
諒人くんは今、自宅を離れ全寮制の学校で勉強に励んでいる。お母さんは、「生き物以外の本もたくさん読むようになりました。ひとつのことを認めてもらえると、いろいろな事に興味が広がるんですね」と、その成長ぶりに驚くという。
諒人くんの研究をサポートしている永森貴子先生は、「ビオトープの研究で素晴らしいのは、この研究の目的を過去の自分の研究とつなげ、生き物を取り戻すだけでなく、街づくりという大きな視点でまとめている点です。しかも、それをきちんと自分の言葉でまとめています」と話す。
自宅の庭で検証したビオトープ作りを、今度は学校の校舎を取り囲むような大規模なものに成長させていくのが次の目標だ。「今、一番興味があるのは生態系です。人間が壊してしまった本来の生態系をどう取り戻せるかを考えていきたいです」。将来、生物学者になりたいという諒人くんは、研究を通して社会に貢献し、たとえ限られた地域でもいいから、かつての自然豊かな日本に戻したいと夢をふくらませている。