持続可能な調達についての基本的な考え方
シチズングループでは、自社工場だけでなくその製造プロセスにも配慮した「サステナブルファクトリー」の実現を通じた持続可能な社会への貢献を目指しています。「サステナブルファクトリー」とは、お取引先も含めたバリューチェーン全体を持続可能な「ファクトリー」とするものです。ファクトリーの実現にはバリューチェーンの上流の要となるお取引先との協働が不可欠であり、コンプライアンスや人権、労働慣行、BCP、生産性向上など総合的に配慮した持続可能な調達(サステナビリティ調達・責任ある鉱物調達・グリーン調達)や生産体制の整備を実践しています。
持続可能な調達
持続可能な調達の推進体制
持続可能な調達の推進体制として、サステナビリティ委員会のもとに、シチズン時計の商品管理部、サステナビリティ推進部門を事務局とする「グループ持続可能な調達委員会」を設けています。本委員会はシチズン時計のサステナビリティ担当役員を委員長として、グループ会社の調達部門、CSR担当部門、環境担当部門が委員として参加しています。委員会は年2回開催され、グループ全体の持続可能な調達の実現に向けて、お取引先とのパートナーシップや調達状況の確認を通じたグループ間の連携強化により、お取引先の実態把握および是正要請等の速やかな実施につなげています。
シチズングループ持続可能な調達委員会体制図
シチズングループでは、サプライチェーン全体でサステナビリティを推進していくために、「シチズングループ調達基本方針」を定めて、持続可能な調達を進めています。国内外のお取引先に対しては、「国連グローバル・コンパクト」および「シチズングループ行動憲章」に基づいて人権尊重や環境保全、労働安全衛生、公正取引などの要請事項をまとめた「シチズングループサステナビリティ調達ガイドライン」の遵守を依頼して周知を図っています。また、シチズングループの事業は国内外で展開しており、地域貢献を兼ねて事業場のある地域を中心に雇用を進めています。加えて、生産する品目特性・環境に応じて材料、部品、設備などの適切な現地調達を推進しています。
シチズングループ調達基本方針
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シチズングループは、「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念に基づき、お客様に多種多様な製品/サービスを提供しています。このために必要となる物品・サービスの調達においては、「シチズングループ行動憲章」に基づいた、公正、透明、自由な取引を行うため、以下の調達基本方針を定めています。
公正で透明な取引 品質、価格、納期に加え、各国の法令・社会規範や国際ルールの遵守を尺度とした、合理的な基準に基づいてお取引先を選定します。また調達活動において、贈収賄・汚職等のあらゆる腐敗行為を排除します。
人権の尊重と労働環境への配慮 国際的な人権・労働基準を尊重し、児童労働・強制労働の排除を含む人権侵害への対応に取り組むと共に、安全で健全な労働環境の確保に努めます。
環境に配慮した調達の推進 調達活動が環境に与える影響を認識し、環境負荷の低減に資する調達を推進することで、地球環境への負荷低減に貢献します。
サプライチェーン全体での責任 お取引先との連携・協働を通じて、サプライチェーン全体において、人権・環境・倫理に関する課題に取り組みます。
情報セキュリティ・機密保持 お取引先に対し、情報管理・サイバーセキュリティ対策を求め、機密情報を適切に保護します。
リスク管理・事業継続計画(BCP) 災害やパンデミックなどの供給リスクに備え、事業継続に必要な情報をお取引先と共有し、安定的な調達を図ります。
お取引先との共存共栄 国内外を問わず、シチズングループと目標を共有できる全てのお取引先と、より良いパートナーシップを構築します。
サステナビリティ調達ガイドラインの遵守 シチズングループサステナビリティ調達ガイドラインの遵守を前提とした調達活動を行い、持続可能なサプライチェーンの構築を推進します。
2017年4月制定 2026年6月改定
シチズングループサステナビリティ調達ガイドライン
シチズングループサステナビリティ調達ガイドラインでは、近年の社会環境や経済情勢の変化や、国連グローバル・コンパクトのような国際的な規範、ステークホルダーからの要請への対応といったシチズングループの姿勢を示しています。お取引先への賛同も求めており、回答を依頼している自己評価アンケート(SAQ:Self-Assessment
