
子どもたちのため、キリンを購入したいという想いはいっそう強くなったが、雄雌合わせて4000万円以上という金額はあまりにも高額だった。やがて、皆の想いはひとつの結論に達したのである。「募金を集めたらどう? 子どもたちのための『キリン募金』。きっと釧路中が協力してくれるんじゃない」。
こうして、坂本さんを代表に、キリンを寄贈するための地元主婦20人による市民団体「チャイルズエンジェル」が誕生したのである。
チャイルズエンジェルは、「募金の目標金額は5000万円、活動期間は2013年3月末まで」と決め、活動の準備に取り掛かった。募金を呼び掛けるポスターは、地元のデザイナー木島さんがボランティアで制作してくれた。また、札幌国税局に申請し、企業なども募金しやすいよう寄付金控除の対象団体にもなったのである。
こうして2012年5月、子どもたちにキリンを贈るという夢に向かって募金活動がスタートしたのである。いざ始まってみると、市民からの反響と協力は予想をはるかに超えるものだった。