CITIZEN OF THE YEAR 社会に感動を与える人々を応援します。

受賞者一覧

2007年度受賞

JR香椎線・西戸崎駅で社内清掃を続ける高校生有志

車内清掃する高校生たち

「表彰されるためではなく、当たり前のことをやっただけ」

現在、久留米市内で知代さんと同居しているという静香さんは、自分たちの活動がさまざまなところから表彰、顕彰されたことを、いまだに驚きをもって受け止めている。

「表彰されるためにやったのではなくて、ゴミが多かったので拾っただけなので、褒められたり、感謝状をもらったりしたことについては、うれしくもあったけれども、それ以上に驚きのほうが大きかったですね」

当たり前のことを当たり前にしただけなのに、という感覚なのだ。

この松田さんたちの活動は、2年後輩までは確かに引き継がれていたのだが、いまは続いているのかどうかはっきりしない。JR九州のほうでも確認できていないという。

「引き継がれていないとすると残念ですね。仮にそうであったとしても、私たちは今後とも、自分自身が社会のモラルに反しない生き方をしていきたいと考えていますし、私たちの活動で社会のモラルが多少なりとも高まったとしたらいいかなと思います」

2人は元剣道部員らしく、明るくはっきりした口調でこもごもそう語ってくれた。

西戸崎駅について

松田さんたちが車内清掃を3年間続けた西戸崎駅は、宇美-香椎―西戸崎と結ぶ、全線25.4kmの香椎線の終点になる。『日本書紀』『万葉集』などにも記載されている志賀島への入り口にあたり、島へは駅前の停留所から西鉄バスが出ている。また近くに市営渡船の旅客乗船所があり、博多埠頭と結ばれている。

博多駅に近い鹿児島本線香椎駅までは20分ほど。清掃作業に参加した香椎、香住丘、香椎工業、九州、福岡魁誠、宇美商業、新宮、城東、玄海、博多女子高に通う高校生だけでなく、他の高校あるいは大学、それにビジネスマンなどが通学・通勤に日々利用している。

駅舎は1904年(明治37)の開業時は木造だったが、現在は鉄筋ガラス張りのモダンなものに造りかえられている。改札脇の壁面には彼女たちの活動を表彰して贈られたシチズン製の時計が掛けられ、駅舎を利用する人たちに正確な時を告げている。

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