2026年2月27日
シチズン電子株式会社

高精度3軸検出対応型「磁気センサースイッチ」を開発
ユーザーインターフェース領域で、新たな価値を提供

シチズン電子株式会社(本社:山梨県富士吉田市、社長:渡邊 昭)は、磁気センサーとタクティルスイッチを一体化させ、押し圧や移動量を検知する「磁気センサースイッチ(FS3020 / FS3030)」を開発しました。
本製品は、2026年3月からサンプル出荷を開始し、2026年度中の量産開始を予定しています。

市場背景と期待

モバイル端末やウェアラブル機器市場の急速な拡大と共に、スイッチやセンサーなどの電子部品には、高精度・小型・低消費電力といった基本性能の進化に加え、「多機能化」が強く求められています。VRやARの市場においては、振動や押した感覚などユーザー体験を向上させるための操作デバイスの革新が、今後ますます不可欠となると思われ、磁気センサースイッチは、こうした市場ニーズに応えるだけでなく、産業機器や車載機器のデジタル化・IoT化にも貢献します。

操作デバイスの市場規模は拡大傾向にあり、今後、ゲームコントローラやスマートウオッチ、VRヘッドセットなどのユーザーインターフェースの進化とともに、当社の技術を通じて、さまざまな分野へ新たな価値を発信していくことを目指します。

磁気センサースイッチの特長

一般的な磁気センサーは、物理的な接点がなく、スイッチを押したときの「押下」感覚が乏しく、ユーザーの体験を損なうことが課題でした。その磁気センサーと、当社が得意とする、スマートフォンやスマートウオッチなどで使用されている押した際に「クリック感」を感じられるタクティルスイッチと組み合わせることで、従来のスイッチやセンサーでは体感することが難しかった「高精度な押下検知」と「心地よいクリック感」の両立を実現しました。

本製品は、内部に配置された磁石の動きで押し圧や移動量をリアルタイムにセンシングし、バネ構造により、操作が終わった際の確かなクリック感を実現しました。これにより、VRやウェアラブル機器などでは、押下量に応じた速度調整や、選択と決定を同一ボタンで行うなど、1キーへの複数機能付与を可能にし、直感的な操作が求められる分野で、ユーザーに自然で快適な操作感を提供します。また、押下検知とクリック感を一体化したパッケージとすることで、ユーザーの操作性が向上するだけではなく、組み立て工程が大幅に簡素化され、品質の安定化にもつながります。

技術的優位性

従来の圧力センサーでは、加圧時と減圧時で出力差が生じる「ヒステリシス」が大きな課題でした。例えば電子ペンにおいては、加圧時の出力値と減圧時の出力値が一致しないため、同じ圧力でも異なる筆圧データが記録され、線の太さや濃淡が不自然になる課題がありました。本製品は、タクティルバネの反力を利用する独自構造と磁場変化検出技術により、この課題を根本的に解決。さらに、I²C※対応のデジタル信号出力を備え、システムへの組み込みが容易なことに加え、低消費電力設計によりバッテリー駆動機器にも最適です。結果として、ユーザーは高精度かつ安定した操作感を得られ、メーカーは製品の信頼性と付加価値を高めることができます。
※I²C(Inter-Integrated Circuit):マイコンやセンサー間でデータをやり取りするためのシリアル通信規格

用途例

VRヘッドセットの操作ボタン、スマートウオッチの感圧操作、ゲームコントローラの高精度入力、 ロボットハンドの触覚センサー、車載スイッチ(サンルーフ開閉など)

事業戦略(領域拡大)

シチズン電子では、本製品を単なる新製品ではなく、今後の事業領域拡大の中核と位置付けており、戦略的な第一歩を踏み出しました。従来得意とするタクティルスイッチにセンシング機能を付加することで、産業機器、自動車分野、医療機器、IoTデバイスなど、多様な市場への展開・活用が可能になります。

研究開発体制の強化と積極的な投資を進め、さらに、国内外のパートナーとの連携や最先端技術の導入を通じて、顧客価値創出に向けた製品開発に取り組みます。

製品概要

製品シリーズ FS3020 FS3030
外観
サイズ 3.0×2.0×t1.85[mm] 8.0×8.0×t2.5[mm]
操作荷重 2.4[N] 0.6[N]
ストローク 0.12[mm] 0.35[mm]
動作電圧 1.8[V]
消費電流 21.1[μA](@20Hz)
インターフェース I2C
リフロー実装 対応可能

※本リリースの内容は発表日時点の情報です。製品仕様・発売日等は変更になる場合があります。

お問い合わせ

製品についてのお問合せ先
シチズン電子株式会社
第二製品開発部 先行開発課
TEL 0555-23-4171(直)

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