2022年4月7日
シチズン電子株式会社

殺菌用 高出力深紫外(UVC) LEDアセンブリ製品を開発
新型コロナウイルス99.99%の不活化効果を確認

シチズン電子株式会社(本社:山梨県富士吉田市 社長:関口金孝)は、殺菌効率が高いと言われる265nmのピーク発光波長を有する高出力深紫外(UVC)LEDを搭載した『殺菌用 高出力UVC LEDアセンブリ製品』(以下、UVC LEDアセンブリ製品)を開発、2022年4月中旬より量産出荷を開始します。

殺菌用 高出力UVC LEDアセンブリ製品 ラインアップ

製品名

UVM001

UVM003(6灯タイプ)

サイズ

W42×L27×H10mm

W200×L30×H43.5mm

配光角

狭角 / 中角 / 広角

狭角 / 中角

正面中心照度 ※1

0.115mW/cm²

0.027mW/cm²

※1:中角配光、定格駆動、距離10cm(UVM001)、距離50cm(UVM003)時の参考値

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、殺菌の需要が高まっています。当社は、新型コロナウイルス感染抑制に向けた表面殺菌、空気殺菌に加え、安全な水の提供に向けた水殺菌にも利用可能な、殺菌効率が高い265nm高出力深紫外(UVC)LEDを搭載したアセンブリ製品を開発しました。

UVC LEDが1灯タイプ、6灯タイプの2製品ラインアップすることで、様々な用途で使用が可能であり、すでに業務用空調システムや空気清浄機などへの採用が決定しております。

特長

1.高反射リフレクタを採用することで、殺菌エリアを均一照射し効率的な殺菌が可能

2.殺菌効率の高い265nmの高出力深紫外(UVC)LEDを搭載

3.水銀含有課題がある殺菌灯の置き換えを可能とした高出力アセンブリ製品

4.防塵・防水機能(IP54相当)により様々な環境下での使用が可能 ※UVM001のみ

本製品は、藤田医科大学(医学部 ウイルス・寄生虫学 河本准教授)と共同で新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化効果の評価を行い、UVC LED単体ではなくアセンブリ製品として高い有効性があることを確認いたしました。(試験①)

当社UVC LEDアセンブリ製品は、これまでLED開発で培った実装技術、光学技術を応用し、殺菌効果の高い265nmの波長に加え対象物に最適な配光を実現し、近距離の5cmで広範囲をわずか10秒で99.9%、20秒で99.99%のウイルス不活化効果を確認しました。これにより器具の小型化を実現し短時間で広範囲の殺菌が可能となります。さらに不活化に必要な照射量が4.73mJ/ cm²であることを確認したことにより、殺菌器具の設計に不可欠な照射量を目的に応じて適切に設定することができます。

また、当社UVC LEDアセンブリ製品は265nmをピーク波長に持つ高出力UVC LEDを搭載していますが、275nmをピーク波長にもつLEDに置き換えピーク波長の違いによる効果比較検証を実施した結果、当社UVC LEDアセンブリ製品が使用するピーク波長265nm LEDの方がより短時間(約半分の時間)でウイルス不活化の効果が得られることを確認いたしました。(試験②)

新型コロナウイルス不活化評価試験の概要

試験①:新型コロナウイルス不活化試験

試験の概要・結果

・方法:

5cm/15cmの距離からUVC光を照射しTCID50測定法により不活化時間を測定。

5cm/15cmのUVC照度はそれぞれ0.4730mw/ cm2、0.0518 mw/ cm²であった。

・結果:

5㎝の距離では10秒で99.9%、20秒で99.99%の不活化を確認した。

15cmの距離では100秒で99.9%、200秒で99.99%の不活化を確認した。

99.9%の不活化に必要な照射量は4.73mJ/ cm²であった。

99.99%の不活化に必要な照射量は9.46mJ/ cm²であった。

図1 ウイルス感染価の試験結果

99.9%

99.99%

5cm

10秒

20秒

15cm

100秒

200秒

表1 UVM001の各照射距離における不活化時間

99.9%

99.99%

不活化照射量

4.73mJ/cm²

9.46mJ/cm²

表2 不活化に必要な照射量

試験②:異なるピーク波長を持つLEDを使用した新型コロナウイルス不活化比較試験

試験の概要・結果

・方法:

20cmの距離から265nmと275nmのUVC光をそれぞれ照射しTCID50測定法により不活化時間を測定。UVC照度はどちらも0.025mw/ cm²になるように駆動条件を設定した。

・結果:

波長265nmは20cmの距離から300秒照射し99.99%の不活化を確認。照射量は7.5mJ/cm²であった。

波長275nmは20cmの距離から600秒照射し99.99%の不活化を確認。照射量は15.0mJ/cm²であった。

当社が使用するピーク波長265nm LEDの方がより短時間(約半分の時間)でウイルス不活化の効果が得られることを確認した。

図2 ウイルス感染価の試験結果

265nm

275nm

99.99%不活化

300秒

600秒

照射量

7.5mJ/cm²

15.0mJ/cm²

図3 照射距離20cmにおける不活化時間と照射量

紫外線照射前のウイルスに感染させた細胞

図3 著しい細胞傷害性が認められる

紫外線照射後のウイルスに感染させた細胞

図4 細胞傷害性は認められない
=ウイルスの不活化

試験風景

※藤田医科大学について

藤田医科大学は新型コロナウイルス感染症に関する研究開発に積極的に取り組んでいます。2020年2月のダイヤモンド・プリンセス号船内での感染拡大においては、乗員・乗客の受け入れを経験し「藤田モデル」と呼ばれる感染拡大防止の先駆的事例を国内の医療施設などに情報提供しました。

※本リリースの内容は発表日時点の情報です。商品のデザイン及び、発売日、スペックなどは、一部変更になる場合があります。

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