。またSDGsの達成にも貢献できるよう、人権や労働慣行に関する領域をはじめとする社会課題の解決に向けた要素など広く網羅しています。

シチズングループCSR調達ガイドライン(2017年4月1日 制定/2020年4月1日 改定)

はじめに

シチズングループ(シチズン時計株式会社およびそのグループ会社)では、「市民に愛され市民に貢献する」を企業理念に掲げ、「市民に愛され親しまれるものづくり」を通じて、世界の人々の暮らしに広く貢献することを目指しています。シチズングループはこの考えに基づき、「国連グローバル・コンパクト」の人権・労働・環境・腐敗防止に対する精神および「シチズングループ行動憲章」に基づき、社会課題に配慮しCSRを積極的に推進するお取引先と強固なパートナーシップを構築したいと考えています。
お取引先の皆様へは、これまでもCSRに関わるお願いをしてまいりましたが、持続可能な社会の実現に向け、皆様との信頼関係をさらに発展させ、責任ある調達活動を進めていくために、このたび「シチズングループCSR調達ガイドライン」を改定いたしました。
お取引先の皆様におかれましては、本ガイドラインの趣旨にご理解を賜りますとともにご賛同くださいまして、皆様のサプライチェーンへの展開を含め、CSR調達活動の推進にご協力いただきますようお願い申し上げます。

コーポレート・ガバナンス
  1. CSR推進体制の構築

    企業として法令を遵守し、社会的規範に従うとともに社会からの期待に応え、社会と環境に負の影響を与えないように配慮しながら、持続可能な社会の実現に向けた事業活動の実践に努める。そのために、ESG(Environment、Social、Governance-環境、社会、企業統治)に係るリスクの管理およびそのPDCA(Plan、Do、Check、Act-計画、実行、評価、改善)を実行する体制を構築する。

  2. 健全な事業活動

    健全な企業経営を行うための組織体制の構築に向けて、事業活動に関わる法令等の遵守、企業としての業務の有効性や効率性、財務報告の信頼性および資産の保全を担保する管理体制や仕組みを整備し、適正かつ効率的な業務執行および経営の透明性並びに経営への多面的な監視機能を確保する。

  3. リスクマネジメント

    コーポレート・ガバナンスおよび品質コンプライアンスの強化に向け、財務的なリスクのほか、コンプライアンスやBCP(事業継続計画)、営業秘密、知的財産、情報セキュリティ、労働慣行、環境問題等のESGリスクを含め、リスクへの取組みの進捗状況と重要リスクへの対策状況の確認および新たなリスクへの対応を行う仕組みを確保構築する。

  4. 内部通報

    自社の事業活動における法令違反・不正行為等のコンプライアンス上の問題やその恐れのある行為の未然防止、早期発見および自浄作用の向上のため、あるいは、人権・労働上の侵害を被った従業員が専門部署または社外窓口に匿名でも直接報告・相談できる体制を確保する。また、報告・相談者の秘密が厳守され、不利益な取扱いを受けることがないよう報告・相談者が保護される仕組みを確保する。

  5. 情報開示

    自社の企業活動における社会やステークホルダーとの関係を重視し、透明性や説明責任の求めに応え、財務情報および非財務情報を迅速・的確に開示する。

人権
  1. 人権の尊重と差別の禁止

    国際的に宣言されている人権※の保護を支持、尊重し、あらゆる差別(性別、性的指向、性表現、年齢、障がいの有無、国籍、人種、皮膚の色、宗教、婚歴等による差別を含む)を一切認めない。

    • ※ 国際人権章典、ILO中核的労働基準、国連グローバル・コンパクトの10原則、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、OECD多国籍企業行動指針、英国現代奴隷法等
  2. 人権侵害への加担の回避

    事業活動ならびに製品、サービスが、人権侵害を引き起こさないよう、また、人権侵害の加担に繋がることのないよう十分に配慮する。万が一これに関与したことが明らかになった場合、しかるべき手続きを通じて、その是正と救済に適切に取り組む。

