循環型社会への貢献
シチズングループ資源循環ビジョン (2020年4月 制定)
2050年長期ビジョン
シチズングループは、資源循環は資源の枯渇を防ぐとともに気候変動対策としてバリューチェーン全体での温室効果ガス削減においても重要であると認識し、省資源化、3R、廃棄物ゼロエミッション、水資源の保全により、持続可能な資源の利用を推進し、循環経済の発展と循環型社会の実現に貢献します。
2030年に向けた中期重点施策
原材料の削減、持続可能な包装容器の使用、取扱説明書や製品カタログの電子化、森林認証紙や古紙の使用、輸送梱包材の環境負荷低減、工場・オフィスでの紙使用量削減など省資源化、3Rに取り組み、持続可能な資源の利用を推進します。
事業所から排出するプラスチック廃棄物の削減、包装容器のワンウェイプラスチックの削減に取り組み、プラスチックによる海洋汚染や地球温暖化の防止に貢献します。
水循環や洗浄水の削減など事業活動での水使用量、取水量の削減に取り組み、持続可能な水資源の利用を推進します。
廃棄物の削減目標
シチズングループでは、工場からオフィス、社員食堂に至るまであらゆる職場で廃棄物削減活動を進めており、廃棄物の削減および再資源化を通じて、循環型社会の実現を目指します。国内の再資源化率についても99.5%以上を目標に定め、今後も廃棄物の有効利用等資源の循環利用に取り組みます。
有価物・廃棄物の排出量
有価物・廃棄物の排出量の内訳
「廃棄物・リサイクルガバナンス」の展開
シチズングループは、「社内外の関係者を含めた体制構築」「廃棄物・リサイクルの委託に潜むリスクの低減」「自社の取り組み状況の情報発信・情報共有」に着目して、廃棄物・リサイクルガバナンスの強化に取り組んでいます。廃棄物はさまざまなルートを経由して処理・リサイクルされており、万一これらの一部が不適正処理・不法投棄された場合、不適切な委託によっては、当該企業は廃棄物処理法違反に問われ、懲役や罰金の刑を受ける可能性があり社名が公表されることがあります。2023年度は、各サイトにおいて内部環境監査を行うとともに、国内1社・1サイトのグループ内部環境監査を行いました。一つのサイトで発見されたリスクは各サイトに展開し重点的に確認しています。2023年度は重点項目として化学物質管理と緊急事態訓練を実施しました。
サーキュラーエコノミー実現に向けて
サステナビリティ委員会では、サステナビリティに関する社内討議だけでなく、外部の有識者を招いた講演会を開催しています。2021年5月にはグループ役員および部門長を対象に「サーキュラーエコノミー 世界の最前線と企業の成長戦略」と題した講演会を開催しました。「企業がサーキュラーエコノミーに取り組むべき最終の目的はヒューマン・ウェルビーイング(人類の幸せ)の実現であり、持続可能な社会経済のための手段として資源循環は事業の根幹となる」という講演内容は、シチズングループのサステナビリティの取組みを加速させる端緒ともなっています。社内への理解浸透を図るため、2023年8月には主にグループ役員を対象に資源循環に関する講演会を開催し、従業員にはサーキュラーエコノミーをテーマとしたeラーニングを実施しました。
私たちは、耐久性と安全性を重視し、製品のライフサイクルである原材料の調達から設計、資源の回収と再利用に至るまで、有限な資源を効率的に活用します。このアプローチにより、経済活動が引き起こす気候変動、生物多様性の損失、環境汚染などのグローバルな環境への取り組みを強化し、解決策の提供を目指しています。
時計事業の取り組み
腕時計は長年にわたりお客様に愛用される直接肌に触れる製品です。これまでも、定期的な電池交換の要らない光発電『エコ・ドライブ』※ を搭載した世界初のアナログ式光発電時計を1976年に開発するなど、半世紀前から地球環境に配慮した製品を世に送り出してきました。現在も腕時計の一部の部品に再生素材やアップサイクルされた素材を用いることで、持続可能な資源の利用を推進し循環経済の発展と循環型社会の実現に貢献します。
2021年、約20名の若手社員で構成されたプロジェクトチームが、サーキュラーエコノミーの検討を本格化させました。2022年には多くの部門が参加する分科会が立ち上がり、2023年は具体的な施策に向けた調査活動を開始しています。
※ エコ・ドライブ: 定期的な電池交換不要の光発電時計で、シチズン独自の技術です。環境保護の観点からも評価を受け、日本では1996年に腕時計として初めて「エコマーク商品」に認定されました。