生物多様性保全への取り組み

シチズングループでは、生物多様性によってもたらされる生態系サービスの重要性や、事業活動が生物多様性に与える影響を認識し、「シチズングループ生物多様性ビジョン」を定め、地域社会とともに生物多様性の保全に努めています。

シチズングループ生物多様性ビジョン(2020年4月 改定)

基本方針

シチズングループは、事業活動が生態系サービスの恩恵を受け、また、生態系に影響を与えていることを認識し、人と自然が調和し心豊かに安心して暮らせる持続可能な市民社会に貢献するため、グループ一体となって生物多様性の保全活動に取り組みます。

重点施策
  1. 自然をいつくしみ、自然と共生する気持ちを喚起する魅力的な環境配慮型製品やサービスを提供します。
  2. 生物多様性に配慮した事業所構内の緑化を推進します。
  3. 環境への取り組みについての情報を積極的に開示し、社会との生物多様性に関するコミュニケーションを深めます。
  4. 地域社会における環境保全活動や生物多様性保全活動を推進します。
  5. 全従業員に対して、生態系サービスの教育を実施し、生物多様性保全への理解を深めます。

生物多様性保全活動の推進

シチズングループでは、グループ生物多様性ビジョンに基づき、事業を行う地域の生物多様性に関する課題解決や保全活動を継続して行っています。

シチズン時計では、シチズンブランドの腕時計の購入時に、ボックス(時計を入れる箱)不要を選択することで、国際NGO「NICE」を通じてマングローブの苗1本を寄付する『Eco Tree ACTION』を2020年から始めています。ボックスは主に紙で作られていますが、ボックス10,000個をCO₂排出量に換算すると1.3トンに相当します。シチズン時計では紙で印刷していた9言語の取扱説明書の電子化を同年から進めており、年間でCO₂排出量20トン削減(杉の木1,400本の年間吸収量に相当)・紙は37トン(バス3.7台分)の削減効果が得られています。

またシチズン時計では、2030年までに国土の30%以上を自然環境エリアとして保全する環境省の「30by30(サーティ・バイ・サーティ)」に賛同し、2023年度に同アライアンスへの参画を予定しています。

【事例紹介】時計の箱がマングローブ1本になる『Eco Tree ACTION』

シチズン時計

シチズン時計は、2020年11月1日より、シチズンブランドの腕時計の購入時にボックス不要を選択することで、国際NGO「NICE」を通じてマングローブの苗1本を寄付する『Eco Tree ACTION』を行っています。

毎年、約21,000本以上の苗を寄付しており、21,000個のボックスは、CO₂排出量に換算すると2.7トン(杉の木約190本の年間CO₂吸収量に相当)となります。

マングローブは大気中の多くの二酸化炭素を取り込み、気候変動の要因とされる地球温暖化の防止に寄与します。また、マングローブの植樹は、汽水域に生息する多くの生物の多様性を守るだけでなく、沿岸地域に住む人々の暮らしを守ることにも繋がっています。

  • ※ 海水と淡水が入り交じる汽水域に生育している植物を総称して「マングローブ」と呼んでいます。
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【事例紹介】オオルリシジミ(絶滅危惧種Ⅰ類)の保護活動

シチズンファインデバイス、シチズンマシナリー、シチズン時計マニュファクチャリング

絶滅危惧Ⅰ類に指定されているオオルリシジミの生息地の一つである、シチズンファインデバイスの北御牧事業所(長野県東御市)では、地域の「オオルリシジミを守る会」の一員として、食草である豆科の植物「クララ」を構内に植え、害虫駆除など生息域の維持に努めるなど、2003年から保護活動に参画しています。蛾や蜂などの天敵駆除目的で行われる野焼きを行い、保護活動に取り組んでいます。地域社会に理解を深めてもらう「親子観察会」にも協賛して敷地や施設を開放しており、近隣だけでなく県外からも多くの参加を得ています。

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食草「クララ」にとまる
オオルリシジミを撮影
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オオルリシジミ

【事例紹介】工場跡地を緑化してワーキングスペースを設置「CITIZEN森の事業所」

シチズン時計

シチズン本社のある東京事業所では、「屋内でも屋外でも働ける」をコンセプトに、従業員のウェル向上のための場づくりを行っています。特に屋外では、工場と駐車場跡地を変換した約4千㎡の緑地(「CITIZENの森」)を2019年に設け、緑地の利活用と維持に努めています。「CITIZENの森」には、ミーティングができるネストベンチ、コーヒーブレイクができるスタンドテーブルなどを設け、屋外のワークプレイスとして機能しています。小学生の遠足コースとしても使われることもあり、自然を通した地域交流の役割を果たしています。

また、緑地を地域のエコロジカルネットワークに位置づけ、武蔵野の雑木を植栽することで、地域の鳥や虫の飛来しやすい場を提供しています。資源やエネルギーはもちろんのこと、生物多様性が生み出す自然の恵みを受けて事業活動を行っていることを認識し、今後も積極的に緑を育てながら活用し、自然との共生を目指します。現在のCO₂吸収量18.4t/年。

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