笹原は、常に誰かのために何ができるかを考えていますね。ですから、不眠不休に近い状態で300体を超える復元ボランティアが続けられたんだと思います。
亡くなった方から教えられるのは、明日生きられる保証はないということだといつも言っています。だから今日できることをやり抜くんだと。そうした気持ちからでしょうか、今まで経験したことのない遺体でも、ものすごい集中力で復元し、どう処置したのか本人が覚えていないこともありました。今回の震災では、小さな子どもの犠牲も多くつらい場面もあったのですが、たとえ1年の命でも必ず何かを伝えるために生れて来たんだからと、黙々と復元納棺を続けましたね。
復元に使う付けまつ毛などが足りなくなると、笹原は自分の髪を少しずつ切って続けました。納棺のとき遺体の手の爪に土が入っていたら、勝手にとらずにどうするか必ず遺族に聞くのです。農家で頑張ってきた人なら、遺族はそのままを望むこともあるだろうからと。そんなふうに気遣うことができる人ですね。
社名の「桜」は、昔、桜が供養の木に使われた言い伝えからとったhttp://www.sakura-noukan.com/
受賞コメント
選考委員長コメント