  3. 非人道的な扱いの禁止

    従業員の人権を尊重し、虐待や各種ハラスメント、嫌がらせなど、非人道的な扱いを禁止する。

労働
  1. 腐敗防止

    事業活動を行う国や地域の行政機関や公務員との接遇管理を適切に行うなど、健全な関係を維持する。

  2. 不適切な利益の授受の防止

    営業または購買活動等における、顧客や取引先等との不適切な利益の授受を防止し、健全な関係を維持する。

  3. 労働慣行に対する基本姿勢

    談合やカルテル、優越的地位の濫用など、不公正な取引を行うことを防止する。

  4. 平等な機会の提供

    国際規範等で示される労働原則を普遍的な価値観と認識し、職場の基本的原則とする。

    • ※ 国際人権章典、ILO中核的労働基準、国連グローバル・コンパクトの10原則、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」、OECD多国籍企業行動指針、英国現代奴隷法等
  5. 適正な賃金の支払い

    事業活動を行う国や地域の法定最低賃金を遵守し、不当な賃金減額を行わない。超過勤務、賃金控除、出来高賃金、その他給付等に関する各国・各地域の法令を遵守する。賃金の支払いに際し、実施した業務に対する正確な報酬が確認できる給与明細を、適切な時期に交付する。

  6. 労働時間、休暇・有給休暇等の公正な適用

    予め合意された労働時間を遵守し、事業活動を行う国や地域の法定限度を超えないよう、従業員の労働時間を適切に管理し、過度な時間外労働の防止を求める。有給休暇取得の権利および1週間に最低1日の休日を与える。

  7. 強制労働の禁止

    従業員本人の意思に反する就労、離職の自由が制限される労働を行わせない。不当な拘束手段を用いた労働の強要、時間外労働の強制や債務労働、奴隷労働、囚人労働などを行わない。身分証明書等の不当預かりや預託金の不正徴収を行わない。

  8. 児童労働の禁止

    事業活動を行う国や地域における法定就労年齢未満の児童を雇用しない。夜間労働や危険作業など、児童の健康、発達、安全、道徳を損なうような就労をさせない。

  9. 結社の自由と団体交渉権

    従業員が結社する自由、労働組合に加入する自由、団体交渉の権利など、労働基本権を尊重する。

  10. 労働安全衛生についての適切な管理

    職場環境の安全性を確保し、不測の事故・災害を未然に防ぐため、設備等の点検と適切な保守管理を徹底する。人体に有害な化学物質および騒音や悪臭などの発生リスクを把握し、衛生的で、安全・健康な職場環境を確保する。従業員の心身の健康に配慮した職場づくりを推進する。

環境
  1. 環境への取組みに対する基本姿勢

    事業活動における環境課題を認識し、解決する仕組みを構築する。また、環境に影響を与える因子を特定し、管理する。

  2. 化学物質の管理

    事業活動を行う国や地域の法令等で指定された化学物質を管理するとともに、取扱量の把握や行政機関への適切な報告等を行う。

  3. 環境負荷の低減

    公害の発生を予防し、排水・汚泥・排気等の監視・制御を実施し、流出量の削減に取り組む。また、事業活動を行う国や地域における法令に定められた水準もしくはそれを超える自主的な環境負荷削減目標を定め、さらなる改善を図る。

  4. 資源(エネルギー、水、原材料等)の持続可能で効率的な利用

    省資源・省エネルギーを実行するための自主目標を設定し、資源・エネルギーの継続的な有効活用を図る。

  5. 温室効果ガスの排出量削減

    気候変動への対応として、二酸化炭素、メタン、フロン類等の温室効果ガスについて、自主的な削減目標を設定し、継続的な削減に取り組む。

  6. 廃棄物の削減

    廃棄物の削減について、自主的な目標を設定し、責任ある廃棄または再資源化に取り組む。

  7. 生物多様性の保全

    事業活動が生態系に与える直接・間接的影響について検討し、生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組む。

