環境ビジョンと環境目標

シチズングループ環境ビジョン

シチズングループの環境についての基本的な考え方

シチズングループは、「市⺠に愛され市⺠に貢献する」という企業理念に根差し、創業以来、人や環境に配慮したものづくりを常に心がけてきました。グループの環境施策の根幹となる「シチズングループ環境方針」を2019年12月に改定して、持続可能な市民社会の実現を目指すグローバルな環境経営を推進しています。また、CO₂排出量を実質ゼロにする脱炭素化や持続可能な資源の利用にコミットメントする「シチズングループ環境ビジョン2050」を2020年4月に改定し、「シチズングループ資源循環ビジョン」も新たに策定しました。SDGs達成に向けた5つの目標「シチズングループ環境目標2030」も外部環境の変化に即して2022年2月に改定して、お取引先様も含めたバリューチェーン全体で環境に配慮する「サステナブルファクトリー」での生産活動を通じて、「サステナブル経営」を実践していきます。

シチズングループ環境方針(2019年12月 改定)

  1. 基本方針

    シチズングループは、「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念に基づき、世界の人々と地球環境に配慮した事業活動を通じて、心豊かに安心して暮らせる持続可能な市民社会に貢献します。

  2. 環境行動指針
    1. 製品・サービスのライフサイクル全体における環境負荷の低減に取り組み、環境配慮型製品の開発・提供を通じて「環境に配慮したものづくり」を推進し、地球環境保全に努めます。
    2. 環境に関わる法令、条例、規制、協定その他の要求事項を順守します。
    3. 事業活動における温室効果ガスの削減や省エネルギー化を推進することで、気候変動の緩和と気候変動への適応を図ります。
    4. 省資源、廃棄物削減、水資源の保全など持続可能な資源の利用に努めます。
    5. 製品に含まれる化学物質や、事業所における化学物質管理を強化し、汚染の防止に努めます。
    6. 地域社会における環境保全活動や生物多様性および生態系の保護活動への参加などを通じて、社会とのコミュニケーションを深め一層の調和を図ります。
    7. 環境教育や啓発を通じ従業員の環境意識の向上を図るとともに、環境に関する取り組みの情報開示を積極的に行い、社会に対する説明責任を果たしていきます。

シチズングループは、この環境方針に沿って環境目標を設定し、調達先や供給先などの取引先と協力して、実行、評価し、継続的改善に努めます。

この環境方針は、社外に公開されるとともに、全従業員および共に働く人々に周知されます。

シチズングループ環境ビジョン2050(2020年4月 改定)

シチズングループは、持続可能な市民社会の実現に向けて、グローバルな環境経営を推進します。

  1. 工場・オフィスからのCO₂排出量を実質ゼロにすることを目指すとともに、バリューチェーン全体でのCO₂排出量を地球温暖化が抑制できる範囲に抑えることに努め、脱炭素社会の実現に貢献します。
  2. グループ全体で、省資源化、3R、廃棄物ゼロエミッション、水資源の保全により、持続可能な資源の利用を図り、循環型社会の実現に貢献します。
  3. 有害物質排出や環境事故がない事業所として、地域社会とともに生物多様性保全を行い、安全・安心で心豊かな社会の実現に貢献します。

環境目標

環境目標について

シチズングループでは、マテリアリティのひとつである環境への取り組みについて、「シチズングループ環境ビジョン2050」、「シチズングループ環境目標2030」に基づくロードマップを設定しています。ロードマップに定めた環境への取り組みとその目標は、CO₂排出量削減や有害化学物質の削減、水資源等資源の有効利用、環境事故の防止、生物多様性保全と多岐にわたります。2022年度はコロナ禍に収束の兆しが見えるなか、環境への取り組みを継続して推進し、ほとんどの項目において設定した目標を上回る実績となりました。

シチズングループ環境目標2030(2022年2月 改定)

