コンプライアンスの徹底

コンプライアンスについての基本的な考え方

シチズングループでは、2005年4月から国連グローバル・コンパクトに参加しており、4分野10原則に賛同しその実現に向けた努力を継続するだけでなく、「市民に愛され 市民に貢献する」という企業理念を定めるとともに、その具体的な行動指針として「シチズングループ行動憲章」を定め、良き企業市民としてどのようすべきか常に考え行動することを心掛けています。「シチズングループ行動憲章」第3条では、「公正、透明、自由な競争、責任ある商行為を実践します」と定め、法令遵守のみならず、高い倫理観を持って行動するように努めています。また、事業がグローバルに拡大して複雑化する日々の業務において、不正や汚職を含むあらゆる腐敗の徹底した排除を目的として、2020年4月には、腐敗行為に対するグループの考えや姿勢を体系的に示す「シチズングループ腐敗防止方針」を制定しました。この方針も踏まえ、従業員一人ひとりがコンプライアンスに対する高い意識を持ち、お客様やお取引先様といったステークホルダーとの健全な関係性や信頼の構築に努めます。

シチズングループ腐敗防止方針(2020年4月1日 制定)

はじめに

シチズングループ(シチズン時計株式会社およびそのグループ会社)は、「市民に愛され市民に貢献する」ことを企業理念とし、創業以来、事業活動を通じ、世界中の人々の暮らしに広く貢献することを目指してきました。シチズングループは、強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗は企業の信頼を著しく損なう重要な課題の一つであると認識しています。利益を追求するあまりそうした不正行為を行うことを許さない姿勢を明確にし、ステークホルダーの皆様との健全な関係を維持し、社会の疑惑や不信を招くような贈答・接待の授受を行わないなど、腐敗の防止に積極的に取り組みます。また、サプライチェーン全体に対しても同様の取り組みへのご理解とご協力を求めます。

  1. 事業活動を行う国・地域における腐敗防止に係る関係法令ならびに国際規範を遵守します。
  2. 不当な利益や優遇措置の取得・維持等を目的とする贈答・接待の授受は行いません。また、商慣習や社会的常識を逸脱する贈答・接待の授受は行いません。なお、商慣習については、経済合理性、消費者利益、透明性、公正性の実現に向け、継続的に見直します。
  3. 公正・透明で自由な競争を前提とし、ファシリテーションペイメントを禁止するなど、政府機関等とはクリーンで健全な関係を保ちます。
  4. 反社会的な勢力とは接近せず、マネーロンダリングのような犯罪にも一切関与しません。
  5. 法令違反行為や不正行為の未然防止および早期発見、自浄作用の向上のため、社内または外部機関のいずれに対しても匿名でも通報が可能な内部通報制度を整備します。
  6. 腐敗防止に関する社会の動向の把握に努めるほか、腐敗防止に関する教育を実施することにより、役員および従業員の本方針および社内規程への理解を深めるなど、必要に応じて腐敗防止のための取組みを継続的に改善します。
  7. 腐敗防止に関して不測の事態が発生したときは、速やかに原因を究明し、再発の防止に適切に努めるとともに、社会への情報公開や説明責任を果たします。
  8. 本方針に基づく腐敗防止の体制が機能し、教育、不測の事態への対応、情報開示による説明責任の遂行等が確実に実施されていることを監査し、定期的に取締役会に報告します。本方針は、定期的に見直しを図り、取締役会の承認を得るものとします。

コンプライアンス研修と内部監査

従業員研修の実施

シチズングループ全員の、コンプライアンスに対する認識の共通化を確実なものとするため、「シチズングループ行動憲章」や「シチズングループ腐敗防止方針」等の指針に関する研修・教育および監査を定期的に実施し、グループ全体でコンプライアンス意識の向上を図っています。

2021年度研修実績

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研修名 内容 参加者数(対象)
コンプライアンス研修 行動規範、腐敗防止方針、人権方針等の内容に関する研修 6,250名

腐敗防止への取り組み

シチズングループの腐敗防止への取り組み

シチズングループでは、贈収賄行為を含むあらゆる腐敗行為を禁止した、「シチズングループ腐敗防止方針」の制定に加え、グループ内で「シチズングループ贈収賄防止規程」を制定しており、これらの方針と規程の内容について、eラーニング形式の研修で全社員に展開しています。また、「シチズングループ下請取引適正化委員会」では、腐敗防止、公正な取引、下請法の遵守などについて、国内外の拠点で、お取引先様と業務上の接点がある調達部門の従業員を対象とした研修や教育、eラーニングによる周知活動も行っています。

