意識調査

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ビジネスパーソンの「待ち時間」意識

コロナ禍による時間意識・感覚の変化が影響?
2023.05.31 ※調査内容は当時のものです。
Q1

どのくらい待たされるとイライラしますか?

日常生活のイライラタイム

さまざまな場面・状況で、イライラを感じるまでの限界時間を聞いてみました。

エレベーターを待つ
6割強が“1分~1分超で”イライラ

エレベーターは「1分超」(37.0%)、「1分」(26.5%)が多く、この2つを合わせると6割を超え(63.5%)ました。

エレベーター待ちは“1分~1分超”が限界のようです。

歩行者として信号を待つ
6割半ばが“1分~1分超”でイライラ→気長傾向

イライラしはじめるのは「1分超」(42.5%)、「1分」(24.0%)が多く、この2つを合わせると6割半ば(66.5%)を占めます。

「1分超」は18年調査から10ポイント増加(32.5%→42.5%)しており、気長になっています。信号待ちの際、スマートフォンを見ている人が多く、また、残り時間を目盛り表示する信号を目にすることも多くなってきましたので、その分気長になったということかもしれません。

スーパー、コンビニでのレジ待ち
「5分」「5分超」が増え、買い物客は気長に?→気長傾向

スーパーでのレジ待ち時間は、「5分超」(27.8%)、「3分」(25.8%)の順でした。

18年調査と比べ、「5分」、「5分超」が増えました。

ちなみに18年調査では“3分まで”に61.1%がイライラを感じましたが、今回は50.0%に減っています。スーパーでのレジ待ちは気長になったようです。

コンビニは「3分」(27.3%)がトップで、“3分まで”に76.4%がイライラを感じます。同じレジ待ちでも、スーパーよりもコンビニの方がイライラしはじめるのが早いようです。

18年調査と比べ、「5分超」が増え(9.3%→13.5%)ており、コンビニも若干気長になったと言えそうです。

コロナ禍で小売店舗は入場制限や営業時間の短縮を余儀なくされました。そのため「まとめ買い」をするケースも起こるなど長いレジ待ちが普通になりました。このことに慣れたことが気長になった要因かもしれません。

「30秒」~「3分」の合計

ファストフード店で商品が出てくるまで
「5分超」がトップ。過剰なスピードは求められず→気長傾向

注文すればすぐに出てくるというのがファストフード店のイメージですが、結果は、「5分超」が43.8%でトップ。次いで「5分」(22.3%)でした。

ちなみに“2分まで”は16.9%と少数で、それほど早さが求められていないことがわかります。

18年調査と比べ、「5分超」が約16ポイント増え(28.0%→43.8%)ており、気長になっています。

スマホなどの端末からメニューの注文や決済ができるモバイルオーダーシステムの導入が進んでおり、利用者は予め待ち時間がわかることから、その分余裕が生まれ、気長になっているとも考えられます。同じ「5分」でも知って待つのと、知らずに待つのではイライラ度は違ってきます。

「30秒」~「2分」の合計

ランチタイムの飲食店での空席待ち
「15分超」がトップ→気長傾向

ランチタイムの飲食店での空席待ちは、「15分超」(41.3%)がトップでした。時間に限りのある昼休みを空席待ちに使えるのはせいぜい15分程度ということのようです。

「15分超」は18年調査から約12ポイント増え(28.8%→41.3%)ており、空席待ちもやや気長になっているようです。

外出自粛やリモートワークにより外食の機会が減っていたこともあり、その反動で、外食できる喜びが、「ある程度長く待っても構わない」という感覚につながっているのかもしれません。また、SNSの普及でお店の評価がすぐわかる時代になっており、「評判の良いお店は長く待つ価値がある」と考える人が増えていることも考えられます。

ランチタイム時、飲食店でオーダーした料理が運ばれてくるまで
“15分まで”に6割近くがイライラ→気長傾向

ランチタイムで料理が運ばれるまでの時間は「15分」(28.3%)がトップ、次いで「10分」(24.3%)でした。“15分まで”に6割近く(57.4%)がイライラしはじめますが、18年調査と比べ「20分」以上の各時間が増えており、こちらも気長になっているようです。

SNSや動画、ゲームなど、待ち時間のスマートフォン利用がイライラ解消につながっているのではないでしょうか。また、飲食店の人手不足を理解していることも理由かもしれません。

「5分」~「15分」の合計

居酒屋で最初の一杯が出てくるまでの時間
「5分」を超えるとイライラ→気長傾向

最初の一杯が揃ってからが飲み会のはじまりです。結果は、「5分超」(33.5%)、「5分」(30.3%)の順で、2つを合わせると6割を超え(63.8%)ます。

18年調査と比べ、「5分超」が12ポイント近く増えており、若干気長になっています。

こちらも飲食店の人手不足を理解していることが理由かもしれません。

電話口で待たされる時間
電話の保留は30秒、長くて1分以内に→気長傾向

「少々お待ちください」と電話口で待たされるケースがありますが、どのくらいが我慢の限度なのでしょうか。回答は「1分」(31.8%)、「30秒」(23.3%)、「1分30秒」(21.8%)に集中しました。

“30秒まで”※1に4割近く(38.2%)、“1分まで”※2だと8割近く(78.5%)がイライラしています。電話の保留は30秒、長くても1分以内が目安になりそうです。

18年調査では、“30秒まで”で半数を超えて(51.1%)いましたので、少し気長になりました。メールやチャットなどネット経由の問い合わせが増えてきたことで、逆に「電話は待つもの」という認識が一般化したのかもしれません。

※1:
「5秒」~「30秒」の合計
※2:
「5秒」~「1分」の合計

国内のネットショッピングで購入した商品が自宅に届くまで
利用者は意外と気長、「7日超」が倍増→気長傾向

コロナ禍で利用が大きく進んだネットショッピング。「同日配送」など配送時間のスピード競争が激化していますが、結果は「7日超」が3割(30.3%)でトップ。次いで「3日」と「5日」が共に18.3%で続きました。一方、「同日中」は0.8%とごく僅か、「1日」(3.3%)、「2日」(5.5%)も少数で、利用者はそれほどスピードを求めず、気長に構えていることがわかります。

18年調査でも「同日中」~「2日」は少数派で、気長傾向が見られましたが、今回、特に「7日超」が倍近くに増えて(16.0%→30.3%)おり、一層気長になったようです。コロナ禍で家時間が長くなったことや「置き配」が進んだことで、却って時間を気にしなくなったのでしょうか。配送業者のドライバー不足という状況を利用者が理解しているということもいえるかもしれません。