Questionnaire)と内容を連動することでガイドラインの周知徹底を目指しています。またSDGsの達成にも貢献できるよう、人権や労働慣行に関する領域をはじめ社会課題の解決に向けた要素も広く網羅しています。
シチズングループサステナビリティ調達ガイドライン
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はじめに
シチズングループ(シチズン時計株式会社およびそのグループ会社)では、「市民に愛され市民に貢献する」を企業理念に掲げ、「市民に愛され親しまれるものづくり」を通じて、世界の人々の暮らしに広く貢献することを目指しています。シチズングループはこの考えに基づき、「国連グローバル・コンパクト」の人権・労働・環境・腐敗防止に対する精神および「シチズングループ行動憲章」を遵守し、社会課題に配慮しサステナビリティを積極的に推進するお取引先と強固なパートナーシップを構築したいと考えています。
お取引先の皆様へは、これまでもサステナビリティに関わるお願いをしてまいりましたが、持続可能な社会の実現に向け、皆様との信頼関係をさらに発展させ、責任ある調達活動を進めていくために、このたび「シチズングループサステナビリティ調達ガイドライン」を改定いたしました。
お取引先の皆様におかれましては、本ガイドラインの趣旨にご理解を賜りますとともにご賛同くださいまして、皆様のサプライチェーンへの展開を含め、サステナビリティ調達活動の推進にご協力いただきますようお願い申し上げます。
コーポレート・ガバナンス
サステナビリティ推進体制の構築
企業として法令を遵守し、社会的規範に従うとともにステークホルダーからの期待に応え、社会と環境に負の影響を与えないように配慮しながら、持続可能な社会の実現に向けた事業活動の実践に努める。そのために、ESG(Environment、Social、Governance-環境、社会、企業統治)に係るリスクの管理および継続的改善を目的としたPDCA(Plan、Do、Check、Act-計画、実行、評価、改善)を実行する体制を構築する。
健全な事業活動
健全な企業経営を行うための組織体制の構築に向けて、事業活動に関わる法令等の遵守、企業としての業務の有効性や効率性、財務報告の信頼性および資産の保全を担保する管理体制や仕組みを整備し、適正かつ効率的な業務執行および経営の透明性ならびに経営への多面的な監視機能を確保する。
リスクマネジメント
コーポレート・ガバナンスの強化に向け、財務的なリスクのほか、コンプライアンスやBCP(事業継続計画)、営業秘密、知的財産、情報セキュリティ、労働慣行、環境問題等のESGリスクを含め、リスクへの取り組みの進捗状況と重要リスクへの対策状況の確認および新たなリスクへの対応を行う仕組みを確保構築する。
内部通報
自社の事業活動における法令違反・不正行為等のコンプライアンス上の問題やその恐れのある行為の未然防止、早期発見および自浄作用の向上のため、あるいは、人権・労働上の侵害を被った従業員が社内窓口または社外窓口に匿名でも直接報告・相談できる体制を確保する。
また、報告・相談者の秘密が厳守され、不利益な取扱いを受けることがないよう報告・相談者が保護される仕組みを確保する。
情報開示
自社の企業活動における社会やステークホルダーとの関係を重視し、透明性や説明責任の求めに応え、財務情報および非財務情報を迅速・的確に開示する。
人権
人権の尊重と差別の禁止
国際的に宣言されている人権※ の保護を支持、尊重し、あらゆる差別(性別、性的指向、性表現、年齢、障がいの有無、国籍、人種、皮膚の色、宗教、婚歴等による差別を含む)を一切認めない。
※ 国際人権章典(世界人権宣言および国際人権規約)、ILO中核的労働基準等
人権侵害への加担の回避
事業活動ならびに製品、サービスが、人権侵害を引き起こさないよう、また、人権侵害の加担に繋がることのないよう十分に配慮する。万が一これに関与したことが明らかになった場合、しかるべき手続きを通じて、その是正と救済に適切に取り組む。
非人道的な扱いの禁止
従業員の人権を尊重し、虐待や各種ハラスメント、嫌がらせなど、非人道的な扱いを禁止する。
労働
労働慣行に対する基本姿勢
