トップメッセージ

社員一人ひとりが主役である「サステナブル経営」

シチズングループが目指す「サステナブル経営」を概念図に表すと、一番下に社長とし、役員、幹部、社員、商品・サービスとメッセージというプロセスを経て、トップには「全世界の人々」を置いた構図となります。私たちがメッセージを込めた製品の先には、世界中の市民がいることを、社員一人ひとりが常に意識し、社会と環境に貢献することを目指してもらいたいと考えており、今後も社員とのコミュニケーションやディスカッションを積極的に行っていきます。直近では、若手社員が先頭となり、シチズンブランドの再定義(リブランディング)を目指したプロジェクトが始動するなど、新たな風が吹きつつあります。
私たちの「サステナブル経営」は始まったばかりですが、新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の拡大による社会の変容は、組織の在り方や提供する価値を見直す機会となり、多くのことを学ぶきっかけともなりました。本来、サステナブルな経営とは、社会課題の変化に対してフレキシブルに対応できる経営であると考えています。コロナ禍を経験した我々が先ず考えるべきことは、「いかにお客様に価値を繋げていくか」ですが、大前提として人権や地球環境に最大限配慮した上で、シチズングループ全体で、経済や事業の在り方等にイノベーションを起こしていくことが、これからの経営には必要であると考えています。

新型コロナの拡大が与えた影響ともたらした変化

2020 年は、新型コロナの拡大により人々の行動や意識が大きく変容した1年でした。シチズングループにおいても、全世界的な経済活動の停滞やお客様の消費行動の変化等により大きな影響を受けました。
例えば、時計事業は特に大きな打撃を受けましたが、人々のライフスタイルの中で、腕に時計を着ける価値がなくなったわけではありません。コロナ禍での行動制限の中、ECサイトの利用は大変多くなっています。また、工作機械事業では競合他社の伸長も見込まれる中、シチズンの独自技術を訴求することで回復基調が鮮明となっており、自動車の金属加工部品事業でも、企業としての歩みを止めることはありませんでした。建築に関連するLED照明等の設備投資系は、いまだ厳しい状況が続いていますが、これまで小規模だった体温計や血圧計等の健康機器は、コロナ禍において「健康」という価値の提供に繋がり、右肩上がりに需要が伸びることになりました。
社会や人々の行動の変化に応じた価値を提供し続けていくことが、シチズングループの根底にある精神であり、企業理念である「市民に愛され市民に貢献する」を具現化し、「サステナブル経営」に繋がると考えています。

循環型社会における「サステナブルファクトリー」と「サステナブルプロダクツ」

新型コロナの拡大が社会にもたらしたインパクトは甚大ですが、同様にインパクトが大きいものを考えると、意識しなくてはならないのは環境課題です。企業が今後も環境負荷の大きい事業活動を継続すれば、社会や人類の存続に対して不可逆的な影響を与えることにもなりかねません。一人ひとりの生き方から企業、更に社会全体の経済の在り方まで、未来に何を残していくかを真剣に考え行動しなければ、人類は存続できないと考えています。
日本は「2050 年カーボンニュートラル」を宣言しましたが、シチズングループにおいても、2050 年を目標年とした「シチズングループ環境ビジョン2050」を策定しており、2020 年度は気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しました。「シチズングループ環境ビジョン2050」で掲げる脱炭素社会と循環型社会の実現には、私たちだけでなく、お取引先様も含めたステークホルダーとの関係性によるエコシステムという考えや、循環型社会の発想を持つ必要があります。
一例として、中核である時計事業においては、製品のライフサイクルにおける環境負荷削減はもちろん、子どもや孫世代まで引き継ぎたくなるような時計を提供することも、サステナブルなライフスタイルを志向している方にとって、非常に大きな価値になると考えています。もし壊れたとしても、修理して同じ機能・価値を保つことができるものづくりは循環型社会にも繋がります。
また、工作機械事業においても、循環型社会に移行・対応していくための技術開発をすすめ、お客様の要望をかなえる性能を持った製品の開発を通じて、お客様に対して新たな価値を提供しています。
私たちは、お取引様を含むバリューチェーン全体で、環境への配慮のほか、コンプライアンスや人権、労働慣行等に配慮した持続可能なものづくりを行う生産施設の整備を目指しており、これを「サステナブルファクトリー」と呼んでいます。この「サステナブルファクトリー」から生産される「サステナブルプロダクツ」は、「技術のシチズン」として従来から提供してきた環境配慮型や長寿命型の製品づくりはもちろんのこと、部品の原料調達や製造工程において、原材料の取引がクリーンであり、製造現場で働く人の労働環境にも配慮しているといった、更なる付加価値や課題解決のメッセージを込めたものです。
急速に変化する社会のニーズを念頭に置きながら、シチズングループの「サステナブルプロダクツ」が提供する価値は何であるかを絶えず考え、それを生産していくためのプロセスづくりを進めています。

「サステナブル経営」の今後

シチズングループは、2018年に創業100 周年を迎えましたが、「サステナブル経営」の推進は、シチズングループがこれからの100 年も続く企業になるための大きな柱になると考えています。今後は、「サステナブル経営」に関する議論をより深め、事業とESG(環境・社会・ガバナンス)の更なる一体化を図っていきます。
シチズングループでは、企業理念「市民に愛され市民に貢献する」を具現化するため、絶えず変化していく社会の中で新たな価値を提供し続けることで、地球規模の視野を持った「サステナブル経営」の実現を目指していきます。