出身: プロダクトデザイン専攻
学生時代は一日中工房でモックを作成したり、教室でスケッチを描いたりと日々ものづくりに没頭していました。アイデアに行き詰まると、デザイン系の書籍や展覧会などからヒントを貰い、デザインの引き出しを増やしていました。私がシチズンに入社した理由は、積極的にワクワクすることに挑戦している会社だと感じたからです。時計という既に原型のあるものを、全く新しい感性でデザインすると、こんなにも魅力的で美しいものが生まれるんだと魅了され、自分もいつか新しい原型を創りたいと思いました。
現在は主にレディース時計のデザインをしています。時には市場調査もしながら、企画に基づいてアイデアを集め、思い描くカタチをスケッチに落とし込み、技術者と連携をとり試作品を作成します。自分のデザイン画から時計づくりが始まると思うと、責任やプレッシャーを感じます。皆が同じ方向を向いて迷わず進んでいける、そんな人の心を動かす絵を描きたいのですが、いつも試行錯誤を繰り返しています。ただ、何枚もスケッチを描き、色々な人の意見を聞く中で、少しずつデザインが魅力的になって理想に近づいていく時はやりがいと楽しさを感じます。また、完成した時計を見て喜んで下さる方がいると、今までの苦労がすべて吹き飛んでしまうくらい嬉しく、達成感がありますね。
技術的な面からデザインの制約が生まれることはありますが、少しずつ、デザインで大切にしなければいけない部分と、柔軟に対応すべき部分が分かるようになってきました。制約の中でも、最大限魅力的なデザインになるよう工夫できる点は沢山あると、周りの社員から学んできました。
このように周りのデザイナーの刺激を受けながら、安心してものづくりができる環境は、技術や伝統のあるシチズンだからこそ。人に恵まれている会社だと思います。また、人に寄り添うプロダクトに関われるのはシチズンで働く醍醐味だと思います。長く人に大切にされるプロダクトなので、使う人のことを想い、一つ一つこだわって丁寧にデザインをしていきたいと思います。
これからは、既成概念にとらわれないものづくりを目指したいです。
腕時計には誰もがイメージする原型がありますが、私は「こうでなくてはいけない」という既成概念にとらわれず、より良いものをイメージして、新しい原型を創る気持ちでデザインに挑戦したいです。
また、人の生活をより良いものにする時計を創ることも目標です。長く使って生活の一部となった時に、やっぱり良い時計だと思ってもらえて、愛着が増す、そんな「生活の中に溶け込んでいく時計」を創ってみたいと思っています。