ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン

ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンについての基本的な考え方

シチズングループは社員一人ひとりを尊重し、多様性を尊重し、活かせる環境をつくることが経営の責務と考えています。「ダイバーシティ経営」の実践にも力を入れており、ジェンダーダイバーシティをはじめとして、組織競争力の源泉である多様な従業員一人ひとりが、能力を発揮して長く働ける組織をつくり、企業価値の向上を目指しています。

シチズングループのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン体制

シチズングループのダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの取り組みは、シチズン時計人事部が事務局を担いながらグループ全体を統括しており、グループ人事委員会での決定事項の展開や事業活動上の人権の尊重・リスク対応については、国内グループ各社の人事担当部門が担当しています。

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ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンロードマップ

シチズングループでは、多様な人財の活躍を目指す中でも女性活躍を重点テーマと捉え、シチズン時計が主体となって2030年には女性管理職比率20%以上を目標に掲げ、グループ全体で多様な人財の活躍や女性管理職の育成・登用を推進しています。

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分類 2022年度結果 2023年度結果 2024年度結果 2030年度
目標
  • 多様な人財の活躍、女性管理職候補の計画的育成と登用
KPI
  • シチズン時計における女性管理職比率7%以上
    結果:8.6%
  • 男性の育休制度の整備
  • シチズン時計における女性管理職比率8%以上
    結果:9%
  • 男性の育休制度の利用状況調査と利用促進課題の特定
  • シチズン時計における女性管理職比率9%以上
    結果:9.8%
  • 男性の育休制度の利用促進にかかる目標設定
  • シチズン時計における女性管理職比率20%以上
  • グループにおける男性の育休取得率の向上
施策
  • キャリアセミナーの実施
  • 男性の育休制度の整備と制度浸透
  • キャリアセミナー実施
  • 男性の育休制度の利用促進に向けた目標の設定と実行
  • 互いを尊重し、多様な人財が活躍できる風土醸成のためのセミナー
  • 男性の育休取得率の向上
  • 互いを尊重し、多様な人財が活躍できる風土醸成のためのセミナー
  • 男性の育休取得率の向上

女性活躍の推進

シチズン時計における女性活躍の取り組み

女性活躍推進体制

シチズン時計では、ダイバーシティを推進する積極的な環境づくりを社⻑自らが宣言しています。そしてダイバーシティ推進の検討チームを立ち上げ、従業員の声をヒアリングして現状把握に努めるとともに、多様な従業員一人ひとりが一層活躍するのに必要な施策を検討してきました。2024年度には、東京女性未来フォーラム共同宣言に担当取締役が署名し、経営戦略としてトップマネジメントにより組織文化を改革して女性管理職の育成を行い、誰もが働きやすい職場づくりを目指すことを改めて宣言しました。
これまで外部講師を招いて管理者の意識変革を促すダイバーシティ講演会や、育児期にある男性・女性社員とその上⻑を対象とした育児期社員研修の開催など、制約を抱えながらも能力を発揮して活躍し続けられるよう、家族や同僚、上⻑との関わり方等について学び、意識改革を促す様々な機会を設けてきました。
2024年度には、女性管理職の上長に対して、改めてDEIを推進する背景を説明し、女性管理職を育成するための意識付けや具体的なキャリア支援の手法を学ぶ機会を提供し、対象者との面談を必須としました。

女性従業員の能力開発・キャリア支援の取り組み

シチズン時計では、階層別研修に加えて従業員全員に対して挙手選択型の学びを推奨し、男女問わず学び続けることができる環境をつくっています。女性管理職についてはロールモデルが限定的であるため、2023年度から女性管理職を対象としたワークショップを開催、参加者間のネットワークを広げ多様なキャリアのあり方に気づきを得て、全員が自分らしくリーダーシップを発揮し、キャリアを築いていくことができるよう支援しています。2024年度も引き続き、女性管理職のネットワーキングと定期的な学びの機会の創出を目的として、外部講師を招きフォローアップを3回実施しました。また、更なる女性のキャリア開発支援のため、企業横断型の「クロスメンタリング」にも参画し、課長級の女性管理職がより一層の活躍を目指していくことを後押ししました。近年では部長級の女性管理職を社外の研究会、研修に継続的に派遣し、より視野を広げ更なる活躍を支援しています。

女性のキャリアと健康課題については、2022・2023年度で産業医を講師に招いて、不妊治療や出産時期などを考慮したキャリア設計の重要性を説き、セミナーの様子は動画でグループ各社に共有するなど、上長や同僚も含めた周囲の理解促進を図る施策を展開しました。
なお2024年度は、国内主要会社6社で女性従業員の意識調査を実施しました。各社の状況を把握し、今後グループで連携して女性管理職の育成に努めていきます。