公正な企業活動
  1. 腐敗防止

    事業活動を行う国や地域の行政機関や公務員との接遇管理を適切に行うなど、健全な関係を維持する。

  2. 不適切な利益の授受の防止

    営業または購買活動等における、顧客や取引先等との不適切な利益の授受を防止し、健全な関係を維持する。

  3. 競争法違反の防止

    談合やカルテル、優越的地位の濫用など、不公正な取引を行うことを防止する。

  4. 反社会的勢力の排除

    反社会的勢力との接触および利益の供与を禁止する。

  5. 他者の知的財産の尊重

    特許権、著作権、商標権等の知的財産権を尊重し、他者の知的財産権を侵害しない。

  6. インサイダー取引の禁止

    未公表の会社情報を利用して当該企業の株式等を売買することを禁止する。

  7. 利益相反行為の禁止

    個人の利益を会社の利益に優先させるような行為を禁止する。また、そのように解釈されるような行為を避け、適切な取引を行う。

  8. 社外からの苦情や相談窓口

    重要なリスク情報を知った取引関係者または消費者が、社外窓口に直接報告・相談できる。また、その際、報告・相談者の秘密が厳守され、不利益な取扱いを受けることがないようにする。

  9. 事業継続計画(BCP)体制の構築

    災害等の緊急事態が発生した場合でも重要な業務や事業を継続しつつ早期に復旧できる体制を整える。

  10. 機密情報の管理、個人情報の保護

    顧客や取引先、自社等の機密情報が漏洩することのないように適切な管理を行う。また、顧客、取引先、従業員等の個人情報を適切に管理・保護する。

品質・安全性
  1. 製品・サービスの品質・安全性の確保

    要求された品質基準および事業活動を行う国や地域の法令に定められた安全基準を満たす製品・サービスを提供する。

  2. 製品・サービスの不具合発生時の適切な対応

    製品・サービスに関する事故が発生した場合や不良品が流通した場合に、迅速な情報開示、所轄当局への連絡、製品回収を行い、供給先への安全対策等の体制を整備し再発防止に努める。

  3. 顧客ニーズへの対応

    社会的ニーズを正しく把握して、顧客に受け入れられる品質とコストを追求した、環境に優しく社会にとって有益な製品・サービスを提供する。

情報セキュリティ
  1. 情報セキュリティに対する基本姿勢

    事業活動を通じて得た情報を適切に管理・保護し、コンピュータ・ネットワーク上の脅威に対する防御策を講じる。

  2. コンピュータ・ネットワークへの攻撃に対する防御

    コンピュータ・ネットワーク上の脅威に対する防御策を講じて、自社および他社に損害を与えないように管理する。

サプライチェーン
  1. サプライチェーンに対する基本姿勢

    自社のみならず、サプライチェーン全体を通じて社会的責任を果たすため、取引先に対して持続可能な調達の意義の周知・浸透に努める。

  2. 責任ある鉱物調達

    コンゴ民主共和国およびその周辺国等の武装勢力による非人道的行為に関わる紛争鉱物であるタンタル(Tantalum)、錫(Tin)、タングステン(Tungsten)、金(Gold)を用いた原材料を購入・使用しない方針とする。

地域社会との共生
  1. 地域社会への貢献

    事業活動を行う国や地域における文化や習慣を尊重し、地域社会の持続可能な発展に貢献する活動を行う。

持続可能な調達の推進体制

持続可能な調達の推進体制として、サステナビリティ委員会のもとに、シチズン時計の商品管理部、環境マネジメント室、CSR担当部門を事務局とする「グループ持続可能な調達委員会」を設けています。本委員会は調達ガイドラインの刷新に合わせて既存の推進体制を見直したもので、シチズン時計のCSR担当取締役を委員長として、グループ会社の調達部門、CSR担当部門、環境担当部門が委員として参加しています。委員会は年2回開催され、グループ全体の持続可能な調達の実現に向けて、お取引先様とのパートナーシップや調達状況の確認を通じたグループ間の連携強化により、お取引先様の実態把握および是正要請等の速やかな実施につなげています。

ロードマップに対する進捗

「シチズングループCSR調達ガイドライン」の実現に向けて、シチズングループでは2030年までのロードマップを策定して、「シチズングループの100%および重要サプライヤー70%のCSR調達ガイドラインの100%遵守」を目指しています。2021年度は、事業の人権リスク特定およびSAQに基づくサプライヤーのリスクランクを設定しました。2024年までにハイリスクサプライヤーを0%とするべく、2022年度はハイリスクに該当するお取引先様や重要サプライヤーに対する実態調査の実施や説明会の参加率を高める改善策を推進していきます。

