トップメッセージ

シチズングループは、企業理念である「市民に愛され市民に貢献する」を原点に、従業員一人ひとりによる行動憲章の実践を通じて、社会の発展に寄与することを目指します。

2018年の今年、シチズングループは創業100周年を迎えました。先人たちの並々ならぬ努力と苦労が偲ばれ、非常に感慨深く思うのと同時に、これを契機に次の100年に思いを巡らせることこそが、100周年を迎えることの意義であると考えています。これからの100年は、ITやAI技術の急速な進歩やそれに伴うライフスタイルの変化、消費者の多様化などにより、当グループも前例のない局面に突き当たることになるでしょう。このような急速に変化する環境の中で、社会のニーズに応えながら事業を成長させていくためには、今、何を成すべきなのか、難しい舵取りを迫られていると認識しています。
2018年度は、創業100周年であると同時に、中期経営計画「シチズングローバルプラン2018」の最終年度でもあります。前年度は、時計事業において、東京・銀座の商業施設「GINZA SIX」に、シチズンウオッチグループの主要ブランドを世界最大級のコレクションで展開する初のフラッグシップストア「CITIZEN FLAGSHIP STORE TOKYO」をオープンする等、マルチブランド戦略を推し進めました。また、時計事業に次ぐ第二の柱である工作機械事業は、好調を維持しており1年前倒しで目標を達成しました。現行の中期経営計画を総括するに当たっては、時代の変化を先読みした経営の必要性を改めて認識しているところです。
このような中、次期中期経営計画では、今後の成長に向け、シチズングループの総力を合わせた新たなシナジーを創出するため、より抜本的な取り組みが必要と考えています。時計製造で培われた技術を活かした多角化経営が進んできたシチズングループでは、その過程で事業間のシナジーが十分には創出されずにきました。今後はシナジー創出に向け、グループ・ガバナンスや人材育成を強化し、グループ一体体制をより強固にしてまいります。
創業100周年を機に開始した「シチズン社会貢献活動派遣制度」は、そうした考えに基づいた取り組みのひとつです。国内外における様々な社会貢献活動にシチズングループの従業員がともに従事することで、外の世界を知り、視野を広げ、新たな価値観を持ち帰ることで、今後のシチズングループの事業成長や組織の活性化、そしてグループ一体感の醸成にも活かしてほしいと考えています。
私たちが「真のグローバル企業」として、世界中の人たちに受け入れられ必要とされる企業になるためには、シチズングループが生み出す製品やサービスのみならず、ものづくりの背景にある企業姿勢そのものが社会から評価されること、すなわち、事業活動のすべてが企業そのものの価値に直結することを認識しなければなりません。2017年度は、シチズン電子による一連の不適切行為により、ステークホルダーの皆さまには多大なるご心配とご迷惑をお掛けしました。この事象を契機として、グループガバナンスを強化し、従来のグループリスクマネジメント委員会によるリスク管理に加え、一昨年改定した「シチズングループ行動憲章」の浸透や、グループ品質コンプライアンス委員会におけるモニタリングなどを通じ、グループ全体におけるコンプライアンス意識を、より一層強化してまいります。
シチズングループのマテリアリティ(重要課題)は、企業理念である「市民に愛され市民に貢献する」を実践し、社会とともに持続的に発展していくために、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への貢献も視野に入れながら、グループ全体で注力すべき課題として整理したものです。「コーポレート・ガバナンスの強化」「リスクマネジメントの徹底」「コンプライアンスの徹底」「働きやすい職場環境づくり」「責任ある調達の推進」「環境イノベーションの促進」をマテリアリティとして取り組みを進め、毎年実績を開示していますが、今後は、「社会貢献活動の促進」を加えるなど、社会環境の変化に応じた見直しや、実効性の更なる強化に向けた目標管理が必要になるものと認識しています。
最後になりますが、社名である「シチズン」が表す「市民」の定義について尋ねられることがあります。この言葉は我々にとって非常に大切なものですが、その定義や捉えられ方は時代によって変わっていくものです。「市民」の意味を考え、議論を深め、その時代における「市民」のニーズに応えながら、常に「市民」の皆さまに寄り添うのが我々「シチズン」です。この想いをグループ全体で理解・共有し、実践していく努力を通じて、社会の持続的発展に寄与してまいります。

2018年6月
シチズン時計株式会社
代表取締役社長
戸倉 敏夫