国際規範等で示される労働原則※ を普遍的な価値観と認識し、職場の基本的原則とする。
※ 国際人権章典(世界人権宣言および国際人権規約)、ILO中核的労働基準
平等な機会の提供
従業員一人ひとりを尊重し、昇進や研修受講などの機会を平等に提供し、個々の能力を十分に発揮できるような制度を整備しキャリア形成と能力開発に努める。雇用にあたっては、能力・適性意欲を重視して、機会の均等と多様性の確保に努める。
適正な賃金の支払い
事業活動を行う国や地域の法定最低賃金を遵守し、不当な賃金減額を行わない。超過勤務、賃金控除、出来高賃金、その他給付等に関する各国・各地域の法令を遵守する。賃金の支払いに際し、実施した業務に対する正確な報酬が確認できる給与明細を、適切な時期に交付する。
労働時間、休暇・有給休暇等の公正な適用
予め合意された労働時間を遵守し、事業活動を行う国や地域の法定限度を超えないよう、従業員の労働時間を適切に管理し、過度な時間外労働の防止を求める。有給休暇取得の権利および1週間に最低1日の休日を与える。
強制労働の禁止
従業員本人の意思に反する就労、離職の自由が制限される労働を行わせない。不当な拘束手段を用いた労働の強要、時間外労働の強制や債務労働、奴隷労働、囚人労働などを行わない。身分証明書等の不当預かりや預託金の不正徴収を行わない。
児童労働の禁止
事業活動を行う国や地域における法定就労年齢未満の児童を雇用しない。夜間労働や危険作業など、児童の健康、発達、安全、道徳を損なうような就労をさせない。
結社の自由と団体交渉権
従業員が結社する自由、労働組合に加入する自由、団体交渉の権利など、労働基本権を尊重する。
労働安全衛生についての適切な管理
職場環境の安全性を確保し、不測の事故・災害を未然に防ぐため、設備等の点検と適切な保守管理を徹底する。人体に有害な化学物質および騒音や悪臭などの発生リスクを把握し、衛生的で、安全・健康な職場環境を確保する。従業員の心身の健康に配慮した職場づくりを推進する。
環境
環境への取り組みに対する基本姿勢
事業活動における環境課題を認識し、環境への負の影響の防止および低減に向けた仕組みを構築する。また、環境に影響を与える因子を特定し、管理する。
化学物質の管理
事業活動を行う国や地域の法令等で指定された化学物質を管理するとともに、取扱量の把握や行政機関への適切な報告等を行う。
環境負荷の低減
公害の発生を予防し、排水・汚泥・排気等の監視・制御を実施し、流出量等の削減に取り組む。 また、事業活動を行う国や地域における法令に定められた水準もしくはそれを超える自主的な環境負荷削減目標を定め、さらなる改善を図る。
資源(エネルギー、水、原材料等)の持続可能で効率的な利用
省資源・省エネルギーを実行するための自主目標を設定し、資源・エネルギーの継続的な有効活用を図る。
温室効果ガスの排出量削減
気候変動への対応として、二酸化炭素、メタン、フロン類等の温室効果ガスについて、自主的な削減目標を設定し、継続的な削減に取り組む。
廃棄物の削減
廃棄物の削減について、自主的な目標を設定し、責任ある廃棄または再資源化に取り組む。
生物多様性の保全
事業活動が生態系に与える直接・間接的影響について検討し、生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組む。
公正な企業活動
腐敗防止
事業活動を行う国や地域の行政機関や公務員との接遇管理を適切に行うなど、健全な関係を維持する。
不適切な利益の授受の防止
営業または購買活動等における、顧客や取引先等との不適切な利益の授受を防止し、健全な関係を維持する。
競争法違反の防止
談合やカルテル、優越的地位の濫用など、不公正な取引を行うことを防止する。
反社会的勢力の排除
反社会的勢力との接触および利益の供与を禁止する。
他者の知的財産の尊重
特許権、著作権、商標権等の知的財産権を尊重し、他者の知的財産権を侵害しない。
インサイダー取引の禁止
未公表の会社情報を利用して当該企業の株式等を売買することを禁止する。
利益相反行為の禁止
個人の利益を会社の利益に優先させるような行為を禁止する。また、そのように解釈されるような行為を避け、適切な取引を行う。
社外からの苦情や相談窓口
重要なリスク情報を知った取引関係者または消費者が、社外窓口に直接報告・相談できる体制を確保する。また、その際、報告・相談者の秘密が厳守され、不利益な取扱いを受けることがないようにする。
