サステナブル経営への取り組み

「サステナブル経営」

シチズングループは、グループ中期経営ビジョン「Innovation for the next 〜時を感じ、未来に感動を〜」のもと、事業を通じた新たな価値創造に挑戦しています。その重点施策の⼀つが、「中期経営計画2021」で掲げている全グループでの「サステナブル経営」の推進です。
シチズングループは「市民に愛され市民に貢献する」という企業理念を原点に100年以上にわたり事業を展開してきました。今後も、シチズングループが世界中の人たちから必要とされ「愛される企業」となるには、社会の変化に対応した製品・サービスの創出や、それらを生み出す調達や生産プロセスへの配慮、そして、根底を支える企業姿勢も含めて社会から受け入れられる必要があると考えています。単に良い製品・サービスを提供するだけでなく、人権や地球環境などの社会課題にも配慮した経営を通じ、ステークホルダーからの信頼を獲得しながら事業を拡大し、企業価値の向上を図ること、それがシチズングループの考える「サステナブル経営」です。私たちは市民に寄り添い「愛される企業」になる為に、事業を通じてSDGs等の社会課題の解決に寄与し、次の100年間も継続していく企業を目指します。

サステナブル経営の推進体制

シチズングループでは、特定したマテリアリティの解決にも貢献しながら、サステナブルファクトリーから生み出されるサステナブルプロダクツを提供し続けるサステナブル経営を実践していくために、2020年4月に「サステナビリティ委員会」を設置しました。これは、シチズン時計の社長を委員長とし、シチズン時計の常勤取締役、事業統括会社社長を委員とする、シチズングループ全体でサステナブル経営を推進する委員会です。この委員会の事務局であるシチズン時計のCSR部門及び経営企画部は、グループ各社のCSR 担当、経営企画部およびマテリアリティに関連する各委員会事務局と共に、サステナビリティ事務局会議も運営し、各社でのサステナブルな課題の検証や活動の取り組み状況の進捗等を定期的に確認しています。各委員会および各社からの提案や報告事項は、サステナビリティ委員会に上程され審議されます。

サステナビリティ委員会

また、サステナビリティ委員会の下部委員会として、グループの品質コンプライアンスを審議する「グループ品質コンプライアンス委員会」、採用、人材育成等のほか国籍、LGBT等に関わる差別や人権についても審議する「グループ人事委員会」、環境問題全般についてグループ全体の機会やリスク、対策等を審議する「グループ環境委員会」を設置しています。「グループ持続可能な調達委員会」では、グループ全体での持続可能で責任あるサプライヤー管理体制の再整備について審議しています。
さらに、経営に関わるリスクを扱い、経営基盤を強固にする側⾯に関しては、「グループ情報ガバナンス委員会」「グループ法務・コンプライアンス委員会」「グループ事業継続マネジメント委員会」を設置しています。これらの経営基盤に関わるリスクについて取り組む委員会は、毎⽉開催される経営会議の下に設置され、問題の早期発⾒や審議、対応など即時対応が可能な体制としています。2020年度は、これらに加えて、コンピュータセキュリティインシデントへの迅速な課題解決のため、「CITZEN-SIRT」を新設しました。

サステナビリティ推進体制

サステナブルプロダクツを通じた社会課題の解決

シチズングループの「サステナブル経営」は、2030年を見据えたグローバルな社会課題であるSDGsの達成に貢献していくことが、将来の事業成長には不可欠であるという考えにもとづいています。
「サステナブル経営」を通じて、シチズングループは、2030年までにグループの各事業分野において、主要な社会課題に配慮したサステナブルプロダクツを創出していきます。シチズングループのサステナブルプロダクツは、これまでの製品の生産、使用等における環境配慮に加えて、原材料の生産や調達において、紛争鉱物への関与といった人権侵害などの社会課題に関与していないことを示しています。シチズングループでは、中核事業である時計事業と、第⼆の柱である⼯作機械事業を⽪切りに、段階的にサステナブルプロダクツの全事業への展開を図ります。

サステナブルプロダクツの考え方

時計事業
背景 不確実性の高い現代においては、時代の変化に敏感に対応し、スピード感をもって新たな技術や製品を創出していくことが求められます。その為にはパートナーシップを通じ、従来とは異なる視点を持つことで革新性を生み出すことが重要だと考えています。更に、現代においては、製品の価値のみならず、製品を作り出す過程における人権や労働問題、環境保全等に総合的に配慮した、サステナブルなものづくりが求められています。
事業ビジョン 時を通じて新たな価値と体験を創造する
シチズンの取組み 多様化するユーザーが求める機能を独自にカスタマイズできるスマートウォッチを開発していきます。株式会社ヴェルトと共同開発のIoTプラットフォーム「Riiiver」では、時計に限らず、AIスピーカーや家電を含め、様々なデバイスをつなぐことを可能とし、ユーザーそれぞれのライフスタイルをより便利にかつ快適に、面白いものへと変えていきます。シチズンでは、従前より製品の高付加価値化に取り組み、エコ・ドライブやシチズン エル等、環境や社会に配慮した製品を展開してきました。今後は更に高効率かつクリーンエネルギー源による次世代電力を搭載した、製品群を拡充していきます。シチズンのエシカルな時計を通じ、生産や資源消費に対する人々の意識を変え、社会課題解決に関わる機会を提供していきます。

