
松田さんたちが車内清掃を3年間続けた西戸崎駅は、宇美-香椎―西戸崎と結ぶ、全線25.4kmの香椎線の終点になる。『日本書紀』『万葉集』などにも記載されている志賀島への入り口にあたり、島へは駅前の停留所から西鉄バスが出ている。また近くに市営渡船の旅客乗船所があり、博多埠頭と結ばれている。
博多駅に近い鹿児島本線香椎駅までは20分ほど。清掃作業に参加した香椎、香住丘、香椎工業、九州、福岡魁誠、宇美商業、新宮、城東、玄海、博多女子高に通う高校生だけでなく、他の高校あるいは大学、それにビジネスマンなどが通学・通勤に日々利用している。
駅舎は1904年(明治37)の開業時は木造だったが、現在は鉄筋ガラス張りのモダンなものに造りかえられている。改札脇の壁面には彼女たちの活動を表彰して贈られたシチズン製の時計が掛けられ、駅舎を利用する人たちに正確な時を告げている。