シチズングループは、シチズン時計の社名の由来である「市民に愛され市民に貢献する」を企業理念とし、地域社会はもとより地球環境と調和した永続的な企業活動を通して、社会への貢献や企業価値の向上に努めています。また、企業価値を継続的に高めていくためには、経営の透明性確保と多面的な経営への監督機能が重要と認識し、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みを実践しています。
シチズングループでは、グループ全体の事業目標の達成を通した持続的な成長を確実なものとするため、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に努めています。世界の経済や社会がこれまでにないスピードで変化している中、直面するさまざまな社会課題に対応するために、シチズン時計が中心となり、グループ全体を管理・監督しています。
シチズン時計は、事業内容に精通した取締役5名と独立性が高い社外取締役3名で取締役会を構成し、業務執行に関する決定と業務執行の監督を行っています。
また、監査役会制度を採用し、社外監査役2名を含む3名で監査役会を構成しています。
当社は、経営の透明性を高めるために、任意の機関として指名委員会および報酬委員会を設置しています。
指名委員会は、代表取締役、取締役社長および取締役会長の選定または解職に関する事項を審議し、取締役会に提案すること、役員の選任または解任に関し、取締役会または取締役社長その他の取締役の諮問に応じて審議し、答申すること、取締役社長および取締役の後継者計画に関し、取締役会または取締役社長その他の取締役の諮問に応じて審議し、答申することなどを主な職務としています。
報酬委員会は、取締役が受ける報酬等の方針および基準に関する事項を審議し、取締役会に対し勧告することを主な職務としています。
各委員会は、取締役会の決議によって選定された3名以上の取締役で構成されており、委員の過半数は社外取締役が占め、1名以上の代表取締役を含むものとしています。なお、各委員会の委員長は、委員の互選によって社外取締役から定めています。
各監査役は、監査役会の定めた監査方針や監査計画に従い、取締役会、経営会議および事業ごとの会議等への出席、取締役等からの職務執行状況の報告や重要な決裁書類等の閲覧、業務および財産の状況の調査等により取締役の業務執行の厳正な監査を実施しています。また、会計監査人である監査法人日本橋事務所より会計監査の報告を受け、会計監査人と協力してシチズン時計および子会社の監査業務等を効率的に実施し、コーポレート・ガバナンスのさらなる充実に向けた取り組みを行っています。
シチズングループでは、グループ全体の事業目標の達成と持続的な発展を確実なものとするため、リスクを集約管理し迅速な対応を目的とした「グループリスクマネジメント基本方針」、「グループリスクマネジメント基本規程」および「グループクライシスマネジメント基本規程」を定めており、グループガバナンスの強化につながる取り組みを積極的に行っています。
そして、情報漏えいなどの重大インシデントに対応する「CITIZEN-SIRT」(CITIZEN-Security Incident Response Team)や、品質に関するコンプライアンスリスク対応を主要な役割とする「グループ品質コンプライアンス委員会」など、業務に応じた各種委員会を設置して、コーポレート・ガバナンスの強化や経営の透明性を高める活動を展開しています。
シチズン時計では、ジェンダーや国際性等の多様性に配慮して、経営戦略の達成に向けて取締役会の役割・責務を実効的に果たすために必要な知識や経験、能力として、「企業経営/経営戦略」「販売/マーケティング/DX」「研究開発/テクノロジー」「財務/会計」はもちろんのこと、「国際ビジネス」「人財開発/ダイバーシティ」「ESG/サステナビリティ」についても取締役に期待する役割に掲げています。
なお、役員の選任に当たっては、会社法その他の法令に定める役員となる要件を備えていることや、役員にふさわしい人格および識見を有し、その職責を全うできることなどを条件に決定しています。
シチズン時計では取締役会のより一層の機能強化を目的に、取締役会の実効性に関する評価・分析を実施した結果、運営、議題、体制を中心に取締役会は有効に機能しており、取締役会の実効性が確保されていることを確認しました。
