CITIZEN OF THE YEAR 社会に感動を与える人々を応援します。

受賞者一覧

2008年度受賞

川崎個人タクシー協同組合

  • ~しいのき学園を訪ねて~

    川崎市知的障がい児施設
    「しいのき学園」園長 鈴木正治さん

鈴木正治園長の声

川崎市の知的障がい児施設「しいのき学園」は、南北に長いこの市のほぼ真ん中、中原区井田の高台にある。入居者は40人で、最重度と重度の障がい児が多く、一方でIQ75をわずかに下回るだけの境界線上の子どもも少なくない。日中は、多くの子が近所の小中学校や養護学校に通っており、園内はごく静かだ。

今年4月に就任した鈴木正治園長は、「最近の特徴は、親の虐待とか、ネグレクト(育児放棄)とかで、行政の措置で入園する子どもが増えていることです」と眉を曇らせる。「ですから、タクシー協会のほうから最初に話があった時代には、家族の方がなかなかドライブとかに連れて行かれなかったような事情があって、たいへん喜ばれたんですが、今は家族と出かけるどころか、事実上家族そのものがいない子どもが増えているんです。ドライブに参加する家族の方も3、4家族。そういうことで、子どもたちは年1回の、このタクシードライブをとても楽しみにしています」

軽度の子どもたちからは、年度初めにこういう所に行きたいという希望が出て来ることもある。最近の関心は秋葉原だそうである。「重度の子どもでも、車に乗るとおとなしくなる。みんな車が大好きなんですよね。そんなことで個人タクシー協会の招待ドライブは、学園の年間スケジュールに組み込まれています。ともかく感謝しています」と、鈴木園長。

現在は建物が仮設だからなおさら思うのかもしれないが、日本の寒々とした家族の風景の一端が垣間見られるこの施設に、川崎個人タクシーの有志はささやかながらほのぼのとした温かさを届けていることだけは確かである。

受賞コメント

毎年続けることで賛同者が増え、当日は参加できないが募金はするなど、何らかの形で全組合員が関わる恒例行事となりました。この活動によって組合員の結束力が高まったと言っても過言ではありません。今、私たちタクシードライバーを取り巻く環境は暗い話題が多い中、このような賞をいただいたことが、組合員に明るさと活力を与えてくれると思います。また、しいのき学園の子どもたちと触れ合うことによって私たちも大いに励まされています。帰り際の「ありがとう」の一言が何よりも嬉しくて、明日からまた頑張ろうという気にさせてくれます。

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