
廃刊の危機に直面した不登校新聞は、月2回の発行を全国で待っている読者のため、全員が一丸となってアイデアを出し、WEB版の創刊や紙面改定など大胆な施策を実施。さらに新聞やテレビなど他のメディアが取り上げてくれたこともあり、部数を増加に向かわせることができたのである。現在は、休刊予告を出したときの4倍の3,500部まで回復している。
創刊から21年。不登校の当事者に接するとき、奥地さんがいつも大切にしてきたことがある。それは、まず自分の気持ちを白紙にして、相手の話を聞くこと。子どもが不登校になったり、いじめを受けたりすると、親はどうしても自分の気持ちが前面に出て、子どもの立場で考えることができなくなりがちだ。そうした親の話を聞くときも、まず相手の気持ちをすべて受け止めるのが大切で、そうすれば相手も自分の話に耳を傾けてくれ、子どもの本当の気持ちに気づいてくれるそうだ。
これまで延べ1000人を超える不登校経験者が取材や執筆に関わり、発信する側も受け取る側もさまざまな生き方のヒントを得てきた不登校新聞。これからも、そうした一人ひとりの悩みに寄り添い、当事者視点の記事を届け続けていく。