当社は取締役会の実効性を分析・評価するため、取締役及び監査役全員に対し、毎年、取締役会に関するアンケートを外部機関による実効性評価ツールを使用して実施しております。本年度のアンケートは外部機関の作成した質問を利用して、自己評価に関する質問を含めて実施しました。実施後は分析・評価結果を取締役会にて確認しております。
取締役会の実効性評価に関するアンケートの結果については、各取締役及び各監査役の評価は総じて高く、取締役会は有効に機能しており、その実効性が確保されていることが確認されました。なお、各設問に対する評価は以下のとおりです。
資料の分量は必要十分で、質問や意見を形成するには十分であり、不足する場合には、別途情報提供されている。事前の情報提供は、内容を確認できる一定の期間が確保されており十分検討できる、との回答となりました。
重要な議題は事前協議等で説明がなされ、取締役会において制約を設けず十分な時間を使って議論し意思決定している。各事業において資本コストを含めたKPIが設定され、計画の進捗報告により適時適切に管理、評価、監督されている。
また、サステナビリティについては定期的に委員会の報告がされている。DXについては専門の部門が設置され、グループ全体でDXを意識した業務改善や人財育成が推進されている、との回答となりました。
月次で事業環境の報告がされ、市場動向や競合情報などは適宜報告されている。
IR活動での株主や投資家の意見も取締役に共有されている。
また、トレーニングについては、役員研修会の参加など機会が提供されており、オンラインでの学習や講師を招いての勉強会など、知識習得と意識向上の機会を得ている、といった回答となりました。
シチズン時計の取締役(社外取締役を除く)の報酬は、業績連動報酬と業績連動報酬以外の報酬等により構成されており、社外取締役および監査役の報酬は、固定報酬のみによって構成されています。
シチズン時計は役員の報酬等の額において、業績向上意欲と優秀な人材の確保が可能となる水準で、かつ経営環境の変化や外部データ、世間水準、経営内容を勘案し決定する方針としています。役員賞与の額の決定においては、上記方針に加え財務評価項目(売上、営業利益等)および非財務評価項目(世界情勢、災害、M&A等)により決定しています。
業績連動型株式報酬は、取締役の報酬とシチズン時計の株式価値との連動性をより明確にし、中長期的な業績向上と企業価値増大への貢献意識を高めることを目的としており、当該目的を可能とする水準で決定する方針としています。なお2022年度からは、ESG関連指標であるCO₂排出量削減率および「FTSE Russell ESG Rating スコア」も評価指標に追加しました。万一役員に不正等があった際に報酬の減額・返還を求めるマルス・クローバック条項を導入しており、役員の不正行為防止や過度なリスクテイクの抑制に努めています。
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区分 | 員数(名) | 報酬等の総額(百万円) | うち固定報酬(百万円) | うち賞与(百万円) | うち業績連動型株式報酬(百万円) |
---|---|---|---|---|---|
取締役 (うち社外取締役) |
9(3) | 314(31) | 167(31) | 95(―) | 52(―) |
監査役 (うち社外監査役) |
3(2) | 48(28) | 48(28) | ―(―) | ―(―) |
合計 (うち社外役員) |
12(5) | 362(60) | 215(60) | 95(―) | 52(―) |
シチズン時計は、経営者としての豊富な経験や幅広い見識または企業財務、会社法務等の高い知識や見識を有することなどを重視し、一般株主と利益相反の生じるおそれのない社外取締役または社外監査役の選任に努めています。
なお、経営戦略の達成に向けて取締役会の役割・責務を実効的に果たすために必要な知識、経験、能力を定め、スキル・マトリックスに開示しています。
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氏名 | 当社における地位および担当 | 取締役会への出席状況 | |
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佐藤 敏彦 | 代表取締役 社長 | - | 17回/17回 (100%) |