2030年までのロードマップ

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  2021年度 2022年度 2024年度 2030年度
目標
  • 時計事業の人権リスク特定
  • SAQのリスクランク設定
  • 事業統括会社における人権リスク特定
  • 時計事業の人権リスク是正措置決定
グループの70%がCSR調達ガイドラインを100%遵守する グループの100%及び主要サプライヤーの70%がCSR調達ガイドライン100%遵守する
KPI
  • 主要取引先50%が説明会参加
  • 取引先の50%にSAQ配布
  • 主要取引先75%が説明会参加
  • 取引先の75%にSAQ配布
  • ハイリスクサプライヤーを0%に
  • 主要サプライヤー100%へ実態調査シート配布
  • 主要サプライヤー100%へ実態調査シート配布
  • 主要サプライヤー100%が実態調査シート回答
  • 主要サプライヤーの70%が実態調査チェックシート総合得点率100%
施策
  • グリーン調達推進活動の報告(目標:グリーン調達提出依頼文書の回収率100%)
  • デュー・デリジェンスを主要事業の各社調達担当部門が実施
  • デュー・デリジェンスを主要事業の各社調達担当部門が実施
  • デュー・デリジェンスを主要事業の各社調達担当部門が実施
  • グループ全従業員(海外含む)へ順次CSR調達勉強会実施
  • 主要サプライヤーの100%がグリーン調達基準を遵守する
  • 是正に向けた継続的なコミュニケーションとアクション
  • 主要サプライヤーの100%がグリーン調達基準を遵守する
  • 是正に向けた継続的なコミュニケーションとアクション

重要サプライヤーの選定

製品に関わる直接材の調達取引高上位90%のサプライヤーと、取引量および代替不可の重要品目の取扱いがあるサプライヤーを合わせて「重要サプライヤー」と位置づけ、SAQの送付や説明会開催など「シチズングループCSR調達ガイドライン」に沿った調達の実現に重点的に取り組んでいます。2021年3月現在、グループ全体で約3,700社のお取引先様が重要サプライヤーに該当しています。

お取引先様と一体となった持続可能な調達の実現への取り組み

持続可能な調達への協力をお願いするために、国内外のお取引先様を対象に、調達に関する説明会を毎年開催しています(説明会資料は日本語版・英語版・中国語版を用意)。説明会では、シチズン時計の社長からのメッセージや、シチズングループにおけるSDGs達成に向けた取り組み、会社の考えをお伝えしています。2021年度は感染症対策を踏まえて動画配信形式で行い、主要なお取引先様の約52%にあたる約1,900社に参加いただきました。説明会の開催に合わせて、SAQやグリーン調達・紛争鉱物の調査表を送付するなど、持続可能な調達に総合的に取り組みました。

2022年度は、主要取引先75%の説明会参加を目標に掲げ、会社の目指す方向性やSDGs施策についてのさらなる周知を図ります。また、人権や環境方針、ガイドラインをまとめた「お取引先様へのお願い」を送付して、調達方針のご理解・浸透を高める改善活動を推進していきます。

2021年度の実績および2022年度の目標

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単位:社
  お取引先様向け説明会の実施有無 SAQ送付 お取引先様実態調査の実施
2020年度 2021年度 2020年度 2021年度 2020年度 2021年度
目標 実績 目標 目標 実績 目標 目標 実績 目標
シチズングループ 544 789 630 26 67 19
写真
(冊子表紙)
「お取引様へのお願い」

サプライヤーアンケート(SAQ)による調査について

CSR調達のリスク把握の一環として、シチズングループでは国内のお取引先様に対して、SAQ※1による調査と、グループで独自に作成した「実態調査チェックシート」を用いたお取引先様実態調査※2を2019年度から開始しています。

