シチズングループは「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念を原点に100年以上にわたり事業を展開してきました。創業101年目の2019年度からは「サステナブル経営」を掲げ、事業を通じた社会課題の解決を推進しています。「サステナブル経営」とは、単に良い製品・サービスを提供するだけでなく、バリューチェーン全体で人権や地球環境などの社会課題への配慮を含めた経営を通じ、ステークホルダーからの信頼を獲得しながら事業を拡大し、持続的な企業価値の向上を目指すものです。
シチズングループは中長期の環境変化を踏まえ、グループの強みと資本を活かし、マテリアリティに事業活動と事業基盤の両面で取り組みます。そして、社会課題を解決する社会・環境・経済価値を創造することで、市民に愛され市民に貢献するとともに、SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献を目指します。
シチズングループでは、シチズン時計の代表取締役社長を委員長とし、同社の常勤取締役、国内主要会社社長を委員とする「サステナビリティ委員会」を2020年4月に設置しました。四半期に1回開催され、主にマテリアリティに関する審議や活動状況の進捗確認、外部講師による勉強会等が行われます。委員会事務局である同社の経営企画部およびサステナビリティ推進部門は、グループ各社の同部門やマテリアリティに関連する各委員会事務局と連携し、サステナビリティ事務局会議を運営しています。これにより、各社でのサステナビリティに関する課題の検証や活動状況の進捗等を定期的に確認しています。サステナビリティ委員会の内容は、取締役会で半期に一度報告されます。
サステナビリティ委員会の下部委員会として、「グループ品質コンプライアンス委員会」「グループ人事委員会」「グループ環境委員会」「グループ持続可能な調達委員会」を設置しています。
また、サステナビリティ委員会事務局とグループ会社の経営企画部およびサステナビリティ推進部門により構成される「事務局会議」により、サステナビリティ委員会で審議された内容が、各事業の推進組織と共有される体制となっています。
更に、経営に関わるリスクを扱い、経営基盤を強固にする側面に関しては、「CITIZEN-SIRT」「グループ情報ガバナンス委員会」「グループ法務・コンプライアンス委員会」「グループ事業継続マネジメント委員会」を設置しています。これらの経営基盤に関わるリスクについて取り組む委員会は、毎月開催される経営会議の下に設置され、問題の早期発見、審議、そして迅速な対応が可能な体制を整えています。
シチズングループでは、グループ一丸となって「サステナブル経営」に取り組むため、サステナビリティ委員会事務局が中心となり、すべての従業員に向けてマテリアリティやSDGsと事業活動のつながりに関する理解の浸透を図っています。具体的には、勉強会やeラーニング、社長メッセージの発信、社内報などを通じて、従業員一人ひとりへの浸透活動に2019年度より継続的に取り組んでいます。
グループで、マテリアリティの推進を中心的に担う層を対象に社会の動向を正しく知るための講演会を開催しています。2024年度は、8月にグループの役員およびサステナビリティ担当者を対象に「気候変動への対応」に関する講演会を実施しました。また、グループ会社の全従業員向けに「化学物質管理」に関するeラーニングを実施しました。毎年6月には社内報において環境月間特集を実施しており、2024年度は「化学物質管理」に関する記事を掲載しeラーニングと併せて浸透をはかりました。また、持続可能な調達委員会では、外部講師を招いて「責任ある鉱物調達」をテーマにした勉強会を実施しました。