2020年10月21日

シチズンマシナリー株式会社(本社:長野県北佐久郡御代田町、社長:中島 圭一)は、主軸台移動形自動旋盤の長年の課題である「残材」を解決する「残材削減機能」を搭載した主軸台移動形CNC自動旋盤シンコム「L32」を2020年11月2日より販売開始します。

主軸台移動形CNC自動旋盤シンコム「L32」 残材削減機能搭載機
発売日 2020年11月2日
月産予定台数 5台

主軸台移動形自動旋盤では、材料をつかむ主軸チャック部と、切削点を保持するガイドブッシュ間の材料が切削できずに長く残ってしまう「残材」が課題とされてきました。これを解決すべく、新製品主軸台移動形CNC旋盤シンコム「L32」は、新たに開発された「残材削減機能」を搭載しました。

「残材削減機能」とは、シチズンが独自に開発した「摩擦接合技術」(※摩擦熱で材料を軟化させ、さらに強い圧力を加えることで材料同士を接合させる技術)を用い、接合クランプ装置で把持(しっかりと材料がつかまれた状態)された残材と、次に供給される新材を接合させるものです。

機能搭載に合わせ、材料を強固に把持することができる接合クランプ装置を新たに開発。これにより、摩擦接合時に材料滑りのない最適な接合圧力が付加でき、高度な接合品質を実現しました。

摩擦接合の様子
左側が残材、右側が新材

本機能により、従来の200㎜~300㎜ほどの残材を5分の1程度にまで短縮することが可能となり、材料を最大限に有効活用することで、環境負荷の低減や特に高付加価値材の加工でのコスト削減に大きく貢献します。

「摩擦接合技術」は、JIMTOF2018に参考出展して以来、医療や自動車産業をはじめとするあらゆる分野のお客さまから大きな反響をいただいておりましたが、このたび「残材削減機能」として製品化を実現しました。

今後は対応機種の追加やグローバル市場への展開も予定しています。

摩擦接合の原理と特長

原理

摩擦熱により材料を軟化させ、さらに強い圧力を加えることにより材料同士を接合させる。

特長

  • 接合部の強度と接合の繰り返し精度が高い
  • 短時間で接合が完了するため生産性が高い
  • 材料コストやエネルギー(環境負荷)の低減に貢献できる

L32 接合クランプ装置仕様

搭載可能モデル L32-1M VIII, L32-1M IX, L32-1M X, L32-1M XII
最大接合径 φ25mm
接合可能最大残材長 325mm
チャック形式 FC925-M
最大チャック耐推力 10kN
搭載位置 T23 (対向刃物台)

参考資料 「CincomL32」について

主軸台移動形CNC自動旋盤「Cincom L32」は、加工ニーズに合わせて最適な機能を自由に組み合わせることができる最新のモジュラーデザインを採用したベストセラー機。

L32の主な特長

1. モジュラーデザインの導入により、最適な仕様を実現

組み合わせ可能な機能モジュールと多彩なツーリング
VIII型 IX型 X型 XII型
B軸(くし刃回転工具) - -
Y2軸(背面刃物台Y軸) - -
対向刃物台回転工具 OP OP OP OP
背面刃物台回転工具 OP OP

2. 単純加工から複雑加工まで柔軟に対応

【L32 ⅩⅡ型の稼働軸構成図(B,Y2軸付き)】ⅩⅡ型では、くし刃刃物台にB軸を、背面刃物台にY2軸を搭載。

3. ガイドブッシュ式とガイドブッシュレス式の切り替えが容易でランニングコストを低減

主な仕様

型式 L32 VIII L32 IX L32 X L32 XII
最大加工径 φ32㎜
最大加工長 GB軸 320㎜/チャック
GBL軸 ワーク径×2.5/チャック
主軸回転数 Max.8,000min-1
早送り速度 X1軸 32m/min
X2軸 32m/min
Y1軸 32m/min
Y2軸 - 24m/min
Z1軸 32m/min
Z2軸 32m/min
ツール取付本数 MAX.30本 MAX.36本 MAX.44本 MAX.40本
ツールサイズ バイト □16mm
電動機 主軸ドライブ用 3.7/7.5kW
くし刃回転工具主軸ドライブ用 1.0kW
背面主軸ドライブ用 2.2/3.7kW
対向回転工具主軸ドライブ用 1.0kW 注) 全型式ともOP
背面刃物台主軸ドライブ用 OP 1.0kW
重量 2,850kg 2,900kg

お問い合わせ

報道関係の方のお問い合わせ先
シチズンマシナリー株式会社 経営企画部
TEL 0267-32-5911
シチズン時計株式会社
広報IR室
TEL 042-466-1232(直)
製品に関するお問い合わせ先
シチズンマシナリー株式会社 営業本部
TEL 0267-32-5901(直)

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