2021年度は「シチズングループCSR調達ガイドライン」等の内容に基づくオンライン説明会を国内と中国のお取引先様を対象に実施してグループのCSR調達に関する考えをご理解いただいた上で、重要サプライヤーの約50%に該当する657社に対してSAQ調査を実施しました。2022年度は重要サプライヤー75%への実施を予定しており、調査開始4年後の2023年には100%到達と段階的な実施を予定しています。

また、SAQのレーダーチャート分析の総合得点率に応じたリスクランクを設定し、調査結果や回答内容から調達リスクの高いサプライヤーを顕在化する仕組みを2021年に整備しました。ハイリスクに相当する数社に対して「実態調査チェックシート」による追加調査を実施するなど改善活動を進めています。

  • グローバル・コンパクト・ジャパンネットワーク(GCNJ)の共通SAQを採用
  • シチズングループにおける、実地で行うサプライヤー監査/モニタリングの呼称

SAQのリスクランク設定について

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SAQのレーダーチャート分析の総合得点率でリスクランクを設定(小数点切り捨て)
リスクランク 得点率(%) 説明
ローリスク 80%以上 基本的に、シチズングループCSR調達ガイドラインの要求レベルで行動ができている。改善が必要な項目も自主的改善が可能
ミドルリスク 50~79% シチズングループCSR調達ガイドラインの要求レベルで行動ができていない項目があるが、自主的改善が可能
ハイリスク 49%以下 シチズングループCSR調達ガイドラインの要求レベルで行動ができていない項目について、改善計画に基づき状況モニタリングが必要

お取引先様実態調査について

「2021年度は、SAQを送付したお取引先様に対して、前年度同様、感染症対策を踏まえてリモートでお取引先様実態調査を実施しました。グループ全体で26社を目標に掲げ、96社に実施しました。調査の結果、お取引先様における重大なリスクや是正措置の必要性等は見られませんでした。

SAQや実態調査は一方的な送付に留まらず、回答が難しいお取引先様に対する支援を行うなど、信頼関係の構築に努めています。なお品質・環境監査で実施していた表彰制度を活用して、お取引先様間での優良事例の共有を進めています。

写真
リモートによる実態調査の様子

新規サプライヤーへのSAQ調査

新たに調達先となるお取引先様に対して、新規契約時にSAQを実施してリスク状況の把握に努める取り組みを2021年度から開始しています。実証実験や試作品開発でご協力いただき、今後のお取引が想定される企業・団体様も対象です。なおSAQに合わせて「シチズングループ腐敗防止方針」などの資料一式を配布しています。

グループ持続可能な調達の実現への取り組み

シチズングループは、生産する品目特性・環境により、材料、部品、設備などの現地調達を適切に推進しています。事業は国内外で展開しており、事業場のある地域を中心に雇用で地域に貢献しています。2021年度は、調達業務に関わる部門の従業員に対し、専門的な研修の機会を設けました。

またグループ全体の調達を統括する「グループ持続可能な調達委員会」では、調達リスク改善や課題解決に向けた「有識者勉強会」を実施しています。2020年度は紛争鉱物の欧米等の潮流をテーマに取り上げ、2021年度は人権リスクについて学ぶとともに、得られた知見を基にサプライチェーン上の人権リスク特定(時計事業対象)も行いました。勉強会の内容は、委員会に参加しているグループ各社の調達を担当する部門を通じて、各社の取り組みに活用されています。

持続可能な調達委員会・勉強会
実施時期 テーマ
2020年度 紛争鉱物デューデリジェンスについて
2021年度 調達上のリスク特定について

サプライチェーン上の人権リスクについて

サプライチェーン上で想定される人権リスクに関して、シチズングループでは、「グループ持続可能な調達委員会」がリスク特定や改善を推進しています(グループ内の人権リスクは「グループ人事委員会」が推進)。2021年度は、時計事業の第1次(製造工場)・第2次(原材料調達)取引先を対象範囲とする、サプライチェーン上の人権リスクを特定しました。具体的には、持続可能な調達委員会の有識者勉強会(2021年度第1回)で習得した人権リスクの特定手法やコー円卓会議のステークホルダーエンゲージメントプログラム資料などを参考に、駐在経験者ヒアリングによる情報収集も交えてリスク特定を図りました。その結果、紛争鉱物と原材料調達先の労働環境にリスクとなり得る可能性を発見しましたので、2022年度は、リスクの最小化に向けた検討を行います。

