
自身で点訳を続ける傍ら、竹内さんは40代のころから放課後や休日を利用し、ボランティアで中学、高校、大学へ点訳の出張指導を行うようになった。こうした活動は息が長く、今も浜松市内の福祉会館で週に1回の点訳指導を行っている。また、市内を中心に、点訳サークルの結成にも尽力してきた。
現在、静岡県立浜松視覚特別支援学校となっている旧浜松盲学校には、竹内さんから点訳指導を受けた方からの寄贈本が少なくないという。竹内さんの活動について藤田則吉校長は、「本校には、点訳本や、弱視の方のため手書きで字を大きく書いた拡大本など、数多くの寄贈本がありますが、竹内さんはその先駆的な存在です。今は、パソコンで点訳ができる時代になりましたが、手で打っていただいたものは温かみがありますから、生徒たちにも分かるんでしょうね」。そう話す。
学校には今も竹内さんが寄贈した点訳本が数多く所蔵され、最近の点訳を集めた書棚には、竹内さんの寄贈本コーナーのプレートが掲げられている。