シチズンファインデバイス株式会社(本社:山梨県南都留郡富士河口湖町、社長:近藤 隆造)は、株式会社日立エルジーデータストレージ(本社:東京都港区、社長:閔 丙薰)とAnalogix Semiconductor, Inc.(本社:カリフォルニア州、CEO:Kewei Yang)、の3社共同で、AR/MR(拡張/複合現実)グラスタイプとなるヘッドマウントディスプレイ向けモジュールを開発しました。本モジュールは、2019年1月8日から米国・ラスベガスおいて開催のプライベートショーにおいて展示を予定しています。
AR/MR向けヘッドマウントディスプレイ(以下HMD)は、ゲームや映像コンテンツを楽しむエンターテインメントや、業務サポートツール分野で期待されています。しかし、製品化に必要な「映像表示技術」、「光学制御技術」、「信号処理技術」の3大要素を一から開発する場合、部材の選定から始まり開発には数年を要することがあるなど、多くの負荷と時間を必要とします。
そこで、シチズンファインデバイス社、日立エルジーデータストレージ社、Analogix Semiconductor, Inc.社の3社共同で、それぞれが開発した「映像表示」「光学制御」「信号処理」の技術を集約したHMD向けモジュールを開発しました。このモジュールは、パソコンやスマートフォンからUSB-Cケーブルを介して、映像信号を入力するだけで画像表示が可能な基本モデルとして組み上げられております。更にお客様の求める様々な機能を搭載できるよう、拡張性を考慮した設計となっており、機器メーカーやシステムインテグレータのニーズに合ったAR/MRヘッドセットの開発から生産までを年単位で短縮することが可能です。
また、具体的な製品・システム開発のための基本モデルとして販売いたしますが、3つのエンジンをそれぞれ個別にご提供することも可能です。
本モジュールは2019年1月よりサンプル出荷を開始する予定です。
・ゲームや映像コンテンツを楽しむエンターテイメント向け
・業務サポートツール
HMD機器及びソリューション開発メーカー
映像を表示するマイクロディスプレイは、シチズンファインデバイス社の強みである強誘電性液晶(FLCOS)(表示エリア0.24インチ:1280x720画素)を搭載します。同社独自のFLCOS技術は小型・高精細・高速応答が特長で、HMD用途向けに新たな高輝度液晶を開発しました。LSI設計LCOS用シリコンウエハー、駆動方式の改良も併せ、高輝度を実現しつつ、低消電・軽量・小型化を達成しました。インターフェースは通常のパラレル通信に加え、より高速通信を実現するMIPI入力にも対応しており、HMD向けに最適なマイクロディスプレイとなります。
日立エルジーデータストレージ社(以下HLDS)では、映像表示とデータコントローラの2つの技術を取り入れた光学制御となるエンジンを設計・製造。この光学エンジンの特長は、AR画像の視認性を高める光導波路の採用、及び高画質を実現する高精度光源実装技術となります。これらの特長は、HLDSが長年にわたって培ってきた光ディスクドライブ及びその光学系の設計ノウハウと精密製造技術を駆使することにより可能となります。
Analogix Semiconductor, Inc.社 から提供されているスリムポートANX7530ディスプレイコントローラと、デマルチプレクサを備えた完全一体型USB-PD 3.0ポートコントローラANX7327の組み合わせは、低消費電力および狭実装面積でありながら、高い信頼性を保った高リフレッシュレート(120Hz)のビデオデータ転送を実現する、ARシステムに最適なチップセットです。