子どもの権利に関する方針

シチズングループでは、日本ユニセフ協会「子どもの権利とビジネス原則」(CRBT)を支持するとともに、事業における子どもの権利侵害の回避や、子どもの権利の実現に向けた活動に取り組んでいます。2021年度は、国際NGOプラン・インターナショナルの活動支援を通じて「ベトナムにおける小中学校の女子寮の環境整備プロジェクト」に参画し、女子寮の環境整備や教育・トレーニング活動への支援を実施しました。

鉱物調達の取り組み

シチズングループでは、武装勢力への資金提供や人権侵害のリスクがある紛争鉱物についても、調達上の重要なリスクとして認識しています。2021年の「EU紛争鉱物規則」の適用に加え、対象鉱物・対象地域・対象リスクの拡大を認識し 、既存の紛争鉱物対応方針を同年1月に「シチズングループ責任ある鉱物調達方針」に改定しました。方針の改定にあたっては、対象とする鉱物と調達地域の拡大、およびリスクを確認した際の対応等を明確にしています。対象となる鉱物を調達しているお取引先様とともに、シチズングループ自身も、部品等を納品しているお取引先様からの要請に応じてRBA(Responsible Business Alliance)の行動規範を遵守するなど、サプライヤーの立場として、紛争鉱物の排除に取り組んでいます。

シチズングループ責任ある鉱物調達方針(2019年4月 制定/2021年1月 改定)

シチズングループ(シチズン時計株式会社およびそのグループ会社)では、お取引様と連携して、サプライチェーンにおける社会的責任を果たすため、採掘や取引、取扱い、輸出等を通して、児童労働や強制労働などの人権侵害、環境破壊、紛争、テロリストへの資金提供、マネーロンダリング、汚職などのあらゆるリスク、または不正を伴う資金調達に加担する恐れのある対象鉱物※1は、使用しない方針です。

なお、紛争地域および高リスク地域において採掘・取引された全ての鉱物を使用しないのではなく、同地域で採掘・取引された鉱物であっても人権侵害、環境破壊、紛争、汚職等に関わりのない鉱物は使用していきます。

万一、対象リスク※2の可能性を確認した場合は、お取引先様に適切な是正処置を要請します。

  • 対象鉱物:3TG(タンタル、スズ、タングステン、金)およびコバルト
  • 対象リスク :OECDガイダンスのAnnex IIリスクおよび環境破壊

シチズングループ持続可能な調達委員会体制図

シチズングループでは、サステナビリティ委員会のもと、シチズン時計のCSR担当取締役を委員長として、グループ会社の調達部門、CSR担当部門、環境担当者が委員として参加する「シチズングループ持続可能な調達委員会」を設けています。年2回開催される同委員会では、責任ある鉱物調達に関するシチズングループの目標・KPIを共有し、年度末にはサステナビリティ委員会で取り組み状況の報告とレビューを実施し、勉強会も開催するなど継続的な取り組み・改善を実践しています。

なお、グループ全体の責任ある鉱物調達に関する施策は、「シチズングループ持続可能な調達委員会」主導で実施され、取り組み状況はサステナビリティ委員会への報告を通じて、取締役会に共有されています。

図
ロードマップに対する2021年度の進捗

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目標 達成
状況
実績詳細
経済協力開発機構OECDの指針(紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス)に従った責任ある鉱物調達に関するデュー・ディリジェンスを実施する。 達成 OECDガイダンスに沿ったサプライチェーン上の紛争鉱物に関するデュー・ディリジェンスを実施しました。詳細は以下「責任ある鉱物調達への取り組み状況」をご参照ください。

責任ある鉱物調達についての取り組み

シチズングループは、コンゴ民主共和国およびその周辺国などの紛争地域および高リスク地域(CAHRAs)を原産地とする3TGが、武装勢力の資金源となり紛争や人権侵害および環境破壊を助長していることは、重要な国際問題であると認識しています。また、経済協力開発機構(OECD)の「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」の考え方に賛同しており、同ガイダンスが定めたフレームワークに沿った取り組みを実施しています。

