
さらに2021年からは、患者やその家族が情報を共有できる無料の専用アプリ「レッコミ」を公開。「掲示板での質問や、チャットなどもでき、また自分の住む地域の登録者がわかるので、家族同士で直接会って情報交換したり交流したりすることも可能です」と谷岡さん。そして何より、患者が登録した病気の情報をデータベース化して研究者や製薬会社に提供することで、治療法や治療薬の開発に役立つことが期待できるのである。現在、約230名が登録しており、今後は500名にするのが目標だ。
レット症候群支援機構の設立から11年。これまで積み上げてきた患者同士や研究者とのつながりという「点」を、治療という「線」につなげる活動をしていきたいという谷岡さん。横のつながりがあまりない研究者同士をつなぎ、研究を加速させるハブになれるのは唯一患者団体ではないかと話し、「治療法の確立に向け、患者と研究者、製薬会社がオールジャパンで一つになれるよう頑張っていきたい。それが、これまで私たちを支援してくれた方々への恩返しになると思っています」と熱く語る。