事業継続計画(BCP)体制の構築
災害等の緊急事態が発生した場合でも重要な業務や事業を継続しつつ早期に復旧できる体制を整える。
機密情報の管理、個人情報の保護
各国・各地域の法令に従い、顧客や取引先、自社等の機密情報が漏洩することのないように適切な管理を行う。また、法令に従った顧客、取引先、従業員等の個人情報を適切に管理・保護する。
品質・安全性
製品・サービスの品質・安全性の確保
要求された品質基準および事業活動を行う国や地域の法令に定められた安全基準を満たす製品・サービスを提供する。
製品・サービスの不具合発生時の適切な対応
製品・サービスに関する事故が発生した場合や不良品が流通した場合に、迅速な情報開示、所轄当局への連絡、製品回収を行い、供給先への安全対策等の体制を整備し再発防止に努める。
顧客ニーズへの対応
社会的ニーズを正しく把握して、顧客に受け入れられる品質とコストを追求した、環境に優しく社会にとって有益な製品・サービスを提供する。
情報セキュリティ
情報セキュリティに対する基本姿勢
事業活動を通じて得た情報を適切に管理・保護し、コンピュータ・ネットワーク上の脅威に対する防御策を講じる。
コンピュータ・ネットワークへの攻撃に対する防御
コンピュータ・ネットワーク上の脅威に対する防御策を講じて、自社および他社に損害を与えないように管理し、情報漏洩等攻撃を受けた場合は適切な対応を講じること。
サプライチェーン
サプライチェーンに対する基本姿勢
自社のみならず、サプライチェーン全体を通じて社会的責任を果たすため、取引先に対して持続可能な調達の意義の周知・浸透に努める。
責任ある鉱物調達
コンゴ民主共和国およびその周辺国等の武装勢力による非人道的行為に関わる紛争鉱物であるタンタル(Tantalum)、錫(Tin)、タングステン(Tungsten)、金(Gold)を用いた原材料を購入・使用しない方針とする。
地域社会との共生
地域社会への貢献
事業活動を行う国や地域における文化や習慣を尊重し、地域社会の持続可能な発展に貢献する活動を行う。
2017年4月1日 制定 2020年4月1日 改定 2026年6月1日 改定
方針によるリスク管理
「シチズングループ調達基本方針」では、法令遵守や人権の尊重、環境・労働環境への配慮を定めると共に、「シチズングループサステナビリティ調達ガイドライン」の遵守を前提とした購買活動を行うことを明記しています。
人権についても、同ガイドラインに、強制労働・児童労働の禁止と労働者の団結権の尊重、適正な賃金、労働時間の管理等を要請しています。 また時計事業の取引基本契約は、上記方針およびサステナビリティ調達ガイドラインを基本として策定されており、サプライヤー契約にサステナビリティ条項を盛り込んでいます。
持続可能な調達についての取り組み
評価プログラム
評価プログラムの内容は以下の通りです。
これらのサイクルにより、レベルアップを図っています。
出典:グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)
サプライチェーン分科会 『望ましいCSR 調達・持続可能な調達の在り方 ―サプライチェーン分科会からの提言―』(2025年7月発行)
GCNJが2025年10月に発行した「望ましいCSR 調達・持続可能な調達の在り方 ―サプライチェーン分科会からの提言―」にある「望ましい CSR 調達・持続可能な調達のプロセス」内の「サプライチェーン上のデュー・ディリジェンスの継続的実施」内、「①―1リスクの把握」にあたる取り組みの一環として、シチズングループではサプライヤーのSAQ調査を実施しています。デュー・ディリジェンスや取り組みにご理解いただくために、サプライヤーとのコミュニケーションを図っています。
サプライヤーとのコミュニケーション
シチズングループでは、日本、中国、タイなどの生産拠点のある各地において、シチズングループサステナビリティ調達ガイドラインを全重要サプライヤー(全新規サプライヤー含む)に対して毎年継続的にお伝えしています。併せてシチズングループの環境・人権・腐敗防止等の方針類をまとめた「お取引先様へのお願い」は、日本語・英語・中国語の3言語で作成し、配布を記録して管理しています。加えて、サステナビリティに関する説明においては、サステナブル経営方針、マテリアリティ、持続可能な調達、鉱物調査、気候変動対応などについてシチズングループの考え方を明確に伝え、サプライヤーとの協働による持続可能な調達の実現を目指しています。
