環境イノベーションの促進

環境についての基本的な考え⽅

シチズングループは、「市⺠に愛され市⺠に貢献する」という企業理念に根差し、創業以来常に⼈や環境に配慮したものづくりを⼼掛けてきました。2019年度は、グループの環境に関する取り組みの根幹となる「シチズングループ環境方針」と、同⽅針をもとにした「シチズングループ環境ビジョン 2050」の改訂を⾏い、脱炭素、資源循環、安⼼・安全で⼼豊かな社会の実現に貢献することを明確にしました。また中⻑期的な環境⾯の取り組みをより効果的なものとすることを⽬的として、「シチズングループ環境⽬標2030」を改訂し、SDGs達成への貢献を視野に⼊れた5つの⽬標を設定しました。これらの⽬標達成を通して、「サステナブルファクトリー」で⽣産される「サステナブルプロダクツ」の創出の拡⼤を⽬指した「サステナブル経営」の実践を推進していきます。

ロードマップに対する進捗と今後の展望

環境目標について

シチズングループでは、マテリアリティのひとつである環境への取り組みについて、「シチズングループ環境ビジョン2050」、「シチズングループ環境目標2030」をもとにしたロードマップを設定しています。ロードマップに定めた環境への取り組みとその目標は、CO2 排出量削減や有害化学物質の削減、水資源等資源の有効利用、環境事故の防止、生物多様性保全等多岐にわたります。2020年度は、コロナ禍における事業活動の制限もありましたが、そのような状況下でも環境への取り組みを継続して推進し、ほとんどの項目において設定した目標を上回る実績となりました。

グローバルな環境マネジメントシステムの構築

シチズングループでは、ロードマップにも掲げたグローバルな環境マネジメントシステム(EMS)の強化・統一に向けて、国際規格であるISO14001の基準を満たすEMSの構築を国内外で進めています。国内に関しては、シチズン時計が中心となり全体のEMSの方針や目標を定めており、グループの環境負荷の大半を占める製造拠点においては、全拠点を対象としたISO14001の統一認証を取得しています。海外に関しては、拠点ごとにISO14001認証の取得を行っている状況ですが、国内と同様の考え方、方針にもとづいたEMSの構築を進めています。
2020年度はISO14001の再認証審査にあたる年度であり、全拠点で審査基準を満たし、認証を再取得しました。審査においては、グループ全体としてのEMSの仕組みが前回の認証取得時より大きく改善され、機能している点が評価されました。製造拠点以外の販売拠点等についても同様の考えにもとづいた環境活動の徹底を推進しており、こうしたグループ全体の取り組みが、より実効性の高いEMSの構築に繋がっています。

気候変動への対応

シチズングループでは、地球規模の課題である気候変動の解決に貢献するため、環境ビジョンにおいて工場・オフィスからのCO2 排出量を実質ゼロにすることを目指しています。
その実現に向けて、2020 年度は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しました。更に、将来的な気温上昇の想定が異なる2つのシナリオ( 2 ℃シナリオ、4 ℃シナリオ)を用い、T C F D 提言が要請する気候変動関連のリスクと機会の特定と評価を行いました。

シチズングループの財務に影響を及ぼす、気候変動関連リスク・機会

特定されたリスクに対しては、気温上昇が進行する4 ℃シナリオにおけるリスクの低減と国際的に約束した目標が達成される2 ℃シナリオの実現に向け、CO2 削減や製品における環境配慮を推進しています。また、両シナリオ共通の機会である環境に配慮した経営を推進するため、従来からの省エネ活動に加えて、2020 年度は、東京事業所の電力を100%再生可能エネルギー由来とする実証実験を行いました。
更に、排出削減の具体的な目標として、科学的な根拠にもとづくScience Based Targetsの策定・認証取得を目指し、グループのScope3排出量の把握と外部検証機関による第三者検証を受けました。
今後も、TCFD 提言に沿った気候関連情報の開示の充実とともに、排出削減に向けた取り組みを進めていきます。

「サステナブルプロダクツ」を目指した有害化学物質の削減への取り組み

「サステナブルファクトリー」の確立に向けて、PRTR 法対象の有害化学物質の削減をグループ全体で推進しています。具体的には、使用量が多い対象物質の代替物質への置き換えを進めており、最も使用量が多い1- ブロモプロパンは、数年以内に代替が完了する予定です。その他の物質についても、代替化や削減に向けた取り組みを各拠点で行い、取り組みの状況はグループ内で共有し、一丸となって推進しています。
また、「サステナブルプロダクツ」の生産においては、グローバル環境規制動向に注視し、製品含有化学物質規制の対象物質を設計段階から含まないことを前提としています。このように、製造段階から、生産される製品まで、化学物質の削減・排除に取り組んでいます。

今後の展望

2020年度は、新型コロナの影響もありましたが、ロードマップの目標を概ね達成しました。しかし、「シチズングループ環境ビジョン2050」が目指すカーボンニュートラル、廃棄物ゼロエミッションといった目標の実現には、2030年、2050年といった長期的な視点と継続した努力が必要となります。今後、社会や事業活動が再び活発化した状況においても、同水準を維持、または更に推進することを目指しコロナ禍への対応において得られた知見や改善点も踏まえて、グループ全体で環境への取り組みを推進していきます。