
現在、「キセキ」では施設内の業務や、託児所、幼稚園、こども食堂などを担当するスタッフのほか、毎年150人くらい来るインターンシップ参加者の身の回りの仕事をするレジデンススタッフがいます。彼女たちは、日本人の要望を聞いてプログラムをアレンジしたり、現場でコーディネートするようにもなっています。
こうしたスタッフの成長により、山田さんは子どもたちの学校が夏休みになる5月~7月は日本に戻り、学生時代に友人の実家に行って大好きになった、高知県四万十市に滞在できるようになりました。
もちろん、こうなるまでには信頼していたスタッフにお金をだまし取られたり、多くの裏切りにもあってきました。しかし、山田さんはシングルマザー支援を諦めることなく「盗むほど困っているなら言ってほしい。言ってくれたら助けるから。言わずに盗んだら即時解雇よ」と毎月のミーティングで繰り返し伝えています。実際、困っている女性には、子どもの学費や健康保険料、食料やおむつの配布など、安心して働ける環境をつくってきました。
そして今、彼女たちの多くは自分の持ち場や仕事に責任を持ち、自分の頭で考え動けるようになってきていますと話す山田さん。ともに、お母さんと子どもたちを笑顔にする仲間として、これからも山田さんの挑戦は続きます。