(冊子表紙)
サプライヤーアンケート(SAQ)による調査について
SAQによるリスク把握
持続可能な調達のリスク把握の一環として、シチズングループでは国内外のお取引先に対して、SAQによる調査を実施しています。SAQは、GCNJが開発した共通SAQを採用しています。このSAQは、人権、環境、公正な事業活動など基本的なCSRに関する114の質問から構成されています。
SAQによるリスク分析
SAQのレーダーチャート分析の総合得点率に応じてリスクランクを設定すると共にSAQのWEB回収を進め、調査結果や回答内容から調達リスクの高いサプライヤーを顕在化する仕組みを整備しました。
外部環境の変化によりサプライヤーのリスク評価も変動する中で、より適切なリスク判定に努めるとともに、ハイリスクに相当するサプライヤーに対して監査を実施するなど、改善活動を進めています。サプライヤー監査では、特に人権・労働・環境項目について重点的に確認しています。
SAQのリスクランク設定について
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SAQのレーダーチャート分析の総合得点率でリスクランクを設定(小数点切り捨て)
リスクランク
得点率(%)
説明
ローリスク
80%以上
基本的に、シチズングループサステナビリティ調達ガイドラインの要求レベルで行動ができている。改善が必要な項目も自主的改善が可能
ミドルリスク
50~79%
シチズングループサステナビリティ調達ガイドラインの要求レベルで行動ができていない項目があるが、自主的改善が可能
ハイリスク
49%以下
シチズングループサステナビリティ調達ガイドラインの要求レベルで行動ができていない項目について、改善計画に基づき状況モニタリングが必要
SAQリスク評価に対するサプライヤー監査
2025年度、SAQを送付したサプライヤーのうち、グループ全体で17社に対して人権・環境・倫理リスクに関する監査を実施しました。 監査では、書面による事前調査のほか、現場視察や文書レビュー、インタビュー等を通じ、サステナビリティ調達ガイドラインに基づくチェックリストを用いて体系的に行われました。
監査の様子
重要なサプライヤー
調達取引高の大きいサプライヤー、代替不可な品目および重要品目の取り扱いがあるサプライヤーを重要サプライヤーと位置づけ、持続可能な調達に重点的に取り組んでいます。また、地域、セクター、調達カテゴリなどの特定したリスクに対しては取り組みとともにエンゲージメントを強化しています。
新規サプライヤーの選定およびSAQ調査
サプライヤーとの新規取引にあたっては、購買規定に則った選定を行うとともに、ESG(E:環境、S:社会、G:ガバナンス)に関する条項を盛り込んだ取引基本契約をサプライヤーと取り交わしています。また既存のサプライヤーに毎年依頼しているSAQの調査を新規サプライヤーへ依頼し、リスク評価する体制を構築しています。 なおSAQに合わせて「シチズングループ腐敗防止方針」などの資料一式を配布しています。
サプライチェーン上の人権デュー・ディリジェンス
顕著な人権課題およびリスク低減の施策
シチズングループは、2021年から人権デュー・ディリジェンスを実施しています。サプライチェーン上の人権影響評価の結果、紛争鉱物および原材料調達先の労働環境に課題があることが明らかになりました。
紛争鉱物については、3TG※1 鉱物別精錬所デュー・ディリジェンスの取り組みを進めています。>責任ある鉱物調達の活動をご確認ください。
2025年度は、人権影響評価の再評価をシチズングループのバリューチェーンで実施しました。結果として、サプライチェーンの上流は、紛争鉱物リスクと原材料調達先の労働環境(高温、粉じん、化学物質等による健康被害および汚染)が課題として特定されました。今後も予防策として施策を継続していきます。
また2027年度以降のサプライヤー管理は、2025年度の人権影響評価結果を受け、これまでのSAQをベースとした評価から、リスクの高い領域に焦点を当て、監査や現地確認等を実施していくことを重視するリスクベースアプローチに沿う運用へ変更していきます。
2026年度はその準備期間として監査強化体制を構築していきます。
