ダイバーシティ&インクルージョン

役員メッセージ

グローバルなニーズに応えるためにも、多様性を備えることが必須
グループ全体で多様な人財の活躍や女性管理職の育成・登用を推進

ダイバーシティ&インクルージョンのロードマップに掲げる女性活躍に関して、シチズン時計が主体となって2030年には女性管理職比率20%以上とする目標を掲げており、2023年度のシチズン時計の新卒採用者の男女比が同程度と偏りをなくすと共に、将来の女性管理職育成に向けた育成や環境醸成を進めています。

シチズングループではグループ全体の売上に占める海外比率が7割に達しており、多種多様なお客さまのニーズに応えるためにもグローバルな多様性を備えることが必須といえます。

製品やビジネスに革新性や独創性が求められる中、当社のさらなる成長を支えるのが多様性のある人財です。スピードや変化に即応できる人財を確保するべく、経験や知見に長けたキャリア人財の採用を増やしており、近年では新卒採用との割合が半々にまで至っています。終身雇用の社員が大半を占めていた以前と比べても、さまざまな立場や視点から自由に意見を述べ議論を尽せる環境が整っていることを実感しています。

従業員に対するエンゲージメント調査は2022年度から連続して実施していますが、労働環境に関して高い評価を得ています。また、シチズン時計は2024年3月に「健康経営優良法人〜ホワイト500〜」認定を受けており、働きやすい環境が整っていると自負しています。一方で上司との関係性に関する課題も可視化されたことから、管理職向けにリスキリニング研修を開始したほか離職防止やマネジメント層育成に向けて、社内公募制異動や学習コンテンツの拡充など成長の機会を増やす施策に取り組んでいます。

ダイバーシティの推進で「豊かな未来(とき)をつなぐ」を掲げたシチズングループビジョン2030を実現し、人々の暮らしはもとより、心までより豊かにすることを目指します。

取締役
宮本 佳明

ダイバーシティ&インクルージョンについての基本的な考え方

シチズングループは社員一人ひとりを尊重し、多様性を尊重し、活かせる環境をつくることが経営の責務と考えています。「ダイバーシティ経営」の実践にも力を入れており、ジェンダーダイバーシティを始めとして、組織競争力の源泉である多様な従業員一人ひとりが、能力を発揮して長く働ける組織を作り、企業価値の向上を目指しています。

シチズングループのダイバーシティ&インクルージョン体制

シチズングループのダイバーシティ&インクルージョンの取り組みは、シチズン時計人事部が事務局を担いながらグループ全体を統括しており、グループ人事委員会での決定事項の展開や事業活動上の人権の尊重・リスク対応については、国内グループ各社の人事担当部門が担当しています。

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ダイバーシティ&インクルージョンロードマップ

シチズングループでは、シチズン時計が主体となって2030年には女性管理職比率20%以上を目標に掲げ、グループ全体で多様な人財の活躍や女性管理職の育成・登用を推進しています。

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分類 2022年度結果 2023年度結果 2024年度 2030年
目標
  • 多様な人財の活躍、女性管理職候補の計画的育成と登用
KPI
  • シチズン時計における女性管理職比率7%以上
    結果:8.6%
  • 男性の育休取制度の整備
  • シチズン時計における女性管理職比率8%以上
    結果:9%
  • 男性の育休制度の利用状況調査と利用促進課題の特定
  • シチズン時計における女性管理職比率9%以上
  • 男性の育休制度の利用促進にかかる目標設定
  • シチズン時計における女性管理職比率20%以上
  • グループにおける男性の育休取得率の向上
施策
  • キャリアセミナーの実施
  • 男性の育休制度の整備と制度浸透
  • キャリアセミナー実施
  • 男性の育休制度の利用促進に向けた目標の設定と実行
  • 互いを尊重し、多様な人財が活躍できる風土醸成のためのセミナー
  • 男性の育休取得率の向上
  • 互いを尊重し、多様な人財が活躍できる風土醸成のためのセミナー
  • 男性の育休取得率の向上

女性活躍の推進

シチズン時計における女性活躍の取り組み

女性活躍に向けた意識改革

シチズン時計では、ダイバーシティを推進する積極的な環境づくりを社⻑自らが宣言しています。そしてダイバーシティ推進の検討チームを立上げ、従業員の声をヒアリングして現状把握に努めるとともに、多様な従業員一人ひとりが一層活躍するのに必要な施策を検討してきました。具体的には、外部講師を招いて管理者の意識変革をうながすダイバーシティ講演会や、育児期にある男性・女性社員とその上⻑を対象とした育児期社員研修の開催など、制約を抱えながらも能力を発揮して活躍し続けられるよう、家族や同僚、上⻑との関わり方等について学び、意識改革を促すさまざまな機会を設けてきました。2023年度からは、女性の幹部社員を対象としたワークショップを開催、参加者間のネットワークを広げ多様なキャリアのあり方に気づきを得て、全員が自分らしくリーダーシップを発揮し、キャリアを築いていくことができるように後押しをしました。

