2023年の9月から10月には、フラワーメイクアカデミーの活動として、「国立福岡視力障害センター」で2回にわたり「ブラインジェンヌメイク」の講座が行われ、江口さん、北條さんが講師として参加しました。約20人の全盲や弱視の男女が受講して化粧法やスキンケアを学ぶなど、活動がまた広がりました。
さらに今年6月には福岡高等視覚特別支援学校で講座を開催。生徒たちに自分の手で肌に触れてもらいながらケアの大切さを解説し、そのあと一人ひとりの手を取って眉の整え方やファンデーションの付け方などをやさしく指導しました。終了後には「自分に合うメーク法があることがわかり気持ちが軽くなった」「対話をしながら学ぶことができてうれしかった」などの声が聞かれました。
動画サイトYouTubeを活用した「ブラインジェンヌメイク」の紹介も話題になっており、使うメーク道具も専用の高価なものではなく、100円ショップで手に入るような道具を活用して敷居を低くし、まずメークを楽しんでもらうことを大事にしています。
メーク講師として歩み始め、受講生がさらに向上心を持ったり、そのために相談を受けることで自分の成長にもつながっているという北條さん。それがこの活動の何よりのやりがいだと言います。そんな北條さんを見て、江口さんは「講師として育っていくのを見るのがうれしい」と話し、工藤さんも自分たちと受講生が一緒に咲顔(えがお)になる瞬間が一番力になると笑みがこぼれます。
北條さんは、「自分でメークした視覚障がい者が出演し、目が見えない人でも理解し楽しめるファッションショーをいつか開催することが夢」と話します。その夢の実現も含め、それぞれ異なる役目を担っている自分たちが、これからも三人四脚で進んでいくことが大事と声をそろえる皆さん。視覚障がい者にメークを指導できる講師が増え、自分らしく輝く人が全国に広がっていくよう、ブラインジェンヌチームの活動は続いていきます。