SDGs達成に向けたグローバルな環境経営を推進し、脱炭素社会、資源循環型社会、安心・安全で心豊かな社会の実現に貢献します。

  1. 地球温暖化対策の推進(省エネ化、再エネ化、気候変動への適応)
    温室効果ガス排出量 スコープ1、2 50.4%削減(2018年度基準)
    スコープ3 カテゴリ1+カテゴリ11の30%削減(2018年度基準)
    再エネ比率 62%(国内)
  2. 持続可能な資源の利用の推進(省資源化、3R、水資源の保全)
    再資源化率 90%
    取水量 35%削減(2018年度基準)
  3. 環境リスクマネジメントの強化、環境事故ゼロの継続
    PRTR法対象化学物質 45%削減(2018年度基準)
  4. 全事業所で自然保護活動、地域環境活動の実施
  5. サステナブルプロダクツの提供、製品含有化学物質管理の強化

シチズングループ2022年度環境目標と実績

「シチズングループ環境目標2030」の達成に向けた2021年度の環境目標と活動実績、ならびに2022年度の環境目標を下の表に示します。2021年度は全ての重点項目について目標を達成することができました。2022年度も目標達成に向けて継続して取り組みます。

ロードマップに対する進捗

シチズングループ2022年度環境目標と実績

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自己評価 〇:目標達成 △:一定の成果 ×:未達成
重点課題 2022年度目標 2022年度実績
2023年度目標 2026年度目標 2030年度目標
地球温暖化対策の推進
  • CO₂排出量
    • スコープ1、2:16.8%削減※1
    • スコープ3:10%削減※1
  • 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進
  • CO₂排出量
    • スコープ1、2:31.4%削減※1
    • スコープ3:20.0%増加※1
  • TCFD提言への賛同
  • 省エネ活動の推進
  • CO₂排出量
    • スコープ1、2:21.0%削減※1
    • スコープ3:-
  • 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進
  • CO₂排出量
    • スコープ1、2:33.6%削減※1
    • スコープ3:-
  • 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進
  • CO₂排出量
    • スコープ1、2:50.4%削減※1
    • スコープ3:カテゴリ1+カテゴリ11の30%削減※1
  • 再生可能エネルギー由来電力の調達の推進
持続可能な資源の利用の推進
  • 取水量:12%削減※1
  • 再資源化率:85%
  • 省資源化、3R活動の推進
  • 水循環の推進
  • 取水量:20.0%削減※1
  • 再資源化率:89%
  • 省資源化、3R活動の推進
  • 水循環の推進
  • 取水量:15%削減※1
  • 再資源化率:86%
  • 省資源化、3R活動の推進
  • 水循環の推進
  • 排水の水質を向上させる
  • 取水量:23%削減※1
  • 再資源化率:88%
  • 省資源化、3R活動の推進
  • 水循環の推進
  • 排水の水質を向上させる
  • 取水量:35%削減※1
  • 再資源化率:90%
  • 省資源化、3R活動の推進
  • 水循環の推進
  • 排水の水質を向上させる
環境マネジメントシステム/環境リスクマネジメントの強化
  • 環境事故件数:ゼロ継続
  • PRTR法化学物質:5%削減※1
  • 有害化学物質の削減、代替化の推進
  • 環境事故件数:11件発生※2
  • PRTR法化学物質:36.0%削減※1
  • 有害化学物質の削減、代替化の推進
×
  • 環境事故件数:前年比50%削減
  • PRTR法化学物質:8%削減※1
  • 有害化学物質の削減、代替化の推進
  • 環境事故件数:ゼロを目指す
  • PRTR法化学物質:22%削減※1
  • 有害化学物質の削減、代替化の推進
  • 環境事故件数:ゼロ継続
  • PRTR法化学物質:45%削減※1
  • 有害化学物質の削減、代替化の推進
生物多様性保全活動/地域環境活動の推進
  • 全事業所で自然保護活動・地域環境活動の実施
  • 全事業所で自然保護活動・地域環境活動の実施
  • 全事業所で自然保護活動・地域環境活動の実施
  • 全事業所で自然保護活動・地域環境活動の実施
  • 全事業所で自然保護活動・地域環境活動の実施
環境配慮型製品の提供/製品含有化学物質管理の強化
  • 環境配慮型製品の創出実施
  • 製品含有化学物質規制順守
  • 製品アセスメントの改善
  • 環境配慮型製品の創出実施
  • 製品含有化学物質規制順守
  • 製品アセスメントの改善
  • 環境配慮型製品の創出実施
  • 製品含有化学物質規制順守
  • 製品アセスメントの改善
  • 環境配慮型製品の創出実施
  • 製品含有化学物質規制順守
  • サステナブルプロダクツの提供
  • 環境配慮型製品の創出実施
  • 製品含有化学物質規制順守
  • サステナブルプロダクツの提供
  1. 2018年度基準
  2. 2022年度、環境事故の定義を見直しました。その結果、2022年度は軽微な事故も含め環境事故件数が11件となりました。しかし、敷地外に重大な影響を及ぼす事故はありませんでした。