シチズングループでは、社会の動向やグループ内の状況把握に努め、必要に応じて取り組みを見直し、「公正、透明、自由な競争、責任ある商行為」を実践することに努めています。

なお、2021年度は贈収賄などの腐敗行為や反競争的行為に該当する事案および従業員の解雇はありませんでした。

サプライチェーンにおける腐敗行為防止への取り組み

「シチズングループ腐敗防止方針」では、同方針に基づくシチズングループの取り組みに対する理解と協力をお取引先様に対しても求めています。具体的には、中国のお取引先様を対象に説明会を実施して、腐敗防止方針の内容に関する研修を行っており、他の国内外のお取引先様に対しても、腐敗防止方針を含んだ「お取引先様へのお願い」を配布しています。

また、2021年度より、新規契約時や契約更新時などに、グループ腐敗防止方針やグループ行動憲章、グループ人権方針、グループ安全衛生基本方針等といった規範・方針の内容の確認と賛同をお取引先様に依頼して、腐敗行為防止の周知徹底を図っています。

また、シチズン時計では、年1回、各部門に対して営業品質の内部監査を継続して実施しています。監査室が作成したチェックリストに基づき、各部門でセルフチェックを行い、抜き取りの実地監査も実施して、改善に役立てています。

コンプライアンスホットライン(内部通報)

シチズングループでは、法令遵守、汚職・腐敗を含む不正行為※等の未然防止および早期発見、自浄作用の向上のため、シチズン時計、各グループ会社、外部機関のそれぞれに匿名でも通報や相談・提案が可能な、コンプライアンスホットライン設置による内部通報制度を整備しています。

制度の運用に際して、消費者庁の定める内部通報ガイドラインやコーポレートガバナンス・コードを参考に「グループコンプライアンスホットライン規程」を整備し、利用者の秘密の厳守・不利益な扱いの禁止などを定めるとともに、利用者・担当者双方のガイドラインも策定して受付対応の均一化を図るなど、安全かつ手軽に通報できる環境を整備しています。また、制度の実効性を高めるためにも通報者に対する不利益な取扱いの禁止の徹底といった通報者保護についての周知が不可欠です。2021年度調査ではホットラインの認知度は82.0%であり、2022年度も引き続き、役職者研修や社内報での特集記事、イントラネット専用ページの更新などを通じてさらなる周知を図ります。

なお2021年度の社内通報等件数は20件(社内窓口12件、社外窓口8件)で、全ての通報に対して調査や是正措置を実施した結果、重大な人権侵害や腐敗防止方針違反に該当する事例はありませんでした。

寄せられた意見のさらなる活用や、コロナ禍での業務のリモート化など新しい働き方に関するルールの整備を通じて、コンプライアンスの徹底に向けた環境づくりに取り組んでいきます。

  • ※ 不正行為の防止は、「シチズングループ行動憲章」の第3条では、「公正、透明、自由な競争、責任ある商行為を実践します」と定めています。(公正、透明、自由な競争、政府機関等との対応、輸出入管理、反社会的勢力との接触禁止、マネーロンダリングの防止、責任ある、持続可能な調達)

知的財産活動

シチズングループでは、他者の知的財産権を尊重し、侵害しないよう努めています。そのため商品の企画段階から販売に至るまで、知的財産権の侵害を常にチェックし、該当する他者の知的財産権があれば、速やかに対策を講じて侵害行為を未然に防いでいます。

それに加え、自社のコア技術および周辺技術等の知的財産権を取得して競合他者に対する参入障壁を構築するとともに、第三者による知的財産権の侵害には、断固たる対抗措置を講じることで、シチズングループの事業の競争優位を確保しています。

今後も知的財産権制度の趣旨に則り、適正かつ有効な知的財産活動を推進していきます。

安全保障貿易管理

シチズングループは、グループ内の安全保障貿易管理を確実に実行するため「シチズングループ安全保障貿易管理規則」を制定しています。シチズン時計と事業統括会社で構成する「シチズングループ安全保障貿易管理委員会」を設置し、グループ各社に対し指導・教育・情報の提供および監査等を行っています。

シチズンマシナリーでは、「外国為替及び外国貿易法」等の関連法令を遵守するために、輸出や技術提供に関する一連の手続等を規定した内部規程を策定して輸出管理を徹底しています。また、同社の工作機械は移設検知装置(機械の移設を検知した場合に運転不能となる装置)を標準装備しており、輸出後も転売や再輸出によって機械が大量破壊兵器等の開発等に用いられないよう需要者・用途の管理に努めています。

