2026年10月8日
シチズンマシナリー株式会社

電流値の分析・学習で工具状態の変化を自動で検知
工具監視ソフトウェア「ツールモニタープラス」を発売
工具交換の判断を支援し、安定生産と技能継承に貢献

シチズンマシナリー株式会社(本社:長野県北佐久郡御代田町、社長:伊奈 秀雄)は、CNC自動旋盤の加工中に得られるモーター電流値を分析し、工具の破損や摩耗などの状態変化を監視するソフトウェア「ツールモニタープラス」を発売します。本製品は、2026年10月26日~31日に東京ビッグサイトで開催される「第33回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2026)」に出展し、10月26日より受注を開始します。

「ツールモニタープラス」は、加工中の各モーター軸の電流値から複数の特徴量を算出し、運用時に設定した基準値を外れた場合にアラームを発して工具状態の変化を知らせるシステムです。従来の最大電流値だけでは捉えにくかった加工負荷の変化を数値化し、工具状態の変化を継続的に捉えることが可能になりました。

工具状態を数値として把握することで、熟練者の経験やノウハウに基づいて行われてきた工具交換時期の判断を支援します。また、工具状態を継続的に把握することで、安定生産にも寄与します。
追加のセンサーや専用計測装置、パソコンなどの外部装置を必要とせず、対応する既存機へのソフトウェアのインストールで導入可能で、設備構成を大きく変更することなく、工具監視を導入できます。

工具監視ソフトウェア「ツールモニタープラス」

受注開始 2026年10月26日
対応機種 Cincom L20、L32(Windows搭載機のみ)
必要なNCオプション 工具寿命管理Ⅰ
提供形態 ソフトウェアインストール
後付け対応 可能

※本リリースの内容は発表日時点の情報です。商品の価格、発売日、スペックなどは一部変更になる場合があります。

開発の背景

製造現場では、加工時間や加工個数に加え、熟練者が加工音や加工状態、寸法変化などを確認しながら、経験に基づいて工具の摩耗状態や交換時期を判断することが一般的です。こうした技能は安定生産を支える一方、判断基準を他の作業者へ共有することが難しく、技術継承や人材不足への対応が課題となっています。

また、工具の状態が十分に把握できない場合、安全を見込んで工具を早期に交換すると工具費の増加につながる一方、交換が遅れると工具破損やワーク不良を引き起こすリスクがあります。そのため、工具の状態を定量的に把握し、適切な交換時期を判断できる仕組みが求められていました。

こうした課題を解決するため、当社では加工中に得られるデータを活用した工具状態の見える化に取り組んできました。その中で、NC装置から取得するモーター電流値に着目し、工具状態の変化をより詳細に捉える工具監視技術の開発を進め、本製品の開発に至りました。

「ツールモニタープラス」の概要

「ツールモニタープラス」は、加工中にNC装置から取得する各モーター軸の電流値を利用します。設定した加工区間の電流波形の変化を特徴量として算出し、集計した結果に基づいて監視する軸、特徴量、異常判断の基準値が自動的に選択され、実運用時の数値が上限または下限の基準値を外れた場合には、アラームを発して工具状態の変化を知らせます。

「ツールモニタープラス」による工具状態の監視イメージ

「ツールモニタープラス」による工具状態の監視イメージ

当社従来品「ツールモニター」は、モーター電流値の最大値を用いて工具状態を評価していました。一方、本製品は複数の特徴量を用いて加工負荷を評価することで、最大値だけでは差が分かりにくかった繊細な加工についても、工具状態による変化を判定できるようになりました。

また、上限だけでなく下限も監視することで、工具の破損や摩耗に伴う負荷変化に加え、工具がワークに接触していない空振りの検出にも対応します。監視対象となる加工区間を設定し、材料を外した空運転と材料を使用した実加工運転を行うことで、空振り区間と加工区間を設定します。これにより、材料の長さや機内の温度変化などの外的要因による電流値の変動をフィルタリングし、より繊細な加工の変化を捉えることが可能です。

さらに、加工数に対する電流値の変化を継続的に確認できるため、異常発生時の原因分析や、量産加工時の加工状態のトレーサビリティにも寄与します。試作時には加工状態を可視化することで、工具選定や加工条件を定量的に評価し、最適化を行います。

主な特長

① 工具状態を数値化し、技能の共有と技術継承に寄与
加工中のモーター電流値から複数の特徴量を計算し、工具状態の変化をグラフで表示します。経験に基づいて行われてきた判断に数値化された情報を加えることで、工具交換の判断を共有しやすくするとともに、熟練者の技能共有や技術継承を支援します。

② 適切な工具交換時期の判断を支援
加工数に対する工具状態の変化を数値として表示し、工具交換時期を判断するための根拠を提供します。使用できる工具を早期に交換することによる工具費の増加を抑制し、工具の有効活用を支援します。

③ 複数の特徴量で繊細な加工負荷の変化を判定
各モーター軸の電流値から複数の特徴量を算出します。従来の最大値での監視に比べ、加工内容に応じた特徴量を用いることで、最大値だけでは差が分かりにくかった加工負荷の変化を捉えます。
※検出の可否や感度は、工具、加工方法、加工負荷、周辺装置からの外乱などによって異なります。

④ 追加の外部装置なしで導入可能
Windowsベースのソフトウェアとして提供し、外部センサー、専用計測装置、パソコンなどの追加装置を必要としません。対応する既設機への後付けも可能で、設備構成を大きく変更せずに工具監視を導入できます。

⑤ 蓄積データを異常分析や工具・加工条件の比較に活用
蓄積した電流値や特徴量の推移を、工具破損時の状況確認に加え、工具の種類による違い、加工条件の違い、工具交換前後の変化などの検証に活用できます。

想定される用途・分野

自動車分野における同一部品の大量生産や、医療・航空宇宙分野における難削材を用いた部品加工など、加工品質の安定化や工具状態の管理が求められる生産現場への適用を想定しています。

JIMTOF2026での展示

JIMTOF2026では、Cincom L20ⅫB5に「ツールモニタープラス」を搭載するとともに、デモ用PCを用いてシステム構成、監視区間の設定、学習による監視軸・特徴量・異常判断の基準値の選択、工具状態のトレンド表示、異常検知時のアラーム表示をご覧いただく予定です。

今後の展開

国内市場から提供を開始し、対応機種の拡大とグローバル展開を推進します。さらに、加工データの活用領域をトラブル分析や加工条件の最適化へと広げ、製造現場における技能の可視化とワークフロー全体の効率化に貢献してまいります。

前挽き加工での計測例
突切加工での破損検出

※CINCOMはシチズン時計株式会社の登録商標です。

お問い合わせ

製品に関するお問い合わせ先
シチズンマシナリー株式会社
営業本部
℡:0267-32-5901(直)

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