2021年度受賞
谷岡 哲次さん
-
病気が克服される日を信じて
ともに頑張りましょう!金沢大学 疾患モデル総合研究センター准教授
堀家 慎一さん
私は米国への留学を機に、本格的にレット症候群の研究を始めました。帰国後、日本にもレット症候群の患者さんの会があることを知りましたが、谷岡さんたちのNPO法人には欧米の患者会のような雰囲気があると感じたのを覚えています。谷岡さんと直接お会いしたとき、娘さんのため我々の専門的な話を一生懸命聞いてくださった姿が印象的でした。その後、谷岡さんたちが我々研究者をサポートする姿を見て、より一層真剣に取り組む必要性を感じ、治療法確立のシーズを何とか見つけたいと強く思うようになりました。
病気の子どもを持つ患者さんの会が、積極的に社会に向けて病気について発信することは非常に重要です。それを実践している谷岡さんたちの活動は、研究者を支援するだけでなく、厚生労働省や製薬会社をも動かす大きな原動力になっていると思います。
病気の中にはすでに遺伝子治療が確立されたものもあり、今後もさまざまな病気で苦しむ患者さんに多くの喜びをもたらすことが期待されています。残念ながら、現状の遺伝子治療法をレット症候群に適用することはできません。しかし、谷岡さんたちの想いを実現するためにも、我々は新たな治療法の確立を模索しており、うまくいけば、今年度中に少なくともシーズとなる研究成果を発表できると考えています。
病気の克服は一筋縄ではいかないと思いますが、サイエンスの世界では常にブレークスルーがあります。これからも、谷岡さんたちには諦めずに前を向いて頑張っていただきたいと思います。我々も、その活動に少しでも報えるよう努力してまいります。

受賞コメント
選考委員長コメント