古川 敏之 | 常務取締役 | 経営企画部・経理部・広報IR室・情報システム部担当 | 17回/17回 (100%) |
大治 良高 | 常務取締役 | 時計事業本部長 | 17回/17回 (100%) |
宮本 佳明 | 取締役 | グループリスクマネジメント、総務部長、人事部・CSR室・環境マネジメント室担当 | 17回/17回 (100%) |
伊奈 秀雄 | 取締役 | - | - |
窪木 登志子 | 社外取締役 | - | 17回/17回 (100%) |
大澤 善雄 | 社外取締役 | - | 17回/17回 (100%) |
𠮷田 勝彦 | 社外取締役 | - | 17回/17回 (100%) |
2024年3月31日現在
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氏名 | 指名委員会 | 報酬委員会 | ||
---|---|---|---|---|
出席回数(回) | 出席率(%) | 出席回数(回) | 出席率(%) | |
大澤 善雄 | 5 | 100 | 2 | 100 |
窪木 登志子 | 5 | 100 | 2 | 100 |
𠮷田 勝彦 | 5 | 100 | 2 | 100 |
佐藤 敏彦 | 5 | 100 | 2 | 100 |
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氏名 | 企業経営/ 経営戦略 |
販売/マーケ ティング/DX |
研究開発/ テクノロジー |
国際ビジネス | 人財開発/ ダイバーシティ |
財務/会計 | ESG/サステ ナビリティ |
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佐藤 敏彦 | ● | ● | ● | ||||
古川 敏之 | ● | ● | ● | ||||
大治 良高 | ● | ● | ● | ||||
宮本 佳明 | ● | ● | ● | ||||
伊奈 秀雄 | ● | ● | ● | ||||
窪木 登志子 | ● | ● | ● | ||||
大澤 善雄 | ● | ● | ● | ||||
𠮷田 勝彦 | ● | ● | ● |
弁護士としての専門的見地及び会社の社外取締役としての経験を当社の経営のチェックや監督に活かしていただくことに加え、独立した客観的な立場で当社の代表取締役社長の選定等や役員報酬等の決定過程における監督機能を担っていただくことを期待して、引き続き社外取締役候補者といたしました。同氏は、これまで社外取締役または社外監査役となること以外の方法で会社の経営に関与したことはありませんが、弁護士として会社法務に精通しており、社外取締役としての職務を適切に遂行できるものと判断し、社外取締役に選任しております。
経営者としての豊富な経験と幅広い見識を当社の経営のチェックや監督に活かしていただくことに加え、独立した客観的な立場で当社の代表取締役社長の選定等や役員報酬等の決定過程における監督機能を担っていただくことを期待できるため、社外取締役に選任しております。
経営者としての豊富な経験と幅広い見識を当社の経営のチェックや監督に活かしていただくことに加え、独立した客観的な立場で当社の代表取締役社長の選定等や役員報酬等の決定過程における監督機能を担っていただくことを期待できるため、社外取締役に選任しております。
取締役会の実効性向上に向けて2023年度は、社外役員を含むシチズン時計の取締役会メンバー(取締役・監査役)を対象に、「企業価値と企業価値経営」をテーマに、eラーニングと外部講師による研修を実施しました。また、上席執行役員・執行役員も同様の研修を受講しました。グループ会社の取締役・監査役はeラーニングを受講しており、シチズン時計およびグループ会社全体での研修受講率は100%です。
シチズングループでは、日本国内のグループ会社を対象に従業員向けの福利厚生の一環として持株会制度を導入しています。少額資金を継続的に拠出することにより、シチズン時計の株式を購入でき、従業員にとって手軽に始められる資産形成の一助となっています。また、会員となることで従業員の経営参加への意識の向上にもつながっています。なお、加入者数は1977人(2024年3月31日時点)であり、第5位の大株主(持株比率1.87%、2024年3月31日時点)となっています。