情報セキュリティ

近年、サイバー攻撃で国内全拠点が操業停止に陥るなどサプライチェーン全体に甚大な影響を及ぼす事例が増えています。シチズングループでは、情報漏えいやシステムダウン等の情報セキュリティに関するリスクを重要リスクと認識しており、総務担当取締役が委員長を務める「グループ情報ガバナンス委員会」を2016年に設立して体制を強化し、個人情報保護や営業秘密管理、情報セキュリティ管理に取り組んでいます。具体的には、2020年11月に改定した「シチズングループ情報セキュリティポリシー」の社内周知をはじめ、海外拠点とも緊密に連携して情報セキュリティの重要性の理解浸透を図っています。ランサムウェアやフィッシングメール詐欺等に関する注意喚起も恒常的に展開しており、標的型攻撃メール訓練を2021年度は年2回実施するなど、グループ全体で情報セキュリティ意識の醸成を図っています。

さらに、サイバー攻撃等の重大インシデントに対処する組織CSIRT(Computer Security Incident Response Team)として、「CITIZEN-SIRT」を2020年6月に設置しました。通常時からシステムダウン等のリスクをモニタリングしており、インシデント発生時には初動対応から関連部署との連携、トラブル解決まで迅速に対処します。2021年度は、CITIZEN-SIRTが対応するインシデントが1件発生しましたが、情報漏えいやシステムダウンといった重大事態には至っていません。

2022年度は、CITIZEN-SIRTが中心となり、外部の最新動向やグループ内の情報セキュリティレベルに応じた研修の実施をはじめ、対応プロセスの改善に向けた定期的な訓練の実施や、インシデント発生に備える事業継続計画・対応指針の策定などを含む社内環境の見直し等を進めていきます。

なお、平常時の情報システム環境については、データセンターの利用やクラウドサービスを積極的に活用し、事故や災害に強く安全で安定したITインフラを構築し、省電力やCO₂排出削減にも貢献しています。

図

個人情報保護

シチズングループでは、業務活動においてお客様やお取引先様といったステークホルダーから提供される全ての個人情報について、「グループ情報ガバナンス委員会」のもと、「シチズングループ情報セキュリティポリシー」や「シチズングループプライバシーポリシー」に基づく個人情報の取り扱いを定めて周知を図り、情報保護に取り組んでいます。「シチズングループプライバシーポリシー」の具体的な内容は以下のとおりです。

シチズングループプライバシーポリシー

プライバシーマークの継続取得

美術書出版などを手掛けている東京美術は、個人情報保護の観点から2007年にプライバシーマークを取得し、お取引先様との信頼確保に努めています。2022年3月には8回目のマーク認定を更新しています。また、個人情報保護に関する教育をアルバイトも含む全従業員へ定期的に行っており、教育効果の検証テストなどを通じて、個人情報保護に関する意識の定着が確認できています。2022年度も機密情報の取り扱いを含めて情報セキュリティ強化に努めていきます。

  • ※ プライバシーマーク:個人情報保護に関して一定の要件を満たした事業者に対し、一般財団法人日本情報経済社会推進協会により使用を認められる登録商標(サービスマーク)のこと。

反社会的勢力への対応

シチズングループでは、反社会的勢力とのつながりは、企業に対する社会からの信頼を著しく毀損し、企業の存続に関わる重大な影響を及ぼすと認識しています。このため反社会的勢力および団体からの不当な利益供与などの要求に対しては毅然たる態度で対応することを基本方針として掲げており、反社会的勢力との関係遮断を徹底しています。

また、グループ各社が締結する各種契約に暴力団排除条項を導入するなど、反社会的勢力との関係を遮断する体制の整備・強化を図っています。さらに平素から地域企業や警察などの外部関係機関と連携をして、反社会的勢力の排除活動を進めています。

下請法講習会

シチズングループでは、下請取引の適正化を図り、下請法の違反行為を未然に防止するために職場でのOJT研修をはじめ、ガイドブックやeラーニングによって下請法基礎知識を体系的に学んでいます。

さらに、下請法に関する対話型の講習会も開催しています。この講習会は、職場内で違反のおそれがある事例を教材として、受講者は自らの考えを発言し、互いに学び合うケースメソッド形式(実際に起きた事例を教材として、あらゆる事態に適した最善策を討議し、解決策を導き出す研修手法)で開催しています。この講習会では、買いたたき(合理性のない原価低減)や不当な経済上の利益提供要請(型の無償保管)、不当な給付内容の変更・やり直し、不当な返品等の疑似体験を通して、職場の改善点などを討議していきます。

シチズングループの事業は、バリューチェーンのあらゆる段階で多くのビジネスパートナーに支えられています。発注者と受注者との双方がWin-Winの関係を本当の意味で築くために、望ましい取引方法となるよう改善を進めています。

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