すべりスライドに「LFV技術」を初搭載したMiyano「BNA42SY」を発売
LFV技術搭載機を12機種に拡大
シチズンマシナリー株式会社(本社:長野県北佐久郡御代田町、社長:中島 圭一)は、切りくずに関するさまざまな課題解決を実現する独自技術のLFV(低周波振動切削)技術をすべりスライドに初めて搭載した、主軸台固定形CNC自動旋盤Miyano「BNA42SY」を2022年12月より販売開始します。また本製品は、2022年11月8日より開始される「JIMTOF2022」に出展します。
主軸台固定形CNC自動旋盤Miyano「BNA42SY」LFV技術搭載機
■発売日:2022年12月
■月産予定台数:10台
Miyano「BNA42SY」は、複合加工が可能な2主軸1タレット刃物台の機械構成で、ベースとタレットの剛性を高め安定生産を可能としたベストセラー機です。全軸にすべりスライドを採用しており、今回タレット刃物台にLFV技術を搭載することにより、インコネルや難削ステンレスなどの加工機に剛性が求められるような被削材においても、切りくずに関するさまざまな課題解決が可能となり、お客さまのより安定した生産に寄与します。
すべりスライドは、摺動面同士が油膜を介して接触しており、接触面が大きく、剛性が高いという特長がありますが、振動がすべりスライドに与える影響の検証及びその課題解決に十分な時間をかけて行ったことで、この度、すべりスライドへのLFV技術搭載を実現しました。

LFV技術搭載機は12機種へ拡大、今後順次拡充
2013年の発売開始以降、2016年には主軸台移動形自動旋盤のロングセラー機種であるCincom 「L20」にLFV技術を搭載、2021年には主軸台固定形自動旋盤のMiyano「ANX42SYY」でタレット刃物台に初めてLFV技術を搭載しました。今回、すべりスライド機構をもつMiyano「BNA42SY」にLFV技術を搭載することで搭載機種は12機種となります。
今回、お客さまから強いご要望をいただいていたすべりスライドへのLFV技術搭載が実現したことで、今後は更なるLFV搭載機の拡充を進めていきます。
※すべりスライドとは:自動旋盤の摺動面機構(機械をすべらせながら動かす機構)には、大きく「すべりスライド」と「転がりスライド」の2つがある。「すべりスライド」は、摺動面同士が油膜を介して接触しており、接触面が大きく、剛性が高いことが利点。「転がりスライド」は、摺動面機構にリニアガイドやローラーガイドを使用しており、転がりにより動作するため、応答性、動作性に優れることが利点。
LFV技術について
・LFV技術とは
シチズン独自の制御技術により、サーボ軸を主軸回転と同期しながら切削方向に振動挙動させ、切削中に刃物のあたらない「空振り」する時間を設けることで切りくずを分断させる加工技術です。
・LFV技術の効果
- ①小径深穴加工の効率向上
- ②切りくずが長くなりやすい難削材旋削加工においても切りくずが細かく分断できる
- ③ワーク表面への傷防止
- ④切りくず容量の大幅縮小
- ⑤長時間高精度加工の実現
- ※LFVはシチズン時計株式会社の登録商標です。

(材料:SUS304)
左:従来の切削による切りくず
右:LFV技術による切りくず
参考資料Miyano「BNA42SY」について
主軸台固定形CNC自動旋盤Miyano「BNA42SY」は、省スペースでありながら、ベースとタレットの剛性を高めた2スピンドル1タレットで複合加工が可能なベストセラー機。
BNA42SYの主な特長
- 1. ベースとタレット剛性を向上
重量を増量した新設計のベースと全軸にすべりスライドを採用することで剛性を高めています。 -
- 2. Y軸付12ステーションタレットと左右同時加工で高能率化と複合加工を実現
ツール取付数が12ステーションタレットあるY軸付タレット刃物台と正面主軸の加工に、背面主軸が追従して加工を行う重畳加工をはじめ、正面・背面主軸の左右同時加工により、加工時間短縮など高能率化のほか、複合加工を実現しています。
- 3. 全ステーションに回転工具取付可能で多機能性能が向上
12ステーション全てに回転工具を取付できるため、多機能加工性能が向上しています。 -
主な仕様
型式 | BNA42SY | |
---|---|---|
正面主軸最大加工径 | コレット | Φ42㎜ |
パワーチャック | 6インチ | |
最大加工長 | 100㎜ | |
主軸回転数 | Max.6,000min-1 | |
背面主軸最大チャック径 | コレット | Φ34㎜ |
パワーチャック | 4インチ | |
背面主軸回転数 | Max.5,000min-1 | |
軸ストローク(移動量) | X軸 | 140mm |
Y軸 | 70mm(+35mm/-35mm) | |
Z軸 | 285mm | |
ツール取付面数 | 12st(1タレット) | |
回転工具取付本数 | Max. 12 | |
回転工具最大穴あけ径 | Φ10㎜ | |
回転工具最大ネジ立径(切削タップ) | M8 | |
ツールサイズ | バイト | □20mm |
スリーブ | φ25mm | |
電動機 | 主軸ドライブ用 | 11/7.5kW/5.5kW(15%/15min/cont.) |
背面主軸ドライブ用 | 5.5/3.7kW(15min/cont.) | |
回転工具ドライブ用 | 2.8/1.0kW | |
所要床面積 | W2,350 × D1,433mm | |
質量 | 3,650kg |
お問い合わせ
- 報道関係の方のお問い合わせ先
- シチズンマシナリー株式会社 経営企画部
TEL 0267-32-5911(直) - シチズン時計株式会社 広報IR室
TEL 042-466-1232(直)
- 製品に関するお問い合わせ先
- シチズンマシナリー株式会社 営業本部
TEL 0267-32-5901(直)