汚染防止

汚染防止に向けた取り組み

環境配慮型製品を提供するシチズングループでは、製造工程においても有害化学物質の全廃、削減、代替を目指した活動を国内外で続けています。

有害化学物質の削減

シチズングループは、PRTR法対象化学物質(国内)を2018年度比で2024年までに10%削減、2030年までに45%削減する目標を策定し、工程の変更や代替物質への転換等の削減活動に取り組んでいます。2022年度は2018年度比5%減目標としましたが、36.3%(71.1トン)の大幅な削減を果たしました。またグループでは有害化学物質の削減にも長年取り組んできており、塩素系有機溶剤などの全廃をすでに果たしています(下表)。

1-ブロモプロパンの削減については、2022年度の使用量は、段階的に進めている環境対応品への代替化に加え、余分な蒸発の抑制などの改善も行いながら、2021年度に比べ2.1トンを削減しました。

1-ブロモプロパンの次に取扱量の多い、キシレン、トリメチルベンゼンの削減にも重点的に取り組んでおり、その他の化学物質についても代替・削減活動を進めています。有害化学物質削減の目標達成のため、化学物質使用量の大きい時計事業や自動車部品事業における技術開発や設備更新を進めています。

なお、海外における環境リスク管理も重要事項であり、化学物質使用量のモニタリングを徹底し、削減活動に取り組んでいます。

有害化学物質の削減目標と実績(2018年度比)
目標 年度 実績
  • 2024年までに10%削減
  • 2030年までに45%削減
2019 8.1%(8.2トン)削減
2020 27.2%(27.5トン)
2021 15.1%(15.2トン)削減
2022 36.3%(71.1トン)削減
これまでに使用を全廃した化学物質
対象化学物質 全廃した年度
塩素系有機溶剤 2008
代替フロン(HCFC)※機器中の冷媒を除く 2008
塩化第二鉄 2018
1-ブロモプロパンの代替・削減実績
年度 代替量 削減実績
2019 2018年度使用の6%(2.4トン)代替 8.5トン削減
2020 2019年度使用の1.6%(0.5トン)代替 2.0トン削減
2021 4.5トン削減
2022 2.1トン削減

【事例紹介】1-ブロモプロパンの代替化

シチズン時計マニュファクチャリング

シチズン時計マニュファクチャリング東北相馬工場では、時計のケース洗浄に1-ブロモプロパンを主成分とした洗浄液が使用されています。2018年度には1-ブロモプロパンを含む洗浄液を2370㎏購入しましたが、新洗浄機を導入しフッ素系洗浄への切替えを行うことにより、2022年度購入量は1000㎏と約58%の削減ができました。しかしながら、フッ素洗浄液へ切り替えた新洗浄機は、従来使用していた洗浄機と比較すると洗浄力が劣るため、洗浄残りが発生し、現時点ではまだ1-ブロモプロパン全廃には至っておりません。引続き、シチズン時計と連携し、より洗浄力があり、汎用性に富んだ洗浄機を2023年度下期に導入予定です。既設フッ素洗浄機と導入予定の洗浄機を駆使し、1-ブロモプロパン全廃に向けて取り組みます。

写真

洗浄室内での洗浄作業

【事例紹介】PRTR対象物質削減への取り組み

シチズンファインデバイス

本社・河口湖事業所では、部品の表面処理にPRTR対象物質を含む媒材や洗浄液を使用しています。バレル工程で使用している媒材(灯油)及び洗浄液(シアン化合物)は、従来は交換サイクルを日数で管理していましたが、2022年度よりカウント管理に変更を行いました。また、灯油に関しては、停止中であった再生装置の再稼働を行いました。

これらの活動の結果、18年度と比較して、灯油(キシレン及びトリメチルベンゼン)は35%の削減、シアン化合物は51%の削減を実現しました。

図

灯油の使用量削減説明図