工作機械事業
背景 少子化による人口減少や高齢化により、特殊技能を持つ継承者不足による事業継続の危機が深刻な問題となっています。それゆえ高度なものづくりを伝承する新たな方策が求められています。また、革新性の高い製品の創出のみならず、限りある資源の有効活用や廃棄物の削減等、環境保全を両立させることも、ものづくり企業の責任であると考えます。
事業ビジョン 世界最先端の生産革新ソリューションを創造し 「新・モノづくり企業」のポジションを確立する
シチズンの取組み 工作機械事業では、特殊技能が必要な製造工程の自動化に挑戦していきます。従来の機械では難しいとされてきた高度な技術を機械化することによって、安定した品質の確保、生産性の向上につながります。これらの取り組みを通じて将来の労働者不足に起因する技能伝承問題の解決に寄与していきます。更に、シチズンの環境配慮技術を備えた製品群を拡充し、切削加工における残材の削減技術の開発や、加工と切りくずの細分化処理を同時に行う技術の搭載により、資源使用量の削減に貢献し生産効率の向上に寄与していきます。

キャンペーンを通じた消費者啓発

シチズンエルは、2019年4月に、ソーシャルグッドキャンペーン「New TiMe, New Me」を開始しました。 初年度の2019年は、サステナブルな製品をより多くの人に知ってもらうことを目的としたタッチ・アンド・トライや、時計を大切に長く使い続けてもらう為のメンテナンス、SDGsに自分らしく取り組むきっかけを見つけるワークショップ等を実施しました。
2021年4月~6月には第2回目となるキャンペーンを展開し、スペシャルサイトで「New TiMe, New Me」の目的や取り組む活動等について発信しました。特に海洋プラスチックゴミ問題へのアクションでは、UpDRIFT™の活動に賛同し、ビーチクリーンアップで回収したペットボトルから生まれた繊維を編み込んだテキスタイルをストラップに採用したモデルを発表しました。さらにキャンペーン期間中のシチズンエルの売り上げの一部を、海洋プラスチックゴミの回収活動費として提供しました。

お客様の環境への思いをかたちに

シチズン時計は、持続可能な市民社会の実現のために長期的視野で環境問題に取り組む、「シチズングループ環境ビジョン2050」を2020年4月1日に改訂すると共に、循環型の社会と経済の実現に貢献する「シチズングループ資源循環ビジョン2050」を策定しました。これに基づき、包装資源を削減し、温暖化防止に重要な植物であるマングローブ*1の苗を寄付する『Eco Tree ACTION』を2020年11月1日より開始しました。

この取り組みは、シチズンブランドの腕時計の購入時に、ボックス(時計を入れる箱)不要を選択*2することで、国際NGO「NICE*3」を通じてマングローブの苗をカンボジアに植樹するものです。 マングローブは大気中の多くの二酸化炭素を取り込み炭素として蓄積します。不要な包装資源を削減し、マングローブを植樹することにより地球温暖化の防止に貢献します。 2020年11月1日から2021年5月31日までのボックス不要集計分として、約20,000本のマングローブを寄付しました。2021年7月現在、植樹活動は現地NGOの協力のもと着々と進められています。

*1:海水と淡水が入り交じる汽水域に生育している植物の総称
*2:紙製のボックス10,000個はCO2排出量に換算すると1.3トンに相当
*3:特定非営利活動法人 NICE(https://www.nice1.gr.jp/about/ 別ウインドウで開きます

サステナブルファクトリー

将来のサステナブルプロダクツの創出に取り組むにあたり、シチズングループではその製造プロセスにも配慮した「サステナブルファクトリー」というコンセプトを打ちだしました。これは、従来からグループの各工場で行っていた環境への配慮に加え、お取引先も含めたバリューチェーン全体を、持続可能な「ファクトリー」にしていこうという考えです。
「サステナブルファクトリー」では、従来の環境配慮だけでなく、コンプライアンスや⼈権、労働慣⾏、BCP、⽣産性向上など総合的に配慮した、持続可能な⽣産施設を整備していくことを約束しています。この「サステナブルファクトリー」から生み出される「サステナブルプロダクツ」には、様々な課題解決へのメッセージが込められ、シチズングループが、SDGsの達成や持続可能な社会の実現に積極的に貢献することを示すものとなります。
その実現には、お取引先をはじめとするバリューチェーン上で関わるステークホルダーの協力も不可欠であることから、そのようなステークホルダーとの協力や理解を求める活動も進めています。

※BCP(事業継続計画)…⼤規模災害等による事業活動への影響に備え、製品やサービスの供給を継続、または早期復旧を可能とする為、必要な体制や役割、対応⼿順等の計画を平常時に定め ること。

グループを通じた、サステナブル経営の意識の醸成

シチズングループでは、グループ⼀丸となって「サステナブル経営」に取り組む為、「サステナビリティ委員会」を中⼼として、従業員一人一人の「サステナブル経営」に対する理解や意識の醸成に向けた取り組みを推進しています。
具体的な取り組みとしては、全従業員に向け、サステナブル経営が目指す姿や、社会課題に関する理解の促進を図るため、勉強会やe-ラーニングのほか、社長メッセージの発信、社内報を通じた従業員への継続した意識浸透活動に取り組んでいます。

講演会の実施

「中期経営計画2021」で重点施策として掲げた「サステナブル経営」の遂行にあたり、グループで、SDGs の推進を中⼼となって担う層を対象に、知識と意識付けのための講演会を開催しました。2020年は、7⽉に「アフターコロナの世界、社会課題からの新たな製品・サービスの創出」をテーマに有識者をお招きし、新型コロナウイルス感染症拡大の中、今こそSDGsが求められている背景や、世界のSDGsの最新動向について学びました。更に、今後のグループ各社の具体的な施策に活かすため、⼈事や調達などの、各担当部門を対象として、⼈権や持続可能な調達などテーマごとの勉強会も、それぞれ貢献に繋がるSDGsとの関連も示しながら実施しました。