中期経営計画2024では、「豊かな未来(とき)をつなぐ」という、シチズングループビジョン2030を策定し、この実現を見据えて、積極的な投資を図り、成⾧基盤を構築することを目標といたしました。中期経営計画2027では、これまでの3年間で構築した成⾧基盤を活かし、各事業のさらなる成⾧と発展を図り、収益力のより一層の向上に取り組んでまいります。
中期経営計画2024の振り返り
時計事業は、北米・欧州市場を継続して伸⾧させることができたほか、国内市場の回復もあり、3年連続で増収を見込んでおります。
また、営業利益率も10%を超える高い水準で推移いたしました。
工作機械事業は、調整局面の中、中期経営計画2024 期間中に生産能力の増強など、着実に事業基盤の構築を進めてまいりました。
デバイス事業は、中国経済の影響や自動車部品の市場低迷も受け、今期は苦戦しておりますが、収益性の改善に取り組んでおります。
電子機器他事業は、フォトプリンターが堅調な需要により好調に推移いたしました。
事業ポートフォリオ
時計事業と工作機械事業をグループ成⾧を牽引するコア事業と位置づけ、リソースの戦略的な投資によるさらなる成⾧と発展を目指すとともに、利益率と資本効率性の向上に注力し、持続的な企業価値向上の実現を目指します。
時計事業では、売上高1,900億円を目標に、ブランド提供価値の向上を図ることで、事業成⾧と収益力強化を目指します。工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向けて、“製販イノベーション”の真価を発揮することで、グローバル市場での拡販・顧客開拓を推進いたします。
デバイス事業は、製品の選択と集中を進め、成⾧が見込まれる事業への資源投入を強化することで、安定的に拡大する収益性の高い事業へと進化を進めます。
なお、2025年度からのデバイス事業はデバイスと電子機器を1つのセグメントへ集約し、売上高目標は700億円といたします。
数値目標
数値目標は、売上高3,600億円。営業利益率9.0%。ROE9.0%以上です。
中期経営計画2024で構築した成⾧基盤により、事業のさらなる成⾧と発展を図り、収益力を向上させることを基本方針といたします。
今後も引き続き、事業成⾧・企業価値の最大化を図るための取り組みを進めてまいります。
時計事業
時計事業は、「ブランド価値向上による事業成⾧と収益力強化」を方針とし、2027年度の財務目標は、売上高1,900億円、営業利益率12.0%としております。
重点戦略は「グローバル戦略によるブランド提供価値向上」、「北米市場でのさらなる取り組み強化」、「高付加価値製品を実現するムーブメント開発」の3つです。
工作機械事業
工作機械事業は、売上高1,000億円の実現に向け、製販イノベーションの真価を発揮し、2027年度の財務目標は、売上高1,000億円、営業利益率15%としています。
重点戦略は、「売上高1,000億円に向けた地域別戦略」、「ミヤノブランド(中・大型機)のグローバル販売戦略の推進」、「顧客価値の創造によるシェア拡大」の3つです。
キャッシュアロケーション
キャッシュインは、営業キャッシュフローで約950億円を予定しており、引き続き保有資産の最適化にも取り組んでまいります。
キャッシュアウトにおける成長・合理化投資は、中期経営計画2024を超える投資規模を予定しており、継続的な成長投資を行ってまいります。
投資の内訳は時計事業と工作機械事業、そしてDX投資の大きく3つで、全投資額のうち7割以上はコア事業となる予定ですが、中期経営計画2024で工作機械の設備投資は一段落しましたので、中期経営計画2027では時計事業の成長・合理化投資を重点的に行う予定です。
サステナブル経営
マテリアリティに対する主な目標指標です。
CO2排出量削減率は、スコープ1(ワン)、スコープ2(ツー)に加え、スコープ3(スリー)の目標を新たに設定いたします。社会課題の解決に貢献し、事業成⾧に寄与する製品・サービスであるサステナブルプロダクツは、グループ連結売上に占める、売上比率を新たに設定いたします。また、女性管理職比率の目標も、今回新たに設定いたしました。
今後も新たな開示要請へは順次対応していく予定です。