グローバルな環境マネジメントシステムの構築

シチズングループでは、ロードマップにも掲げたグローバルな環境マネジメントシステム(EMS:Environmental Management System)の強化・統一に向けて、国際規格であるISO14001の基準を満たすEMSの構築を国内外で進めています。国内に関しては、シチズン時計が中心となり全体のEMSの方針や目標を定めており、グループの環境負荷の大半を占める製造拠点においては、全拠点を対象としたISO14001の統一認証を取得しています。海外に関しては、拠点ごとにISO14001認証の取得に取り組んでいる状況ですが、国内と同様の考え方、方針に基づいたEMSの構築を進めています。

ISO14001の維持審査にあたる2022年度はサンプリングによる審査が行われ、認証維持適合と判断されました。製造拠点以外の販売拠点等についても同様の考えに基づいた環境活動の徹底を推進しており、こうしたグループ全体の取り組みが、より実効性の高いEMSの構築に繋がっています。

気候変動リスクの特定と評価

シチズングループでは、地球規模の課題である気候変動の解決に貢献するため、環境ビジョンにおいて工場・オフィスからのCO₂排出量を実質ゼロにすることを目指しています。

その実現に向けて、2020年度は、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しました。さらに、2021年度は将来的な気温上昇の想定が異なる2つのシナリオ(1.5℃シナリオ、4℃シナリオ)を用い、TCFD提言が要請する気候変動関連のリスクと機会の特定と評価を行い、重要なリスクと機会を特定しました。

重要リスクに対しては、気温上昇が進行する4℃シナリオにおけるリスクの低減と国際的に約束した目標が達成される1.5℃シナリオの実現に向け、従来からの省エネ活動や、CO₂排出量削減や製品における環境配慮を推進しています。

2022年度は、シチズングループの温室効果ガス排出量削減目標が、科学的な根拠に基づくScience Based Targets(SBT)認定を取得しました。シチズングループのスコープ3排出量について、外部検証機関による第三者検証を受けました。

今後も、TCFD提言に沿った気候関連情報の開示の充実とともに、排出削減に向けた取り組みを進めていきます。

「サステナブルファクトリー」確立に向けた有害化学物質の削減への取り組み

「サステナブルファクトリー」の確立に向けて、PRTR法対象の有害化学物質の削減をグループ全体で推進しています。具体的には、使用量が多い対象物質を代替物質に置き換える取り組みを進めており、製造工程において最も使用量が多い1-ブロモプロパンは、重点的に代替を進めています。その他の物質についても、代替化や削減に向けた取り組みを各拠点で行い、取り組みの状況はグループ内で共有しています。

最終的に生産される製品についても、グローバル環境規制動向を踏まえた上で、製品含有化学物質規制の対象物質を設計段階から含まないことを前提とし、製造段階から生産される製品まで、化学物質の削減・排除に取り組んでいます。