CITIZEN OF THE YEAR 社会に感動を与える人々を応援します。

受賞者一覧

2008年度受賞

出水市立 荘中学校

  • 金久三男校長先生の談話

    2008年4月~2010年3月在任
    出水市立 荘中学校 校長
    金久三男さん

生徒を大きく成長させるツルの調査

「ツルの羽数調査を中学生がするよさは、必ずしも100%正確とはいかないが、まじめに取り組むところにあります。少なくとも実数を超える過大な数字にはならない。とはいえ学校は教育の場なので、常に精度を高める努力をしていく必要があります。そこで、例えば調査前日、ツルクラブの顧問の先生が撮影したビデオを生徒に見せて状況を説明するなど細かく配慮しています。

羽数調査を行うことの教育的効果は、まず自然との共生の意味や、大事さを知ること、人間はもちろん動植物に対する思いやりの心を育てること、また厳寒の中で調査を続けることで忍耐力が養われ、精神力が鍛えられること、さらに羽数調査に加えツルの家族調査や、行動範囲を知る分散調査を行うことで、家族愛や子育ての方法などを学べること。このことは将来、子どもたちが大人になったとき、大きな示唆を与えるように思います。このほか、50年続いてきたことに対する先輩たちへの感謝の念を育むし、誇りも芽生える。羽数調査を行うグループには各学年の生徒が加わっており、互いに協力しようという心とともに、リーダーシップも育ちます。このほか、ツルのことをもっと知ろうということでは、今年から学内でツル検定というのを始めています」

調査を通し社会とのつながりも学ぶ生徒たち

「うちは小規模校で、教職員1人で2人弱の生徒を見るのだが、それはそれとして羽数調査を続けたことが、先の教育効果だけでなく、学力や体力の向上につながっているし、校内でのいじめなども見られなくなりました。しかもシーズンになり調査の開始時や最終日にはマスコミの方々がたくさん取材に来られる。ツルに関連して全国各地との交流も盛んだし、シチズン・オブ・ザ・イヤーに代表されるように表彰や各種の発表会などもあって、地方の小規模校では例外的にさまざまなコミュニケーションの環ができており、生徒たちは大きな社会的広がりの中にいます。また生徒たちはボランティアとして、ツル観察センターへ来られた方のガイドもしています。荘という中学校へ来ないと、こうした体験はなかなかできないと思うし、今さらながら調査を継続することの重要性を痛感しています」

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