
袖ヶ浦市の新しい家から小学校までは緑豊かな森があり、トカゲやカマキリなどたくさんの生き物が見られた。アオダイショウを捕まえ、飼ったこともある。
「学校からまっすぐ帰ってこないどころか、ちゃんと登校しないし、もう何度探しに行ったことか」とお母さんは笑う。
毎年、夏休みには自由研究をしたが、4年生の夏休みを前に、諒人くんはある考えを持っていた。「それまでは観察記録ばかりだったので、今度はファーブルみたいに仮説を立てて実験したいと思ったんです。実験するには同じ生き物がたくさん必要なので、前にフィリピンで見て面白かったことや、謎が多いことからアリジゴクを選びました」
実験に使うアリジゴクは、近所の神社などでたくさん捕れた。調べたのは、巣の作り方や、アリ以外の餌についてなどで、1カ月実験・観察を続けた。そうした観察の中に、諒人くんがどうしても確かめたいことがあった。