CITIZEN OF THE YEAR 社会に感動を与える人々を応援します。

受賞者一覧

2013年度受賞

チャイルズエンジェル

皆の熱意に、サンディエゴ動物園はキリン譲渡を確約

情熱と行動力から生まれたサンディエゴの快挙

サンディエゴ動物園との交渉の際に子どもたちが描いたキリンの絵を見てもらおうと、急きょ絵画展も開催した。そして、2012年11月、キリン購入という熱い想いを胸に、エンジェルたちは自費でサンディエゴ動物園へと旅立ったのである。

サンディエゴ動物園のCEO(最高経営責任者)たちを前に、坂本さんは「キリン募金」が街の大きなムーブメントになっていることを伝え、子どもたちの描いたキリンの絵を見せながら、釧路市民がどれだけキリンを待ちわびているか熱く語った。

じっと耳を傾けていたCEOは、大きく頷き「皆さんの熱意に感銘を受けました。ご要望に沿えるよう努力しましょう」と、その場で快諾してくれたのである。部屋から出たエンジェルたちは、外で待っていた仲間と手を取り合い、涙を流して喜び合った。

世界最大級のサンディエゴ動物園を動かしたこの快挙は、「釧路の市民団体、渡米。動物園側が承諾」と新聞が大きく報道。釧路市民が心をひとつに奮闘している姿を、日本中の動物園に知らせた。

学ぶことが多かったサンディエゴ訪問

感動が国内動物園を動かし、念願の「スカイ」くんが釧路へ

サンディエゴでの感動は、新たな動きとなって表れた。おびひろ動物園で生まれた雄のキリン「スカイ」を、所有権を持つ盛岡市動物公園が釧路市動物園に譲渡してもいいと申し出たのである。「本当ですか!」。その知らせに、エンジェルたちは歓喜に包まれた。アメリカで確約は得ていたが、キリンの移送や気候への慣れを考えれば、おびひろ動物園の「スカイ」譲渡は願ってもない好条件だった。

すでに募金箱設置場所は約600カ所、訪れた企業は700社に達し、2013年3月31日に行われたバザーで、募金はついに5000万円を突破。エンジェルたちは、ついに目標を達成したのである。

そして、募金でキリン購入を果たすと、チャイルズエンジェルは、惜しまれながら解散したのである。

快晴の10月12日、釧路市動物園は普段の2倍近い来園者でにぎわっていた。1歳のアミメキリン「スカイ」くんお披露目の日を迎えたのである。「スカイ」くんの登場に、キリン舎の周りには子どもたちや市民の歓声と笑顔があふれ、傍らには、それを優しく見守るエンジェルたちの姿があった。

待望のパートナー、「コハネ」ちゃんがお嫁入り

貴重な経験となった、サンディエゴ動物園での獣医と飼育係の研修

「スカイ」くん購入後、キリン募金の残りは、キリン舎の整備に使われたあと動物園に寄付され、その一部はエンジェルたちのアイデアで獣医と飼育係をサンディエゴ動物園に短期留学させることに使われ、人づくりに活かされた。

さらに、エンジェルの要望を受けた阿部現園長の尽力により、「スカイ」くんに待望のパートナー「コハネ」ちゃんが、東京の羽村市動物公園からやってくることになった。

2014年6月1日、この日も快晴となったお披露目イベントでは、子どもたちの呼びかけに応えて2頭が仲良く登場。愛くるしい姿に、大人も子どもも2倍の喜びに笑顔がはじけた。

「キリン募金の活動は、私たちにとっても宝物です」。そう話すチャイルズエンジェルのメンバーたち。「スカイくんとコハネちゃんの顔を見たら、雨の日や吹雪の日に募金活動をして大変だったことも、全部忘れてしまいました」と笑顔が並んだ。

心をひとつにして夢を実現させた釧路市民の感動の物語は、皆の心にいつまでも残っていくことだろう。

仲睦まじいコハネちゃん(左)とスカイくん
左ほほにあるハートマークがコハネちゃんのチャームポイント
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