CITIZEN OF THE YEAR 社会に感動を与える人々を応援します。

受賞者一覧

2009年度受賞

多以良 泉己さん

  • 喜んでくれる人がいるから、
    頑張ってこられました

    奥さま
    宇佐美総子さん

泉己くんは、完璧主義。パンも出来上がりが少しでも気に入らないと、自分で食べちゃう。ケーキなどでも、角が少しでも欠けると、お客さんに送るのを嫌がります。『天使のパン・ケーキ』を長いあいだ待ってくれている人の期待に応えたいからなんです。

真面目で、競輪選手としてデビューしたてのころは、心にゆとりがなく、練習ではいいタイムを出せるのに本番に弱かった。心を鍛えようと禅寺に通ったり、体全体に筋肉をつけるために水泳を始めたり、遊びの中にトレーニングを取り入れ、心と体のバランスをとるように努めました。事故後、下半身麻痺は避けられないというお医者さんの診断にもかかわらず奇跡的に回復できたのも、諦めずに、目標を持って、楽しむ気持ちを忘れずにふたりで頑張れたことが一番大きかったと思います。

今はパン作りに追われて自分たちの時間がないので、ゆっくりする時間も大事にしたい。本当は労働代も出るようにしたいのですが、値段を上げると買えなくなってしまう人も出てきます。泉己くんがその人のためだけに手作りすることに意味があるので、数も増やせないし、材料の質を落とすことも出来ません。喜んでくれる人がいるから、頑張れるんだと思います。これからもふたりで続けてゆけたらいいですね。

総子さんの著書『幸せをはこぶ天使のパン』(主婦と生活社)

受賞コメント

パンを食べて元気になってもらえたら

ケガをしたことは辛くて、悲しいけれど、そのことでさまざまな体験ができ、いろいろな人にも巡り会えた。ケガをしていなかったら、自転車以外のことは何も知らないで終わったと思う。一人では生きていけないことも、よく分かりました。多くの人から手紙をもらうと僕も元気ややる気が出ます。苦しい思いをしている人がパンやケーキを食べて元気になってもらえたらうれしい。それにしてもうちの奥さんはすごい。奥さんがいなければ僕はパンとも出会えなかったし、ここまで来られなかったと思います。

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