
切り過ぎたら伸びてこないウィッグのカットやフィッティングは非常に難しく、活動が広がる一方で、対応できる美容師は現在国内に10人ほどしかいない。そのため、渡辺さんは限られた個々の力に依存しない組織化と、ウィッグに対応できる美容師育成の必要性を考え、取り組みを始めている。そうすることが、現在も100人以上いるウィッグ提供希望の子どもたちの、待ち時間短縮につながるからだ。
JHDACには、「私の髪がどれだけ使えるか分かりませんが、少しでも役に立てばうれしいです」と添えられたドナーからの手紙や、「どんなに感謝の気持ちを伝えても、足りないくらいです」といったウィッグを提供された子どもたちからのお礼が数多く届いている。
こうした声を受けながら、メンバーはドナーの善意と勇気から生まれたウィッグを一人でも多くの子どもたちに届けたいと、活動を続けている。そして、「髪がないことに偏見を持たれず、ウィッグが必要のない世の中が来ることに、少しでも貢献できれば」と、未来を見つめる。