CITIZEN OF THE YEAR 社会に感動を与える人々を応援します。

受賞者一覧

2006年度受賞

川越 恒豊さん

気持ちがあふれ出る投書の数々

2010年9月27日放送分は「行ってみたいところ」がテーマ。投書のいくつかを一部だが紹介したい。句読点を含め、すべて原文のままである。《私は今は亡き息子と行った、神戸は六甲山に行き、素晴らしい夜景を見ながら、あの頃を想いたいものです。六甲山の夜景は本当に、心を奪われる程綺麗で、(中略)だから、もう一度あの場所で天国にいる息子に、今回こそ更生を誓いたいものです。》

《私の行ってみたいところは、娘の運動会です。私はまだ一度も娘の運動会を観に行ってやった事がなく私自身も親の事情で運動会など一度も来てもらえずに辛い想いをして分かっているのに娘にも同じ辛い想いさせてしまいました。(中略)こんな私でも今でもパパと呼んでくれ手紙もくれます。出所したら必ず観に行ってやります。》

愛情、悔恨、反省などの気持ちがあふれており、全文を読んであげたいと語る川越さんの気持ちがよく分かる。

「寒い日でも、投書の言葉が私を温めてくれる」

川越さんは、1941年生まれで現在69歳。大学時代には児童教育部というサークル活動に熱心に参加し、都内で幼稚園児から中学生までを対象に、紙芝居や指人形劇、あるいは図書の読み聞かせなどを行なっていた。休みで帰郷すると、青年赤十字奉仕団の委員長として、養護施設や盲学校などを回り、児童教育部でやったのと同じような活動を活発に展開したという。川越さんの奉仕活動は、お寺の住職ということを考慮しても筋金入りである。

「二人のアシスタントも、辞めないで続けましょうよと言ってくれているので、できるだけ続けていきたい。例えば雪の日には寒さが倍になる。しかし投書のコメントが、カイロになって私を温めてくれるんです」

このところ、こうした所内放送は受刑者の教育に有効だということで注目され、各地の刑務所で取り入れられつつあるという。

「DJの先輩というだけでなく、人生の先輩」

  • ―「730ナイトアワー」に出られたきっかけは。
  • 中田
  • 日本舞踊をやっていて、年1回慰問に出向いていた。ある時、前任の方がご家庭の事情で出られないので、2、3回つないでくれないかという話があり、気楽に引き受けた。それがいつの間にか21年を越えることに。川越先生が賞を受けられたり、番組が様々なメディアに取り上げられたりし、そうした意義あることに私自身参加できてとても喜んでいます。大雪で交通が麻痺した時には迎えに来ていただいたり、仮設スタジオを季節感が出るように彩ってくださったりと、刑務所の歴代担当者の努力にもとても感謝しています。
  • ―川越住職はどういう方ですか。
  • 中田
  • DJの先輩というだけでなく、人生の先輩として色々教えてもらっている。「730ナイトアワー」は生番組で、しかも打ち合わせなしに進行する。しかし突然話を振られると、とんでもないことを言ってしまうこともあるが、うまくカバーして下さる。番組では、先生は宗教や生きることの意味といった話をされるので、私は収容されている方を励ますような話をするようにしています。
  • ―今後は。
  • 中田
  • もう一人の谷口真己子さんを含め、3人がボケとツッコミと言うか、阿吽の呼吸で楽しくやってこられた。今後とも必要とされる限り、できる限り頑張りたいと思っています。
(左)谷口 真己子さん(右)中田 好美さん
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