環境目標
環境目標について
シチズングループでは、マテリアリティのひとつである環境への取り組みについて、「シチズングループ環境ビジョン2050」、「シチズングループ環境目標2030」に基づくロードマップを設定しています。ロードマップに定めた環境への取り組みとその目標は、CO₂排出量削減や有害化学物質の削減、水資源等資源の有効利用、環境事故の防止、生物多様性保全と多岐にわたります。2023年度は、環境への取り組みを継続して推進し、ほとんどの項目において設定した目標を上回る実績となりました。
シチズングループ環境目標2030(2023年4月 改定)
SDGs達成に向けたグローバルな環境経営を推進し、脱炭素社会、資源循環型社会、安心・安全で心豊かな社会の実現に貢献します。
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- 地球温暖化対策の推進(省エネ化、再エネ化、気候変動への適応)
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温室効果ガス排出量 スコープ1、2 |
50.4%削減(2018年度基準) |
スコープ3 |
カテゴリ1+カテゴリ11の30%削減(2018年度基準) |
再エネ比率 |
62%(国内) |
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- 持続可能な資源の利用の推進(省資源化、3R、水資源の保全)
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再資源化率 |
90% |
取水量 |
35%削減(2018年度基準) |
排水の水質を向上させる |
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- 環境リスクマネジメントの強化、環境事故ゼロの継続
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PRTR法対象化学物質 |
45%削減(2018年度基準) |
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- 全事業所で自然保護活動、地域環境活動の実施
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- サステナブルプロダクツの提供、製品含有化学物質管理の強化
ロードマップに対する進捗
「シチズングループ環境目標2030」の達成に向けた2022年度の環境目標と活動実績、ならびに2023年度の環境目標を下の表に示します。2022年度は全ての重点項目について目標を達成することができました。2023年度も目標達成に向けて継続して取り組みます。
シチズングループ2023年度環境目標と実績
スクロールしてご覧ください→
自己評価 〇:目標達成 △:一定の成果 ×:未達成
重点課題 |
2023年度目標 |
2023年度実績 |
評 価 |
2024年度目標 |
2026年度目標 |
2030年度目標 |
地球温暖化対策の推進 |
- CO₂排出量
- スコープ1、2:21.0%削減※1
- スコープ3:-
- 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進、省エネ活動
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- CO₂排出量
- 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進、省エネ活動
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〇 |
- CO₂排出量
- スコープ1、2:25.2%削減※1
- スコープ3:-
- 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進
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- CO₂排出量
- スコープ1、2:33.6%削減※1
- スコープ3:-
- 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進
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- CO₂排出量
- スコープ1、2:50.4%削減※1
- スコープ3:カテゴリ1+カテゴリ11の30%削減※1
- 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進
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持続可能な資源の利用の推進 |
- 取水量:15%削減※1
- 再資源化率:86%
- 省資源化、3R活動の推進
- 水循環の推進
- 排水の水質を向上させる
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- 取水量:25%削減※1
- 再資源化率:92%
- 省資源化、3R活動の推進
- 水循環の推進
- 排水の水質を向上させる取組の推進
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〇 |
- 取水量:17%削減※1
- 再資源化率:87%
- 省資源化、3R活動の推進
- 水循環の推進
- 排水の水質を向上させる
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- 取水量:23%削減※1
- 再資源化率:88%
- 省資源化、3R活動の推進
- 水循環の推進
- 排水の水質を向上させる
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- 取水量:35%削減※1
- 再資源化率:90%
- 省資源化、3R活動の推進
- 水循環の推進
- 排水の水質を向上させる
