汚染防止

汚染防止に向けた取り組み

シチズングループでは、製造工程においても有害化学物質の全廃、削減、代替を目指した活動を国内外で続けています。

法規制への対応

シチズングループは、製造から使用後の廃棄に至るまでの製品のライフサイクルにおける法的・社会的な化学物質問題への対応として、国内外の化学物質関係法令を遵守するための社内体制整備やお客様への製品安全や適用法令に関する情報提供など、様々な取り組みによる化学物質管理を推進しています。

シチズングループグリーン調達基準では、グループ各社の製品に関わる調達品についてグローバル法規制であるEU RoHS指令およびEU REACH規則等の遵守を求めており、原材料の採用段階から含有化学物質の情報を収集し、健康や環境への影響を含めた危険有害性の確認を行い、化学物質のリスクを削減するよう努めています。

有害化学物質の削減

シチズングループは、PRTR法対象化学物質(国内)を2018年度比で2024年までに10%削減、2030年までに45%削減する目標を策定し、工程の変更や代替物質への転換等の削減活動に取り組んでいます。2024年度は結果として目標を上回る56.1%(77.9トン)の大幅な削減を果たしました。またグループでは有害化学物質の削減にも長年取り組んできており、塩素系有機溶剤などの全廃をすでに果たしています(下表)。

1-ブロモプロパンの削減については、2024年度の使用量は段階的に進めている環境対応品への代替化に加え、余分な蒸発の抑制などの改善も行いながら2023年度に比べ8.9トンを削減しました。

1-ブロモプロパンの次に取扱量の多い有機溶剤であるキシレン、トリメチルベンゼンの削減にも重点的に取り組んでおり、その他の化学物質についても代替・削減活動を進めています。有害化学物質削減の目標達成のため、化学物質使用量の大きい時計事業や自動車部品事業における技術開発や設備更新を進めています。

なお、海外における環境リスク管理も重要事項であり、化学物質使用量のモニタリングを徹底し削減活動に取り組んでいます。

有害化学物質の削減目標と実績(2018年度比)
目標 年度 実績
  • 2024年までに10%削減
  • 2030年までに45%削減
2019 5.8%(11.3トン)削減
2020 26.5%(48.9トン)削減
2021 34.7%(50.9トン)削減
2022 49.1%(71.1トン)削減
2023 45.8%(57.1トン)削減
2024 56.1%(77.9トン)削減
これまでに使用を全廃した化学物質
対象化学物質 全廃した年度
塩素系有機溶剤 2008
代替フロン(HCFC)※機器中の冷媒を除く 2008
塩化第二鉄 2018
1-ブロモプロパンの代替・削減実績
年度 代替量 削減実績(前年度比)
2019 2018年度使用の6%(2.4トン)代替 8.5トン削減
2020 2019年度使用の1.6%(0.5トン)代替 2.0トン削減
2021 4.5トン削減
2022 2.1トン削減
2023 2.2トン削減
2024 8.9トン削減

【事例紹介】PRTR対象物質削減への取り組み

シチズンファインデバイス

本社・河口湖事業所では、部品の表面処理にPRTR対象物質を含む媒材や洗浄液を使用しています。バレル工程で使用している媒材(灯油)および洗浄液(シアン化合物)は、従来は交換サイクルを日数で管理していましたが、2022年度よりカウント管理に変更を行いました。また灯油に関しては、停止中であった再生装置の再稼働を行いました。

これらの活動の結果、2024年度は、2018年度と比較して灯油(キシレンおよびトリメチルベンゼン)は46%の削減、シアン化合物は62%の削減を実現しました。

図

灯油の使用量削減説明図

【事例紹介】1-ブロモプロパンの代替化

シチズン時計マニュファクチャリング

シチズン時計マニュファクチャリング株式会社の東北北上工場では、メッキ処理前の洗浄や加工油除去のため、長年にわたり1-ブロモプロパンを使用していました。毎年、削減目標を立て取り組むことで使用量は減少していましたが、全廃までは思うように進みませんでした。

使用部門の努力で自動炭化水素洗浄機をはじめ、フッ素洗浄機の導入、洗浄液切替などに取り組み、2024年度に1-ブロモプロパンを全廃することができました。PRTR排出量の削減だけではなく、作業者のリスク低減にもつながりました。