顕著な人権課題
リスク低減の施策
紛争鉱物リスク
RMAP適合精錬所※2 からの調達
高温、粉じん、化学物質等による健康被害および汚染
サプライヤー監査・是正
タンタル、スズ、タングステン、金の4つの鉱物のこと。
RMAP適合精錬所とは、紛争・人権リスクを含む責任ある鉱物調達についてRMIの監査基準に適合している精錬所のこと。
バリューチェーンの人権デュー・ディリジェンスについては、「人権の尊重」ページをご確認ください。
顕著な人権課題に関するサプライヤー監査
顕著な人権課題のうち、原材料調達先の労働環境については、サプライヤーの労働環境確認のため、自社開発の「安全衛生・労働管理チェックリスト」を用いて監査を行っています。2023年度からは時計事業の中国サプライヤーに対する監査(2023年度:5社、2024年度:5社、2025年度:6社)を実施し、労働環境の潜在的な人権課題について予防策を講じました。2026年度は更に監査を強化していきます。
バイヤー研修
シチズングループでは2020年度より毎年、調達業務に直接関与するバイヤー(購買担当者)を対象に、持続可能な調達に関する研修を、外部有識者を招いて実施しています。
2025年度は顕著な人権課題の見直しにあたり、人権デュー・ディリジェンスをテーマに「OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」の講義を人事委員会と合同で受講しました。
2026年度は、改定した「シチズングループサステナビリティ調達ガイドライン」についての勉強会を計画しており、その考えのもとに調達活動を実施していきます。
持続可能な調達委員会・勉強会
実施時期
テーマ
2020年度
紛争鉱物デュー・ディリジェンスについて
2021年度
サプライチェーン上の人権リスク特定について
2022年度
苦情処理(グリーバンス)メカニズムの構築・運用について
2023年度
サプライヤー監査の実務のポイント
2024年度
責任ある鉱物調達調査における是正活動について
2025年度
「OECDデュー・ディリジェンス・ガイダンス」について
従業員への研修
全従業員を対象とした年2回のサステナビリティセミナーでは、定期的に持続可能な調達の重要性についての理解促進を図っています。サプライヤーホットライン(苦情処理メカニズム)についても、全従業員がセミナーを通じて理解を深めており、調達業務を通した人権尊重の意識向上に努めています。
実施時期
テーマ
2020年度
持続可能な調達
2021年度
時計事業の人権リスク/サプライヤーホットライン
2025年度
持続可能な調達
社会課題に関するサプライヤー研修
時計事業の中国のサプライヤー監査時にあわせて以下の研修会を実施しました。
実施時期
テーマ
2024年度
化学物質管理について
2025年度
気候変動が及ぼす人権への影響について
サプライヤーへの支援
時計事業の中国のサプライヤー監査時に、「SAQの設問の理解が難しく、回答に迷う」といった声や、中国の拠点からは「サプライヤーの回答レベルに差があり、評価が難しい」などの課題が挙がっていたため、2025年度に、中国サプライヤー向けにSAQの回答方法説明会を実施しました。参加者からは丁寧でわかりやすく、今後の回答の参考になったと好評でした。 2026年度も同様の支援を継続します。
責任ある鉱物調達
シチズングループでは、武装勢力への資金提供や人権侵害のリスクがある紛争鉱物についても、調達上の重要リスクとして認識しています。「シチズングループ責任ある鉱物調達方針」では、対象とする鉱物と調達地域の拡大およびリスクを確認した際の対応等を明確にしています。対象となる鉱物を調達しているお取引先とともに、シチズングループ自身も、部品等を納品しているお取引先からの要請に応じてRBA(Responsible Business Alliance)の行動規範を遵守するなど、サプライヤーの立場でも紛争鉱物の排除に取り組んでいます。
シチズングループ責任ある鉱物調達方針 (2019年4月 制定/2021年1月 改定)
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シチズングループ(シチズン時計株式会社およびそのグループ会社)では、お取引様と連携して、サプライチェーンにおける社会的責任を果たすため、採掘や取引、取扱い、輸出等を通して、児童労働や強制労働などの人権侵害、環境破壊、紛争、テロリストへの資金提供、マネーロンダリング、汚職などのあらゆるリスク、または不正を伴う資金調達に加担する恐れのある対象鉱物※1 は、使用しない方針です。
