
そんな桑山さんの社会貢献だが、最初のうちはご主人には内緒だったという。原資となったのは、新聞配達で得たアルバイト代。「いまのところ、まだそれが残っている。いよいよ無くなったなら、年金から出せばいい。人並みに暮らせればと思っていますから、今後も募金は続けます」と、桑山さんは屈託がない。シチズン・オブ・ザ・イヤーの賞金は洪水で流されたスリランカの小学校再建に送金した。07年5月にはご主人ともども現地を訪れ、新築の校舎の前で子どもたちの喜ぶ姿を見たので、それで十分満足だと話す。
長男は有名国立大学を卒業しているが、地元で社会福祉関係の施設に勤めている。自分の心を受け継いでくれているという思いがあって、そのことも桑山さんは殊にうれしいらしい。「日本のお母さん」ここにあり、である。