
引退馬のセカンドキャリア支援とともに、本来やさしい動物である馬に付いてしまった攻撃的なイメージも払拭したいと話す角居さん。「馬はパートナーとしての関係を築かないと、一緒に歩いてくれない動物。望むことをしてあげると、こちらが望むことも一生懸命やろうとしてくれます。落ち込んだり寂しそうにしていれば寄ってきてくれるんです。言葉を交わさなくても心で通じ合えるから、コミュニケーションを取るのが苦手な不登校の子どもたちなども馬に癒やされるのです」と話す。
2018年5月時点で「サンクスホースプロジェクト」による引退馬支援は70頭を超え、その後も毎月増え続けている。北海道浦河町では障がいのある人たちと共に、障がい者乗馬の馬を育成する計画も進展するなど、活動は広がりを見せている。
今後に向けては、馬のこともセラピーやリハビリのことも分かる人材を育てることが急務だという角居さん。「調教師としてたくさんの試練もありましたが、馬のおかげで今の自分があります。そうしたすべてに感謝の気持ちを持って、人と馬が幸せになる社会を作っていきたいです」と想いを語る。