意識調査

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50年間の変化で見るビジネスパーソンの生活時間

2024.06.10 ※調査内容は当時のものです。

50年の経年変化

調査結果のサマリー
  • 首都圏では長時間通勤者が減少し、「30分圏内」に住む人が増加
  • 自宅で過ごす時間が増えて、夫婦の対話時間も増加傾向
文中・表内の百分率(パーセント)の数値は小数点第2位を四捨五入しています。そのため、合計が100%にならない場合があります。
以下の設問は、平日の出社日もしくは土日を含めた1週間を想定して、選択肢の中から最も近いものを選択してもらいました。なお、ハイブリッドワーク(出勤とテレワークの併用)の方は、オフィスへの出社日を想定しています。
Q1

1日の平均睡眠時間はどのくらいですか?

平日の睡眠時間は「6~7時間」、睡眠不足の「5時間以下」は25年で半減
 1974年
(50年前)
1999年
(25年前)
2024年
(今回)
n434368400
5時間以下4.1%22.8%11.5%
6時間28.3%50.2%36.3%
7時間44.7%19.3%36.0%
8時間20.1%7.1%13.8%
9時間2.8%0.3%1.8%
10時間以上0.0%0.3%0.8%
無回答0.0%0.0%-

平日の平均睡眠時間は「6~7時間」が全体の7割超(72.3%)を占めました。内訳を見ると、25年前と比べて「6時間」が減少し、「7時間」が増えており、睡眠時間が長くなっていることが分かります。

厚生労働省が睡眠時間の目安などを示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、「成人の睡眠時間は6時間以上」を推奨していますが、「5時間以下」の"睡眠不足"の人はこの25年で半減(22.8%→11.5%)しました。長時間労働の是正や、テレワークなど多様で柔軟な働き方が広がったことで、自分自身のために使える時間が増え、十分な睡眠時間を取れる人が増えたようです。

Q2

朝食にかける平均時間はどのくらいですか?

仕事の日の朝食はささっと「10分」が主流、“食べない”派は50年で倍増
 1974年
(50年前)
1999年
(25年前)
2024年
(今回)
年代別
20代30代40代50代
n434368400100100100100
食べない8.1%14.1%16.8%10.0%17.0%21.0%19.0%
5分以下18.4%22.8%23.3%29.0%26.0%22.0%16.0%
10分43.3%41.1%36.8%46.0%41.0%30.0%30.0%
20分23.5%16.8%17.8%11.0%10.0%21.0%29.0%
30分5.5%3.5%4.0%3.0%4.0%3.0%6.0%
45分以上1.2%1.4%1.5%1.0%2.0%3.0%0.0%
無回答0.0%0.3%-----

仕事の日の朝食にかける時間は、最も多かったのが「10分」(36.8%)でした。これは50年前から変わりませんが、25年ごとにやや減少(43.3%→41.1%→36.8%)しています。ボリュームゾーンも「10分~20分」から「10分以下」に変化し、朝食時間の短縮傾向が見られました。

また、朝食を“食べない”派は50年で倍増(8.1%→16.8%)しました。年代別に見ると、朝食にかける時間は年代が高くなるほど長くなりますが、40~50代の2割は“食べない”派のようです。

Q3

会社までの片道の平均通勤時間はどのくらいですか?

首都圏在住者の半数が「1時間以上」かけて通勤するも、「30分圏内」に住む人も増加
 1974年(50年前)
首都圏在住
1999年(25年前)
首都圏在住
2024年(今回)
首都圏在住
2024年(今回)
全国在住
n434368166400
5分以下30分圏内
16.8%
1.4%30分圏内
9.3%
0.0%30分圏内
28.9%
0.6%2.5%
10分1.8%0.3%1.8%7.3%
15分2.3%1.4%7.2%11.3%
30分11.3%7.6%19.3%24.3%
45分18.9%18.5%22.3%18.0%
60分1時間以上
63.4%
33.4%1時間以上
72.2%
30.1%1時間以上
48.8%
24.7%21.3%
61分以上30.0%42.1%24.1%15.5%
無回答0.9%0.0%--

通勤時間は、全国で見ると「30分」(24.3%)が最も多く、次いで「60分」(21.3%)の順でした。

これを過去の調査と同様に、対象を首都圏在住者(166名)に限定すると、「60分」(24.7%)が最も多く、次いで「61分以上」(24.1%)となりました。「1時間以上」かけて通勤する人は約半数(48.8%)いますが、50年前の約6割(63.4%)、25年前の約7割(72.2%)と比べて減少しています。

一方、会社の「30分圏内」に住む人が3割近く(28.9%)と、50年前の16.8%、25年前の9.3%から大幅に増加しました。バブル崩壊後の「失われた30年」という長期停滞を経た日本では、コロナ禍を経て働き方そのものが見直されるようになりました。ワークライフバランスを重視する傾向は若い世代を中心に強くなっており、これまで通勤に充てられていた時間を自分や家族との時間に使いたいという気持ちが表れているのかもしれません。

Q4

1日の夫婦の対話時間はどのくらいですか?

夫婦の対話時間は1日「1時間以上」が4割、家族と過ごす時間が増えて増加傾向
 1974年
(50年前)
1999年
(25年前)
2024年
(今回)
n189157200
ない0.0%10.2%12.0%
15分20.1%31.2%11.5%
30分34.9%20.4%24.0%
45分5.8%7.6%8.5%
1時間24.9%24.2%28.5%
2時間以上6.9%6.4%15.5%
無回答7.4%0.0%-

既婚者200名を対象に、1日の夫婦の対話時間を聞いてみました。50年前は「30分」(34.9%)、25年前は「15分」(31.2%)が最多でしたが、今回は「1時間」(28.5%)が最も多い結果となりました。また、「2時間以上」も50年で倍増(6.9%→6.4%→15.5%)しています。働き方改革やコロナ禍でテレワークが広まったことで、自宅で家族と過ごす時間が増えた結果、夫婦の対話時間も長くなっているようです。

一方、夫婦の対話時間が「ない」と回答した人は約1割(12.0%)と、25年前(10.2%)と変わらず一定数いることが分かりました。50年前は0でしたので、共働き世帯が増えたことによる共有時間の減少が一つの要因かもしれません。

Q5

1週間の読書時間(電子書籍を含む)の合計はどのくらいですか?

“読書離れ”が加速し、本を読まない人が半数に
1週間合計1974年
(50年前)
1999年
(25年前)
2024年
(今回)
n434368400
読まない8.3%10.3%47.8%
1時間以下16.6%25.3%25.8%
2~3時間29.0%29.1%12.8%
4~5時間17.7%17.4%7.3%
6~7時間11.8%11.4%3.8%
8~11時間8.8%4.3%1.8%
12時間以上6.0%1.9%1.0%
無回答1.8%0.3%-

“活字離れ”や“読書離れ”と言われる昨今、本を「読まない」人が大幅に増加し、全体の半数近く(47.8%)を占めました。

読む時間を見ると、25年前までは約3割の人が1週間に「2~3時間」でしたが、今では読んでも「1時間以下」(25.8%)と、この50年で読書時間は大きく減少しました。電子書籍の登場で何冊でも本が持ち歩けるようになったものの、スマートフォンの普及などによって時間の使い方が大きく変わっているようです。