OECDガイダンスによる取り組みのフレームワーク(ステップ1-4)

ステップ 1強固な管理システムの構築

「シチズングループ調達基本方針」および「シチズングループ責任ある鉱物調達方針」に基づき、紛争鉱物への対応をグループ全体で進めています。紛争鉱物に関与する可能性のあるグループ各社では、担当部署の従業員に対して紛争鉱物に関する教育を行い、お取引先様には、「シチズングループ調達基本方針」および「シチズングループ責任ある鉱物調達方針」の周知とともに、「シチズングループ行動憲章」および「シチズングループCSR調達ガイドライン」遵守への理解を求めています。

ステップ 2サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価

3TGの調査は、Responsible Minerals Initiative(RMI)が提供するツールであるConflict Minerals Reporting Template(CMRT)を用いて、紛争鉱物の含有の有無、サプライチェーン上の精錬/精製業者の特定とRMAPへの準拠状況、およびお取引先様による対象鉱物への取組状況の確認・評価を実施しています。

なおコバルトについても、シチズングループの事業特性に応じて、Cobalt Reporting Template(CRT)を用いた調査を2021年度から実施しています。

ステップ 3特定されたリスクに対処するための戦略の構築と実施

調査の結果に基づき、RMAPに準拠していない製錬所/精製所の取引等、対象鉱物の透明性が確保できていないといったリスクが特定されたお取引先様に対しては、特定されたリスクについて伝達し、製錬所の変更も含めた改善のための協議や支援といった対応をしています。

また、シチズングループのお客様からのサプライチェーン情報提供のご要望に対しては、上記CMRTおよびCRTによる情報提供を行うとともに、お取引先様への追加的な聞き取りやCMRTまたはCRTの再提出の要請や調査を行っています。

ステップ 4独立した第三者による精錬/精製業者のデュー・デリジェンス行為の監査を実施

お取引先様には、RMAPに準拠した製錬所/精製所、または、シチズングループのお客様の遵守基準に沿った製錬所/精製所から鉱物の調達の要請等を行っており、お取引先様を通して、製錬所/精製所に対するRMAPの準拠を働きかけています。

  • ※ RMAP(Responsible Minerals Assurance Process)責任ある鉱物監査プロセス

その他の責任ある鉱物調達への取り組み「ラボグロウン・ダイヤモンド」

シチズングループでは、3TGと同じく、紛争に関与するリスクがあるダイヤモンドについても、責任ある調達への取り組みを行っています。

製品にダイヤモンドを使用しているシチズン時計では、一部の製品に、天然ダイヤモンドと同品質の合成ダイヤモンドである「ラボグロウン・ダイヤモンド」を採用しています。原石の採掘・加工を必要としない「ラボグロウン・ダイヤモンド」は、紛争鉱物への関与の可能性が皆無であるほか、地球環境に与える影響も非常に軽微な、エシカルなダイヤモンドです。

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ラボグロウン・ダイヤモンド

グリーン調達

シチズングループでは環境管理活動を推進しているお取引先様から環境負荷の少ない製品、部品、原材料などを優先的に購入する「グリーン調達」を実施しています。お取引先様に対して環境管理活動の重要性をご理解いただき、グリーン調達基準書適合宣言書(第14版)と製品含有化学物質情達伝達スキーム(chemSHERPA)の提出を通じて、当社の活動にご協力いただいています。(2021年10月 改定)

参考資料

お取引先にご提出をお願いする事項

シチズングループグリーン調達基準書にそって提出をお願いしている事項です。

書面でご提出をお願いする事項
「グリーン調達基準書 適合宣言書(第14版)」
電子データでご提出をお願いする事項
「製品含有化学物質情達伝達スキーム(chemSHERPA)」
  • ※ 調達品の含有化学物質情報のご提供について:欧州REACHをはじめとした含有化学物質情報管理に関する法令等に対応するため、調達品の含有化学物質情報を、原則としてアーティクル推進協議会(JAMP)による共通フォーマット(chemSHERPA-CI/AI)を用いてご提出をお願いしています。
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