持続可能な調達の推進

持続可能な調達についての基本的な考え⽅

シチズングループでは、「サステナブル経営」の重要な柱のひとつとして、⾃社⼯場だけでなくその製造プロセスにも配慮した「サステナブルファクトリー」というコンセプトを掲げています。これは、お取引先様も含めたバリューチェーン全体を持続可能な「ファクトリー」にしていこうというものです。そして「サステナブルファクトリー」で⽣産される「サステナブルプロダクツ」を社会に提供していくということが、もうひとつの柱です。こうしたことの実現のためには、バリューチェーンの上流の要となるお取引先様と協働して、コンプライアンスや⼈権、労働慣⾏、BCP、⽣産性向上などに総合的に配慮した、持続可能な調達の実践と⽣産体制の整備を⾏うことが不可⽋です。

持続可能な調達のための推進体制

シチズングループでは、それまでのガイドラインを⾒直し、2020年4⽉に、第2版となる「シチズングループCSR調達ガイドライン」に改定しました。この新ガイドラインでは、近年の社会や経済情勢の変化や、国連グローバル・コンパクトのような国際的な規範、そしてステークホルダーからの要請に対する、シチズングループの姿勢を反映させています。また、SDGsの達成にも貢献できるように、⼈権や労働慣⾏に関する領域をはじめとする社会課題の解決に向けた要素について更に広く網羅的に盛り込んでいます。
ガイドラインの刷新に合わせ、推進体制を見直しています。サステナビリティ委員会のもとに、シチズン時計の商品管理部、環境マネジメント室、CSR担当部門を事務局とする「グループ持続可能な調達委員会」を設けています。この委員会は、シチズン時計のCSR担当取締役を委員⻑として、グループ会社の調達部⾨とCSR担当部⾨が委員として参加しています。毎年2回開催し、グループ全体の持続可能な調達の実現に向けて、お取引先様との良好なパートナーシップの構築状況の確認と、そのための仕組みの機能状況をチェックしています。これにより、グループ間での連携を強化するとともに、お取引先様の実態把握やそれを踏まえた是正要請等の速やかな実施を図ります。

シチズングループ持続可能な調達委員会体制図

サステナビリティ委員会の図

ロードマップに対する進捗と今後の展望

持続可能な調達の実現への取り組み

2020年度は、持続可能な調達を推進するための体制・ガイドラインの整備とともに、シチズングループが目指す持続可能な調達についてグループ内での認識を統一するため、国内全従業員を対象としたe ラーニングを行いました。具体的には、調達活動において留意すべき社会課題やリスク、持続可能な調達と「サステナブルファクトリー」・「サステナブルプロダクツ」との繋がり、お取引先様であるサプライヤーの協力のもとサプライチェーン全体での連携の必要性といった内容となります。また、調達業務に関わる部門の従業員に対しては、更に研修や学習の機会を設けています。
新型コロナの拡大の影響もあり、お取引先様に対しては、中国と日本を対象に動画の配信による説明会を行いました。動画では、シチズン時計の社長からのメッセージや、シチズングループにおけるSDGs 達成に向けた取り組み等を説明するとともに、持続可能な調達に対する考えと、その協力をお願いしています。2020年度は、主要なお取引先様の約67%にあたる約2,440 社に対して、動画による説明会を実施するとともに、CSR調達ガイドラインに則したSAQやグリーン調達・紛争鉱物の調査表を送付し、その調達におけるCSRへの取り組み状況を確認しています。
更に、調達におけるリスクや企業が取り組むべき課題は常に変化するため、年2 回開催している持続可能な調達委員会では、外部の有識者を招き勉強会を実施しています。2020年度は紛争鉱物をテーマとして、世界的にもサプライチェーンに関する取り組みが進んでいる欧米等の潮流について学びました。勉強会の内容は、委員会に参加しているグループ各社の調達を担当する部門を通じて、各社の取り組みに活用されています。

お取引先様と一体となった持続可能な調達の推進

お取引先様におけるCSRへの取り組みを詳細に調査し、サプライチェーン上のリスクを特定するため、シチズングループでは、SAQ等をもとにした「実態調査チェックシート」を作成し、お取引先様の実態調査を実施しています。2020年度は、新型コロナの影響のため、SAQを送付したお取引先様から選定した8社に対してリモートでの実態調査を行いました。実態調査の結果、お取引先様における重大なリスクや是正措置の必要性等は見られませんでした。SAQや実態調査の実施においては、一方的な送付に留まらず、回答が難しいお取引先様に対しては、その支援等も行い、信頼関係の構築に努めています。
また、シチズングループでは、CSR全般の取り組みとともに、武装勢力への資金提供や人権侵害のリスクがある紛争鉱物についても、調達上の重要なリスクとして認識しています。そのため、シチズングループの紛争鉱物に対する考えと、その排除への姿勢を示すため、国際的なガイドライン等を参照し、既存の紛争鉱物対応方針を「シチズングループ責任ある鉱物調達方針」に改定しました。同方針の改定にあたっては、対象とする鉱物と調達地域の拡大、およびリスクを確認した際の対応等を明確にしています。対象となる鉱物を調達しているお取引先様とともに、シチズングループ自身もサプライヤーの立場として、紛争鉱物の排除に取り組んでいます。

リモートによる実態調査の様子
リモートによる実態調査の様子

今後の展望

シチズングループでは、2019年度からお取引先様に対する実態調査を開始し、その実績を積み重ねてきました。2020年度は新型コロナの影響により、海外のお取引先様への訪問や対面での実態調査は叶いませんでしたが、リモートでのノウハウの蓄積により、場所を選ばない効率的な調査や実態調査の方法も確立しつつあります。お取引先様との積極的なコミュニケーションによる信頼・協力関係を構築しつつ、状況の変化に応じて、リモートと対面を組み合わせた、効率的な実態調査の仕組みや体制づくりを進めていきます。