トップメッセージ

次の100年を見据えた事業成長の実現に向け、SDGs達成への貢献を通じ、新たな価値の創造に挑戦していきます。

多様化するお客様への「心の価値の提供」を念頭に、サステナブル経営を推進していきます。

シチズングループでは、2018年の創業100周年を機に、これからの100年も続く企業となるための大きな柱として、2019年に、新たに「サステナブル経営」を始動しました。これには、急速かつ確実に変化している現在の経済や社会情勢、地球環境の中、我々自身が意思を持って革新を起こし、イノベーティブなことを実践していくという方向性を明確にしていきたいという想いがあります。そしてそのためには、当グループの企業理念「市民に愛され市民に貢献する」にある「市民」を、「世界の総人口78億人のすべての人々」と見なして、ジェンダーや居住地域、経済的格差なども含め、多様性への理解を深め、許容し合あうことの大切さを認識し、世界の「誰」に対する価値の提供が必要なのかを考え、日々の活動に浸透させていくことが重要だと考えています。
例えば、中核である時計事業では、時計を購入いただくことでお客様と繋がることができ、我々はお客様の生活シーンや心の充足といった「心の価値提供」の一翼を担うことができます。「心の価値提供」のためには、事業活動における価値の生み出し方が重要になります。我々は、ESG※1課題の解決やSDGsの達成に貢献することで、価値を生み出します。お客様は、消費という行動を通して我々の取り組みをサポートしてくださる。このようにして持続可能なサイクルが生まれることになります。
このようなシチズングループが存在していく価値や意義を、従業員一人ひとりが自分事として考え確実に向き合っていくためには、企業や事業の価値と、従業員の働く価値や目的とが合致していることが必要です。私たちがつくっているのは「お客様の価値である」との考えを根底に置くことに加えて、消費者の皆さまが「シチズン」と聞いた時に、どのような企業でどのような製品を生み出しているのかを、正確に思い出していただけるための努力をする必要があります。そのために、日頃からシチズンブランドを懇切丁寧に発信していくために、ブランディング強化に向けた体制づくりも行っています。こうしたことが、今後当グループの「サステナブル経営」の質を高めていくことに繋がると考えています。

「サステナブルファクトリー」と「サステナブルプロダクツ」の一連のサイクルの構築が重要です。

我々はこれまで、「技術のシチズン」と自負してきましたが、その技術の価値は、「サステナブル経営」のもとで新たに裏打ちされていく必要があると思っています。このため、「サステナブルプロダクツ」と「サステナブルファクトリー」の考え方を掲げています。
「サステナブルファクトリー」は、お取引先も含めたバリューチェーン全体を持続可能な「ファクトリー」にしていこうという取り組みです。従来からの取り組みでもある環境への配慮だけでなく、コンプライアンスや人権、労働慣行、生産性向上、BCP※2などに総合的に配慮した持続可能な生産施設の整備を目指しています。その「サステナブルファクトリー」から生産された「サステナブルプロダクツ」は、従来の「技術のシチズン」が誇る環境配慮型や長寿命製品などに加え、新たな課題解決のメッセージが込められ生産されており、これらを提供する一連のプロセス構築が一番大切になります。SDGs 達成等、持続可能な社会に積極的に貢献していくため、本取り組みを進めています。

ROEを重視した企業経営を行い、社会課題の解決に果敢にチャレンジしていきます。

就任1年目の2019年度は非常に重要なフェーズであり、多くの領域でこれまでの有り方の検証を行いました。シチズングループが掲げているマテリアリティ(重要課題)の中でも、コーポレート・ガバナンスの強化は非常に重要で、この領域の再整備は、今後の「サステナブル経営」の方向性を築く上では不可欠です。2020年4月に「サステナビリティ委員会」を新たに設置し、推進体制全体を刷新したのも、その一環です。現在、サステナビリティ委員会は経営会議に結び付けていますが、そこで能動的・機動的に審議された事案は、すぐに取締役会に報告されます。こうした新たな体制にもとづき、社員の意識改革やステークホルダーとの関係性の強化も行っていきます。
更に2020年度は、資産、資本、収益の効率性評価の観点から「ROE※3の軸」と「ESG課題解決の軸」、そして「技術を含めた様々なイノベーションの軸」、この三つの軸を基本として取り組みを進めます。企業理念「市民に愛され市民に貢献する」の「市民への貢献」は、SDGsの17のすべての目標に関係します。私たちはこの企業理念の原点に立ち返り、「顧客への新たな価値の提供」を通じ更なる企業価値向上に努めてまいります。

  • ※1 ESG:(環境Environment、社会Social、ガバナンスGovernance)の頭文字を取った言葉
  • ※2 BCP(事業継続計画):大規模災害等による事業活動への影響に備え、製品やサービスの供給を継続、または早期復旧を可能とするため、必要な体制や役割、対応手順等の計画を平常時に定めること
  • ※3 ROE(Return on Equity):財務分析の指標

2020年7月
シチズン時計株式会社
代表取締役社長
戸倉 敏夫