なお、紛争地域および高リスク地域において採掘・取引された全ての鉱物を使用しないのではなく、同地域で採掘・取引された鉱物であっても人権侵害、環境破壊、紛争、汚職等に関わりのない鉱物は使用していきます。
万一、対象リスク※2 の可能性を確認した場合は、お取引先に適切な是正処置を要請します。
対象鉱物:3TG(タンタル、スズ、タングステン、金)およびコバルト
対象リスク :OECDガイダンスのAnnex IIリスクおよび環境破壊
責任ある鉱物調達の推進体制
シチズングループでは、年2回開催される「シチズングループ持続可能な調達委員会」において、鉱物調達に関するシチズングループの目標・KPIを共有し、年度末にはサステナビリティ委員会で取り組み状況の報告とレビューを実施し、勉強会も開催するなど継続的な取り組み・改善を実践しています。
グループ全体の責任ある鉱物調達に関する施策は、「シチズングループ持続可能な調達委員会」主導で実施されサステナビリティ委員会への報告を通じて、取り組み状況は取締役会に共有されています。
シチズングループ持続可能な調達委員会体制図
ロードマップに対する2025年度の進捗
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目標
達成 状況
実績詳細
経済協力開発機構OECDの指針(紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス)に従った責任ある鉱物調達に関するデュー・ディリジェンスを実施し、評価結果に対して是正を強化する。
達成
OECDガイダンスに沿ったサプライチェーン上の紛争鉱物に関するデュー・ディリジェンスを実施し是正を強化しました。詳細は以下「責任ある鉱物調達への取り組み状況」をご参照ください。
責任ある鉱物調達についての取り組み(情報開示・是正)
シチズングループは、コンゴ民主共和国およびその周辺国などの紛争地域および高リスク地域(CAHRAs)を原産地とする3TG(スズ、タンタル、タングステン、金)が武装勢力の資金源となり、紛争や人権侵害および環境破壊を助長する重要な国際問題であると認識しています。そこで経済協力開発機構(OECD)の「紛争地域および高リスク地域からの鉱物の責任あるサプライチェーンのためのデュー・ディリジェンス・ガイダンス」の考え方に賛同し、同ガイダンスが定めたフレームワークに沿った取り組みを実施しています。
2025年度は特定精錬所245社のうち206社はRMAP認証を取得しており、コンフリクトフリーであることを確認しました。また、特定精錬所に占める認証または監査プロセス中の割合は85.7%となりました。
また同フレームワークに沿って鉱物ごとのRMAP適合精錬所率の開示を行い、人権リスクの観点からも一部是正に努めるなど、シチズングループを挙げて紛争鉱物の排除を強力に推進しています。
時計事業の3TG鉱物別製錬所デュー・ディリジェンス結果
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2025年度
合計
スズ
タンタル
タングステン
金
特定製錬所数
245
74
35
37
99
CFS認証製錬所数
206
49
35
31
91
監査プロセス中の製錬所数
4
3
0
1
0
認証または監査プロセス中の割合
85.7%
70.3%
100%
86.5%
91.9%
OECDガイダンスによる取り組みのフレームワーク (ステップ1-4)
ステップ 1 強固な管理システムの構築
「シチズングループ調達基本方針」および「シチズングループ責任ある鉱物調達方針」に基づき、紛争鉱物への対応をグループ全体で進めています。紛争鉱物に関与する可能性のあるグループ各社では、担当部署の従業員に対して紛争鉱物に関する教育を行い、お取引先には、「シチズングループ調達基本方針」および「シチズングループ責任ある鉱物調達方針」の周知とともに、「シチズングループ行動憲章」および「シチズングループサステナビリティ調達ガイドライン(サプライヤーの皆さまへ)」遵守への理解を求めています。
