
「この子はどうなるんだろう」という不安と、「私がそばにいてあげたほうがいいのでは」という想いから、ちえさんは勤務していた会社を1カ月休職。娘の気持ちを知りたいと専門知識を学び心理カウンセラーの資格を取得しました。その後、NLPマスタープラクティショナーや英国発祥のチャイルドマインダーの資格も取りましたが、「学ぶなかで、子どもにしてはいけないことを全部していたのがわかりました」と話します。
そんなちえさんを変えたのは、一緒に暮らしていた母親の言葉でした。ちえさんの母親は若いころ親に言われるまま管理栄養士の学校に行っていましたが、本当にやりたかったのは洋裁だったため、親に無断で学校を移ったことがあったそうです。そうした経験から、孫であるほのさんに対するちえさんの言動についても「あなたがしていることは、親の考えで子どもを縛りつけることにならない?この子にはこの子の人生があるからよく考えないと」と諭したのです。カウンセリングを学び、子どもには子どもの人生があるという考えを持ち始めていたちえさんは、「母の言葉に背中を押され、自分が変わるきっかけになりました」と話します。
こうして、日課だった「今日は学校に行かないの?」という言葉から解放され、「気持ち的にとても楽になりました」と話すほのさん。ちえさんも「登校に執着しなくなったことで、私自身も楽になりました」と、穏やかな表情を見せます。