女性従業員の能力開発・キャリア支援の取り組み

育児期に利用可能な制度周知のためのランチ会を2018年度に実施し、ライフステージの変化に対して早期に見通しを立てて柔軟な生活設計を組むことの重要性を伝えるなど、安定したキャリア形成を後押しする施策を展開してきました。2019年度も同ランチ会を開催して支援制度の周知や部署や年代を超えた相互理解の推進を図り、2021年度にはキャリア支援セミナーやジョブ・リターンといった施策を展開しました。2022・2023年度は産業医を講師に招いて、不妊治療や出産時期などを考慮したキャリア設計の重要性を説くなど、女性のキャリアと健康課題に関するセミナーを開催しセミナーの様子は動画でグループ各社に共有するなど、上長や同僚も含めた周囲の理解促進を図る施策を展開しました。女性管理職の計画的な育成・登用を進め、シチズンウオッチオーストラリアでのシチズン初の女性拠点⻑の誕生を経てアジア拠点長の歴任に貢献するなど、着実に成果に繋げています。近年では部長級の女性管理職を社外の研究会、研修に継続的に派遣し、より視野を広げさらなる活躍を支援しています。なお2023年度は、グループ会社に女性活躍推進に関するヒアリングを行い、各社の進捗状況の把握しグループで連携して女性管理職の育成に努める方針を確認しました。

女性の働きやすさと活躍を後押し

シチズン時計では近年の産休取得・復帰率は100%であり、育児に関わる就業時間の短縮や時差勤務の適用期間は小学校修了まで適用可能、介護休暇も就業時間の2時間短縮まで認めています。年次有給休暇の1時間単位の取得、積み立てた有給休暇(プール休暇)の用途についても、子育て支援を目的として利用する場合の適用範囲を子どもの中学校修了まで延長、家族の介護、自己啓発やボランティア参加目的でも使用を認めるなど柔軟な働き方を促進し、結婚、出産、介護といったライフイベントを経ても継続して働き続け活躍できる環境を整えており、制度の活用を促進しています。男性の育児休暇取得についても育児参加の意義や必要性を伝える説明会を開催し、育休取得者の体験談を社内サイトで紹介するなど、育児参加を促す育休取得を積極的に推奨しています。

また、配偶者の転勤等による退職者に対し再雇用の機会を提供するジョブ・リターン登録制度を利用した復職者も2021年度に1名いました。

育児の支援制度の概要
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両立支援制度(まとめ)

シチズン時計では、多様な人財の活躍を支援するため、育児、介護、特定疾病、不妊治療と仕事の両立を支援する制度を整備しました。当事者の声を聞きながら、今後も内容を拡充していきます。

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就業上の措置 育児 介護 特定疾病 不妊治療
就業時間の短縮
15分単位・2時間/日まで
小学校6学年修了まで 制限なし
(通算5年超は在宅介護のみ)
一の特定疾病の治療等につき通算3年間まで 一の不妊治療につき通算3年間まで
時間外労働の制限 制限なし
深夜労働の免除
所定外労働の免除
時差勤務 制限なし
(通算5年超は在宅介護のみ)
フレックスタイム制
プール休暇制度 積立有給休暇40~60日を一部条件有で利用可能

LGBTQに関する取り組み

シチズン時計では、LGBTQに関する取り組みとして、採用活動の際の書類提出時の性別記載を任意としています。2023年度は、シチズングループの従業員向けにLGBTQに関する相談窓口を設置し、窓口担当者に対する研修を実施するともに、全グループ従業員を対象に実施したハラスメント研修においてLGBTQに関するテーマを設け、外部指標に基づいて現状の取り組みの検証を行うなど、従業員の多様な価値観や経験を活かし能力を発揮できる環境整備を推進しています。

障がい者雇用

シチズングループでは、「ともに働く」を基本方針として障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。一例として、シチズン時計では2018年度より特別支援学校からの実習生を毎年継続して受入れ、実習生の就業体験の場を提供するとともに、採用および入社後の安定した就業に繋げており採用実績は4名となっています。

また、40年以上にわたり、社会福祉法人村山苑(東京都東村山市)において、腕時計部品やアフターサービス部品の計数、包装、時計の解体等の業務委託を通じた就業支援を行っています。今後もさらに雇用拡大や職域拡大に努めていきます。