ステップ 2 サプライチェーンにおけるリスクの特定と評価
3TGの調査は、Responsible Minerals Initiative(RMI)が提供するツールであるConflict Minerals Reporting
Template(CMRT)を用いて、紛争鉱物の含有の有無、サプライチェーン上の精錬/精製業者の特定とRMAP※ への準拠状況、およびお取引先による対象鉱物への取り組み状況の確認・評価を実施しています。
なおコバルトについても、シチズングループの事業特性に応じて、Extended Minerals Reporting
Template(EMRT)を用いた調査を2021年度から実施しています。
ステップ 3 特定されたリスクに対処するための戦略の構築と実施
調査の結果に基づき、RMAPに準拠していない製錬所/精製所の取引等、対象鉱物の透明性が確保できていないといったリスクが特定されたお取引先に対しては、特定されたリスクについて伝達し、製錬所の変更も含めた改善のための協議や支援といった対応をしています。
また、シチズングループのお客様からのサプライチェーン情報提供のご要望に対しては、上記CMRTおよびEMRTによる情報提供を行うとともに、お取引先への追加的な聞き取りやCMRTまたはEMRTの再提出の要請や調査を行っています。
ステップ 4 独立した第三者による精錬/精製業者のデュー・ディリジェンス行為の監査を実施
お取引先には、RMAPに準拠した製錬所/精製所、または、シチズングループのお客様の遵守基準に沿った製錬所/精製所から鉱物の調達の要請等を行っており、お取引先を通して、製錬所/精製所に対するRMAPの準拠を働きかけています。
※ RMAP(Responsible Minerals Assurance Process)責任ある鉱物監査プロセス
その他の責任ある鉱物調達への取り組み
RJC認証
シチズンウォッチカンパニー・オブ・アメリカは、責任ある宝飾品協議会(RJC)に2019年に加盟し、2023年に認証を取得しました。
RJC認証は、当社が倫理的なビジネス慣行と持続可能なサプライチェーンの推進に全力を尽くしていることを示すものであり、労働環境の改善、人権の尊重、環境保護に対する高い基準を維持しています。シチズングループは、今後もサステナビリティと社会的責任を重視し、持続可能な未来の実現に向けて努力していきます。
「ラボグロウン・ダイヤモンド」
シチズングループでは、3TGと同じく、紛争に関与するリスクがあるダイヤモンドについても、責任ある調達への取り組みを行っています。
製品にダイヤモンドを使用しているシチズン時計では、一部の製品に、天然ダイヤモンドと同品質の合成ダイヤモンドである「ラボグロウン・ダイヤモンド」を採用しています。原石の採掘・加工を必要としない「ラボグロウン・ダイヤモンド」は、紛争鉱物への関与の可能性が皆無であるほか、地球環境に与える影響も非常に軽微な、エシカルなダイヤモンドです。
ラボグロウン・ダイヤモンド
グリーン調達
シチズングループでは環境管理活動を推進しているお取引先から環境負荷の少ない製品、部品、原材料などを優先的に購入する「グリーン調達」を実施しています。お取引先に対して環境管理活動の重要性をご理解いただき、グリーン調達基準書適合宣言書(第14版)と製品含有化学物質情報伝達スキーム(chemSHERPA)の提出を通じて、当社の活動にご協力いただいています。(2026年7月 改定予定)
参考資料
シチズングループグリーン調達基準書(第14.2版)
付属書 管理対象物質リスト(第14_2025版)
お取引先にご提出をお願いする事項
シチズングループグリーン調達基準書にそって提出をお願いしている事項です。
書面でご提出をお願いする事項
「シチズングループグリーン調達基準書 適合宣言書(第14.2版)」
電子データでご提出をお願いする事項
「製品含有化学物質情達伝達スキーム(chemSHERPA)」※
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調達品の含有化学物質情報のご提供について:欧州REACHをはじめとした含有化学物質情報管理に関する法令等に対応するため、調達品の含有化学物質情報を、原則としてアーティクル推進協議会(JAMP)による共通フォーマット(chemSHERPA-CI/AI)を用いてご提出をお願いしています。