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環境マネジメントシステム/環境リスクマネジメントの強化 |
- 環境事故件数:前年比50%削減
- PRTR法化学物質:8%削減※1
- 有害化学物質の削減、代替化の推進
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- 環境事故件数:14件発生※2(うち重大な環境事故1件※3)
- PRTR法化学物質:29%削減※1
- 有害化学物質の削減、代替化の推進
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× |
- 環境事故件数:前年比50%削減
- PRTR法化学物質:10%削減※1
- 有害化学物質の削減、代替化の推進
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- 環境事故件数:ゼロを目指す
- PRTR法化学物質:22%削減※1
- 有害化学物質の削減、代替化の推進
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- 環境事故件数:ゼロ継続
- PRTR法化学物質:45%削減※1
- 有害化学物質の削減、代替化の推進
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生物多様性保全活動/地域環境活動の推進 |
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〇 |
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環境配慮型製品の提供/製品含有化学物質管理の強化 |
- 環境配慮型製品の創出実施
- 製品含有化学物質規制順守
- 製品アセスメントの改善
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- 環境配慮型製品の創出実施
- 製品含有化学物質規制順守
- 製品アセスメントの改善
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〇 |
- サステナブルプロダクツの創出
- 製品含有化学物質規制順守
- 製品アセスメントの改善
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- サステナブルプロダクツの創出
- 製品含有化学物質規制順守
- 製品アセスメントの改善
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- サステナブルプロダクツの創出
- 製品含有化学物質規制順守
- 製品アセスメントの改善
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- 2018年度基準
- 環境事故の定義を見直したことにより環境事故報告件数が増加し、2023年度は14件となりました
- 重大な環境事故:海外拠点において過去に契約していた産業廃棄物処理業者が、契約とは異なる廃棄処理を実施したことによる環境事故
グローバルな環境マネジメントシステムの構築
シチズングループでは、ロードマップにも掲げたグローバルな環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)の強化・統一に向けて、国際規格であるISO14001の基準を満たすEMSの構築を国内外で進めています。国内に関しては、シチズン時計が中心となり全体のEMSの方針や目標を定めており、グループの環境負荷の大半を占める製造拠点において、ISO14001の統一認証を全拠点で取得しています。海外に関しては、拠点ごとにISO14001認証の取得に取り組んでいる状況ですが、国内と同様の考え方、方針に基づいたEMSの構築を進めています。
ISO14001の再認証審査にあたる2023年度は全拠点を対象に審査が行われ、認証適合と判断されました。製造拠点以外の販売拠点等についても同様の考えに基づいた環境活動の徹底を推進しており、こうしたグループ全体の取り組みが、より実効性の高いEMSの構築に繋がっています。
気候変動リスクの特定と評価
シチズングループでは、地球規模の課題である気候変動の解決に貢献するため、環境ビジョンにおいて工場・オフィスからのCO₂排出量を実質ゼロにすることを目指しています。
その実現に向けて、2020年度は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しました。さらに、2021年度は将来的な気温上昇の想定が異なる2つのシナリオ(1.5℃シナリオ、4℃シナリオ)を用い、TCFD提言が要請する気候変動関連のリスクと機会の特定と評価を行い、重要なリスクと機会を特定しました。
重要リスクに対しては、気温上昇が進行する4℃シナリオにおけるリスクの低減と国際的に約束した目標が達成される1.5℃シナリオの実現に向け、従来からの省エネ活動や、CO₂排出量削減や製品における環境配慮を推進しています。
2023年度は、シチズングループの温室効果ガス排出量削減目標が、科学的な根拠に基づくScience Based Targets(SBT)認定を取得しました。シチズングループのスコープ1、2、3排出量について、外部検証機関による第三者検証を受けました。
今後も、TCFD提言に沿った気候関連情報の開示の充実とともに、排出削減に向けた取り組みを進めていきます。
「サステナブルファクトリー」確立に向けた有害化学物質の削減への取り組み
サステナブルファクトリー」の確立に向けて、PRTR法対象の有害化学物質の削減をグループ全体で推進しています。具体的には、使用量が多い対象物質を代替物質に移行する取り組みを進めており、製造工程において最も使用量が多い1-ブロモプロパンの代替を重点的に進めています。その他の物質についても、代替化や削減に各拠点で取り組み、グループ内で取り組み状況を共有しています。
実際に生産される製品についても、グローバル環境規制動向を踏まえた上で、製品含有化学物質規制の対象物質を含まないことを前提とするなど、製品の設計・製造段階から化学物質の削減・排除に取り組んでいます。