2022年度受賞
きつおん親子カフェ
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安心の中に居心地の良さがある
温かい交流の場をこれからもきつおん親子カフェ
大学生サポートスタッフ
藤井 裕也さん
初めてきつおん親子カフェの交流会に参加したのは、小学6年生のときでした。実は一番吃音に悩んでいた時期で、参加するのも嫌々だったのですが、行ってみると吃音の子どもが周りにたくさんいて、とても安心感があったのを憶えています。お兄さんやお姉さんみたいな中学生からも優しくしてもらい、「ああ、ここにまた来たいな」と思いました。
それからは毎回参加して、中学生になってからはジュニアスタッフとして少しずつ運営も手伝うようになりました。さらに、そのころは小学生も中高生もグループ活動は一緒に行っていたのですが、年齢が上がると吃音に対する悩み方も変わってくるので、グループを分けることを提案し採用してもらい、同世代で話す機会が持てたことはとても良かったと思います。
その後、吃音のことを考えるのが嫌な時期もあったのですが、次の交流会のポスターが出来上がるころにはまた行きたい気持ちになっていました。それは多分、同じ吃音の仲間と一緒にいるだけで気持ちが落ち着き、その安心感の先に居心地の良さがあったのが大きいと思います。
また、そのころ「ことばの教室」の先生が寄り添ってアドバイスしてくれたことが心の支えになったことから、今度は自分が支える立場になりたいと思うようになりました。その思いは中学3年からずっと変わらず、現在は大学の臨床心理学科で学んでいて、このあとは大学院でも学びを深めてカウンセラーになりたいと思っています。
今回のシチズン・オブ・ザ・イヤーの受賞を聞いたときは、地道な活動でも見ている人は見ているんだなあと思い、関わっているひとりとして驚きながらもうれしかったです。これからも、吃音の子どもたちが安心して仲間と交流できるこうした活動が、長く続くことを願っています。

受賞コメント
選考委員長コメント