
2000年の「オビラメ復活30年計画」の始動から20年。9回にわたり合計約7800匹の稚魚を放流し、人の手を離れての自然繁殖も成し遂げ、「少しずつ成果が出て自信が持てた」と話す吉岡現会長と川村事務局長。活動の啓発のため、地元小学校で尻別イトウの生態を教える出前授業や地域での説明会などにも取り組んでいる。
オビラメの会では、尻別川のイトウが絶滅の危機から脱したと言える日を目指し「イトウのおかげで良いことが増えたと流域の人たちに言ってもらえるようになれば、別の流域で再導入を図る際にも歓迎してもらえ、活動はもっとうまくいくと思います。そうして協力してくれる方々を増やしていくのが自分たちの役割・使命だと思って、これからも努力していきます」と今後を見据える。
30年計画の残り10年、会のメンバーは、尻別川のどの流域でも再導入が達成され、イトウから「もう、手を貸してくれなくても大丈夫だよ」と言われることを夢見ている。そして、イトウだけでなく、尻別川に多様な生き物の賑わいを取り戻して最終ミッションの「解散」を果たすまで、オビラメの会の挑戦はこれからも続く。