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理系職種を知る

その一秒を満たすときめき

一つの時計の裏側には、機械・ソフト・素材・製造といった多様な技術があります。
それぞれの技術がどう関わり、どう支えているのか。
シチズンのものづくりを、技術の視点から見ていきます。

時計の頭脳をつくる仕事

時計の動きを決める
ソフトウェア開発へのこだわり

腕時計のソフトウェアは、正確な時刻表示に加え、世界時や各種表示、タイマーやセンサー機能など、様々な機能を実現し、時計に新たな価値を生み出す役割を担っています。

これらの機能は単独ではなく、一つの腕時計として整合して動作する必要があり、その全体の動きを設計することが求められます。

仕様のつくり込みとソフトウェア実装の両面から機能の完成度を高めることにこだわり、機能同士のつながりや実際の使われ方まで考えながら開発に取り組んでいます。

自分のアイデアが製品になる醍醐味

腕時計のソフトウェア開発の魅力は、機能や表示をどのように組み合わせれば使いやすい製品になるかを考え続ける点にあります。
同じ機能でも動き方や見せ方によって使い勝手は大きく変わるため、細かな違いまで検討しながら仕様を詰めていきます。仕様検討から実装、評価まで一貫して関わることで、自分の考えた内容が製品の動きにそのまま反映されることに面白さとやりがいを感じています。
さらに、試作や評価を通じて改善を重ね、完成度を高めていく過程にも大きな達成感があります。

美しさを守る、独自技術

キズに強く美しい時計を支える
表面処理技術

腕時計の美しさを維持するために、ケースやバンドにはめっきや硬化処理といった表面処理が施されています。

中でも「デュラテクト」は、シチズン独自の表面硬化技術です。豊かなカラーバリエーションによる美しい色調と、高い硬度を兼ね備え、日常生活で生じるキズから時計を守ります。

腕時計は、正確な時を刻む精密機械であると同時に、身に着ける人を彩る装飾品でもあります。お客様が一目見て「美しい」と感じていただけることはもちろん、長くご愛用いただく中でもその美しさが持続するよう、表面処理技術の向上に取り組んでいます。

美しさと機能性を両立する難しさ

デュラテクト開発の難しさは、美観性と機能性をバランスよく両立させる点にあります。キズへの強さを高めるには硬さが求められますが、単に膜を硬くすればよいわけではなく、硬くなりすぎると膜の欠けや剥がれの原因になることがあります。
また、腕時計は日常的に肌に触れる製品であるため、金属アレルギーに配慮した材料を用いることが求められます。このように限られた材料や条件の中で、目指す色調や耐久性をどう実現するかが大きなポイントとなります。日常生活の様々な使用シーンを想定し、最適な条件を見いだしていく過程に、この開発業務のやりがいがあると感じています。

見えない課題を、解析で解く

シミュレーションで
設計を進化させるCAEの役割

試作・実験にかかる期間やコストを抑えつつ、より良い製品を目指すためにはCAE(コンピューター上で性能や安全性をシミュレーションする技術)が欠かせません。

デザインと性能、どちらも重要とされる腕時計においては、CAEを利用して一つ一つの設計をブラッシュアップし、両者のバランスを取りながら最適な形状に落とし込んでいくことが大切です。

課題解決においても、何らかの不具合が生じた際には複数の要因が複雑に関わっている場合も多く、実験では個々の要因を切り分けて評価することが難しいですが、シミュレーション上では独立して評価できるというのもCAEならではの役割の一つです。

実験では見えない答えを導く仕事

CAEのメリットの一つは、実験では見えないもの、実験や試作が困難なものであっても評価できる点だと思います。
また、腕時計は長年の歴史を持つ製品なので、これまで当然とされてきた設計形状や加工条件も多数あり、変更するためのハードルが高い場面もありますが、CAEを使えば斬新なアイデアであってもまずは試してみることができる。そこから今までになかった製品につなげることができる。実験とは異なるアプローチをできることが魅力だと感じています。
最近ではマシンスペックやソフトウェアの向上による高精度化、AI活用による高速化も進んでおり、CAEを活用できる幅はますます広がっていくと思います。自部門ではグループ会社各社に対してCAE活用を推進しており、腕時計のみならず様々な製品に対してより良い製品を目指して日々業務に取り組んでいます。

