意識調査

open

ビジネスパーソンに聞く「景気と時間」

2014.06.10 ※調査内容は当時のものです。
Q1

あなたの生活時間は1年前と比べてどのように変化しましたか。それぞれの項目について、1日あたりの変化をお答えください。(単一回答)

家庭や会社での様々な生活時間(24項目)について、1年前と比べ「増えた」、「減った」、「変わらない」を回答してもらいました。その中から、「増えた」「減った」それぞれについて、回答が多かった上位5項目(下表☆印)を分析してみました。

(単位:%)
N=400人増えた減った変わらない
在宅時間☆17.817.864.5
家族での外出時間14.8☆19.865.5
家族の団らん時間☆20.516.563.0
家での朝食時間 8.8 6.884.5
家での夕食時間11.010.878.3
睡眠時間10.8☆21.368.0
子どもとのふれ合い時間☆19.016.065.0
自己啓発時間10.811.577.8
健康・体力づくり時間13.315.571.5
テレビ視聴時間12.5☆20.866.8
読書時間9.812.078.3
ボランティア時間3.55.391.3
ショッピング時間9.016.674.5
ドライブ時間9.013.377.8
友人とのつき合い時間7.518.873.8
仕事中の休憩時間4.313.082.8
会社仲間とのつき合い時間7.516.376.3
残業時間☆21.511.866.8
会議時間11.88.380.0
炊事時間(3食合計)11.58.580.0
起床してから家を出る8.39.882.0
帰宅してから就寝まで12.8☆19.368.0
出勤時間(早くなった)
☆21.3
(遅くなった)
5.3
73.5
帰宅時間(早くなった)
12.5
(遅くなった)
☆24.0
63.5
調査結果の百分率(パーセント)の計算は小数点第2位を四捨五入しています。そのため、全ての合計が100%にならない場合があります。

景気は回復傾向?「出勤時間」早くなり、「残業時間」が増え、「帰宅時間」遅くなる。
一方で、家族との時間も大切にしているが、節約志向は続いている。

[“増えた”割合が高い項目]1.残業時間 21.5% 2.出勤時間(早くなった)21.3% 3.家族の団らん時間	20.5% 4.子どもとのふれ合い時間	19% 5.在宅時間 17.8% [“減った”割合が高い項目]1.帰宅時間(遅くなった)	24% 2.睡眠時間	21.3% 3.テレビ視聴時間	20.8% 4.家族での外出時間 19.8% 5.帰宅から就寝までの時間(遅くなった)	19.3%

1年前と比べ「生活時間」に変化のあった項目の上位を見ると、「残業時間」が増え「帰宅時間」が遅くなり「帰宅から就寝までの時間」が減る。そして、さらに「出勤時間」が早くなり「睡眠時間」が減る、といった相互関係が浮かび上がってきます。1年前と比べると、仕事をしている時間が増えていると考えられ、その意味では、景気は回復傾向と言えるかもしれません。

ただし、「残業時間」が増えている人がいる中、家で過ごす「在宅時間」が増えている人もおり、景気回復の影響はまだ限定的ともいえます。また、「家族の団らん時間」は増えている一方で、「家族での外出時間」という出費を伴う行為は減っており、不況時からの節約志向は続いているようです。仕事は忙しくなる傾向ですが、生活実感としては、景気回復は「まだ道半ば」というところかもしれません。

(参考)2009年実施の結果
 “増えた”割合が高い項目“減った”割合が高い項目
1在宅時間30.8%残業時間29.0%
2家族の団らん時間26.5%家族での外出時間23.5%
3テレビ視聴時間25.0%会社仲間とのつき合い時間20.5%
4子どもとのふれ合い時間22.3%ドライブ時間19.3%
5家での夕食時間16.8%ショッピング時間18.0%

なお当社では、世界的な大不況をもたらした「リーマンショック」(2008年9月)後の2009年4月にも同様の調査を実施しました。その時との大きな違いは、「残業時間」が“減った”のトップから、“増えた”のトップに転じていることです。

また、「在宅時間」を見てみると、09年では“増えた”(30.8%)が“減った”(8.8%)を大きく上回りましたが、今回(14年)は“増えた”が減り、“減った”と同数(17.8%)となりました。このことから、5年前と現在で、景気の環境が変化したことが分かります。

ちなみに、09年の調査では、「家族の団らん時間」、「子どもとのふれ合い時間」が増え、景気低迷が「家族回帰=家族との絆を深める」を推し進めたことがわかりました。今回の調査でも、「家族の団らん時間」、「子どもとのふれ合い時間」が“増えた”という人の割合が多くいることがわかります。仕事が忙しくなってきているからこそ、家族と触れ合う時間を大切にするという意識が強くなっているのかもしれません。