女性の働きやすさと活躍を後押し

シチズン時計では近年の産休取得・復帰率は100%であり、育児に関わる就業時間の短縮や時差勤務の適用期間は小学校修了まで適用可能、介護休暇も就業時間の2時間短縮まで認めています。年次有給休暇の1時間単位の取得、積み立てた有給休暇(プール休暇)の用途についても、子育て支援を目的として利用する場合の適用範囲を子どもの中学校修了まで延長、家族の介護、自己啓発やボランティア参加目的でも使用を認めるなど柔軟な働き方を促進し、結婚、出産、介護といったライフイベントを経ても継続して働き続け活躍できる環境を整えており、制度の活用を促進しています。男性の育児休暇取得については、子が1歳になるまでに5日以上の取得を推奨する目標を設定し、上長に対して男女を問わず誰しも取得しやすい職場環境づくりと対象者の方へ取得の働きかけ、育休取得者の体験談を社内サイトで紹介するなど、育児参加を促す育休取得を積極的に推奨しています。

また、配偶者の転勤等による退職者に対し再雇用の機会を提供するジョブ・リターン登録制度を利用した復職者も2021年度に1名いました。今後ジョブ・リターン制度は退職理由を問わず原則希望者とし対象を広げます。

育児の支援制度の概要
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くるみん認定マークの取得

「くるみん認定」とは、次世代育成支援対策推進法に基づき策定した一般事業主行動計画について、目標を達成し一定の基準を満たした企業を「子育てサポート企業」として厚生労働大臣が認定する制度です。

シチズングループでは、社員の仕事と子育ての両立支援に取り組んでいる企業として、シチズンマシナリー(認定:2018年、2021年)、シチズン時計マニュファクチャリング(認定:2018年、2022年)、厚生労働省が認定する「くるみん認定」を取得しています。

子育て世代をはじめ社員全員が長期的なキャリア形成が図れるような法定を上回る支援制度の導入や利用促進への啓蒙活動、またワークライフバランスの観点に基づく多様な働きやすい職場環境づくりの取り組みが評価されました。

くるみん認定マーク

えるぼし認定マークの取得

「えるぼし認定」とは、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)に基づき、一定基準を満たし、女性の活躍促進に関する状況などが優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
2023年度に認定を受けたシチズンファインデバイスは、採用における競争倍率が男女で均等なことや、法定時間外労働および法定休日労働時間の合計時間数の平均が月45時間未満と労働時間の短縮等に取り組んでいること、一般職から上級職への転換など女性のキャリアアップ推進といった、女性の能力が発揮できる様々な取り組みが評価され最上位の3段階目のえるぼし認定となりました。

『認証マーク「えるぼし」(3段階目)』

『認証マーク「えるぼし」(3段階目)』

両立支援制度(まとめ)

シチズン時計では、多様な人財の活躍を支援するため、育児、介護、特定疾病、不妊治療と仕事の両立を支援する制度を整備しました。当事者の声を聞きながら、今後も内容を拡充していきます。

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就業上の措置 育児 介護 特定疾病 不妊治療
就業時間の短縮
15分単位・2時間/日まで
小学校6学年修了まで 制限なし
(通算5年超は在宅介護のみ)
一種の特定疾病の治療等につき通算3年間まで 一回の不妊治療につき通算3年間まで
時間外労働の制限 制限なし
深夜労働の免除
所定外労働の免除
時差勤務 制限なし
(通算5年超は在宅介護のみ)
フレックスタイム制
プール休暇制度 積立有給休暇40~60日を一部条件有で利用可能

LGBTQに関する取り組み

2024年度は、全グループ従業員を対象に実施した人権研修においてLGBTQに関するeラーニングを実施し、広く啓蒙活動を行いました。シチズン時計では、LGBTQに関する取り組みとして、従来から採用活動の際の書類提出時の性別記載を任意としていますが、従業員向けに外部の相談窓口を設けより安心して相談できる環境を整えました。今後も継続して従業員の多様な価値観や経験を活かし能力を発揮できる環境整備を推進しています。

障がい者雇用

シチズングループでは、「ともに働く」を基本方針として障がい者雇用に積極的に取り組んでいます。一例として、シチズン時計では2018年度より特別支援学校からの実習生を毎年継続して受け入れ、実習生の就業体験の場を提供するとともに、採用および入社後の安定した就業につなげており採用実績は4名となっています。

また、40年以上にわたり、社会福祉法人村山苑(東京都東村山市)において、腕時計部品やアフターサービス部品の計数、包装、時計の解体等の業務委託を通じた就業支援を行っています。今後も更に雇用拡大や職域拡大に努めていきます。