文字板が生まれる、その裏側

時計の印象を決める文字板づくりを支える
レーザー技術へのこだわり

現在開発している技術はいずれも時計の外観に関わるため、製品の印象を大きく左右する重要な役割を担っています。そのため特に外観品質にこだわり、開発を進めています。

タイ工場向けのレーザー加工機開発では、外観品質を優先すると加工時間が長くなり量産性が低下するという課題に対し、量産性を確保しながら高品質な外観を実現する加工方法の開発に注力しました。

また、フェムト秒レーザーでは高精度かつ微細加工が可能という特長を活かし、従来では実現できなかった新たな表現を可能にする技術開発にも取り組んでいます。

最先端設備で挑む、ものづくりの面白さ

文字板の開発では、様々な最新装置に触れられることが最大の魅力だと思います。また、これらの装置を使用して新規技術の開発を進め、今までに見たことのないようなデザインの文字板を実現できたとき、とてもやりがいを感じます。
さらに、装置を扱うだけでなく、その原理を理解し条件出しや試行錯誤を重ねながら最適なプロセスを導き出していく点に業務の奥深さがあり、大きな魅力です。一つの結果に至るまでの過程には多くの工夫や検証が求められ、技術者として成長を実感できる点にもやりがいを感じています。

美しさをつくる仕上げ技術

ムーブメントの印象を決める
装飾仕上げへのこだわり

装飾仕上げは、部品の形状や配置などとともにムーブメントの外観に大きく影響します。

仕上げの種類にはいくつか代表的なものがありますが、同じ名称でも加工条件次第で見た目は大きく異なり、与える印象も様々です。要求されている完成イメージを汲み取り、どれだけ忠実に再現できるか対応力が求められます。

また、安定してつくれるという点も重要で、外観と生産性の両立をさせることも考慮する必要があります。その両立を実現するためには、時には要求された仕上げとは異なるものを提案することもあります。

しかし、それは妥協案ではなく、最終的にこの案を採用してよかったと納得してもらえる品質を目指し、試行錯誤を重ねながら最適な形へとつくり上げていきます。

正解のない美しさを追求する仕事

同じ部品であっても外観の装飾仕上げによって与える印象は大きく左右され、自分が手がけた部品がムーブメントの美しさに貢献しているという点は、とてもやりがいのある工程です。
特定の装飾面単体での印象と周囲と組み合わさったときの印象が異なることもよくあり、ある装飾をより美しく見せるための引き立て役の装飾も重要となってきます。どういった仕上げが良いかは、全体のバランスや製品コンセプトとの調和なども関わってくるのでとても奥深いです。
また、外観の印象の感じ方は人それぞれであり、数値化できず明確な正解がないところが難しさでもあり、面白いところでもあります。

環境にも、人にもやさしい技術

廃材から生まれた新しい仕上げ技術が
時計の価値を変える

時計外装は、時計と人をつなぐ架け橋です。

鏡面は眩しさを和らげる工夫として気が付かない程の緩やかな丸みを付け、稜線は正確さを表すためまっすぐなエッジを目指しますが、まっすぐ鋭い状態では人をキズ付けるものになってしまうため、まっすぐに見え肌に触れてもやさしい極小な丸みが必要です。

自然なものを利用した「くるみメディア」で仕上げた製品は、大地のような緩やかな丸み、まっすぐでありながら肌にやさしい極小な丸みを実現しています。さらに、つくるときに発生する粉塵や廃水をなくし、つくる人や地球環境にやさしいものづくりを実現しています。

時計の起源は太陽や星、地球といった自然にあります。時計をつくり出すにあたり、人・地球・自然へのやさしさにこだわって開発に取り組んでいます。

※くるみメディアとは…食品加工後の廃棄されるくるみの殻を、細かく粉砕し砂状にし、研磨資材へと加工した水や自然にやさしい研磨材です。

技術で未来へつなぐ、開発者の想い

私たちは、物事の原理や原則を大切に、製品の本質的な価値や人への想いを見つめ業務に取り組んでいます。日々の開発では、答えがない道を試行と検証を繰り返し、策を講じ導き、技術として未来につなげていきます。
鏡面加工では、仕上げに用いる素材や条件を徹底的に見つめることで、人が見つめるやさしい高級な鏡面を実現しています。機能・性能だけではなく、使われる方の時や想いに寄り添う製品、つくり手の想いや願いを盛り込んだ製品、技術を通じてユーザーに届けることで、長く使われ価値のある製品となり、時を超え人に受け継がれてゆくと思っています。
私たちがつくりだした技術や製品が時をつなぎ未来へとつながっていくことが、本業務の魅力です。

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